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「花束みたいな恋をした」就活生が彼女と見に行ってみた

こんにちは! 今回はいつもとテイストは違いますが、「花束みたいな恋をした」を見に行った感想を書いていきます。

まず、結論から言うと、彼女と見に行ってよかったです!

ネット上では、「彼氏いるけど一人で見に行ってよかった」「カップルで見に行ったら気まずくなった」という警告が多く発せられていて、さらに、劇中で就活のシーンが出てくるという情報を事前に耳にしてしまい、戦々恐々としていました(笑)

しかし、いろんな境遇の人がいるので、一緒に楽しめるカップルと、一緒に見るのやめておいた方がいいよっていうカップルの特徴を最後に自分なりにまとめたので是非ご覧ください!(以下、ネタバレを含む可能性がありますので、そこだけ見たい人は目次から最後の見出しまで飛んでください)

以下、本編まで少し空白があります。

胸に刻み込まれる「純愛ラブストーリー」

まさに、「純愛ラブストーリー」でした。
恋の始まりからから、同棲、就活、分かれるまでのすべてがまぶしいほど素敵に、胸を締め付けるほど切なく描かれていた作品です

菅田将暉演じる麦、有村架純演じる絹。お互い、好きなものや趣味、考え方、感動するところが同じ2人が、偶然同じ終電に乗り遅れる。そうして始まった2人の恋。

2人はまもなく同棲を始め、絹は出遅れた就活に精を出し、麦は趣味の絵描きという夢を追いかけます。

ある日、2人のもとに絹の両親がやってきます。その2人は広告代理店勤務で麦とは真逆で、「就職しないのは反社」に相当するという考えを持っているくらいで、「仕事は責任」などと麦を冷やかすシーンもありました。

結局、2人ともフリーターになり、はじめのうちはまぶしいほどの幸せな日々が続きますが、麦が絵描きでは食べていけないと感じ、就活を始め、就職します。しかし、思ったよりも忙しく、すれ違いや喧嘩が増え、麦が安定や周囲のことを考えて結婚を迫るシーンも何回かありました。しかし、絹はろくにコミュニケーションも取ってないのに何で平気でそう言えるのかと不満げに思います。

ブラック会社で仕事詰めの日々で、今まで一緒にやったゲームや共通の趣味に興味を示さなくなった麦に対し、絹は資格を取って手にした事務の仕事を辞め、イベント会社に転職しようとします。そんな絹に麦はなんで転職するんだと怒りを露わにします。
絹は、「やりたいことを仕事にしたい」と言いますが、麦は「仕事は責任なんだよ!」と言い放ちます。このとき2人はすでに取り返しのつかないところまで溝が深まっていたと思います。

そこにはあの頃の「同じ」を純粋に楽しめた2人の姿はありません。麦がかつて思い描いていた「理想」「現実」に削られ、取り戻すことのできないものになっていました。同時に、絹は事務の仕事を辞めて、したいことをしたい、つまり「理想」を諦めていないという根本的な違いがあったのだと思いました。

書店で絹が麦を喜ばせようと、同じ趣味の本を手に取りと駆け寄るが、彼が堅苦しい本を読んでいる姿を見て、私の知っている彼はもう遠くへ行ってしまったというような悲しい表情を浮かべているシーンがほんとに切なかったです。

絹が就活で圧迫面接を受けていることを知った麦が、(圧迫面接をするような大人は)今村夏子の『夜のピクニック』を読んでも何も感じないだろうな」と言いますが、麦が社会人になって絹に同じことを言われて、麦が「もう何も感じないかもしれない」と答えるのシーンもほんとに辛かったです。

一番泣いたシーン

最後のファミレスで分かれ話をするシーンで号泣しました。

友人の結婚式で別れることを決意した2人が、ファミレスで別れ話を切り出します。しかし、麦はやっぱり別れたくない結婚してあんなときもあったねと笑い合えるくらい幸せになろうと言います。そのとき、デートでいつも座っていた席に、出会ったばかりの自分たちそっくりな男女が現れます。それを見て2人は涙を流します
このシーンを見てスーッと自然に涙がこぼれました。

まとめ

「同じ」視点を見ていた2人が、麦は社会人になり「現実」を背負い、絹は「理想」を追いかけて2人が「違う」視点を見るようになって2人の心の距離が取り返しのつかないくらい離れていった、そうして別れたのですが、そうして2人は次のステップに進んだのだと思います。ほんとに分かれて欲しくなかったですが(笑)
冒頭の2人がカフェで同じタイミングで立ち上がるシーンは、別れた後だったと後から知って驚いています。

『夜のピクニック』のセリフのように物語の随所に散りばめられた対比が効果的で、2人の心の距離や、考え方の変化が暗示されています。演出も脚本もほんとに完璧で、一つひとつのシーンが心の奥に刻み込まれました。ここまで感情を動かされるとは……(笑)

良いドラマを見れた。そんな気分です。

見る人によって変わる見方

僕は付き合ってまもなく1年で、お互いに思ったことは何でも言い合える、もやもやしたことがあっても解決しようとするような仲です。就活や2人の幸せそうな姿を自分たちにも重ねることはありましたが、見終わった後、2人で見て良かったと思いました。

しかし、普段から思ったことが言えていなかったり、どちらかがすれ違いを感じていたりしているカップルが一緒に見に行くことはあまりオススメしません。要は普段からどちらかが我慢していたらダメだということです(笑)
ネット上でこれを見て別れたとか書いてありますが、これを見て別れるようなカップルは見なくても別れると思います。この映画がその後押しになるかもしれませんが……。

もちろん、恋人がいない人でも、男1人でも、恋愛映画に抵抗がある人でも(ただの恋愛映画ではないと思うので)すべての人に響くものがあるので、ぜひ皆さんにも見て、それぞれ感じて欲しいです!

映画レビュー慣れていないので長文・駄文になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!
この映画を見た感想など、ぜひコメントもお寄せください!

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