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【食を職にする】一本のお箸のはなし

初めての方、はじめまして。
リアルでお会いしたことのある方、お元気ですか?

金沢で醸造家(Fermenter)をしています、山本といいます。
発酵(Fermentation)に関わる仕事の人を、ファーメンターというそうです。
アメリカではビールを自宅でDIYで醸造したりする人を、
Home fermenterと呼ぶとか。

「お味噌くらい手づくりしなくちゃ」という、
地域のお母さんみたいな方って日本のHome Fermenterと言えますよね。
美味しくて、健康に良いって、
発酵食品、最高じゃないですか?
かくいう私自身、お味噌づくりの講師もしたりと、
発酵カルチャーの伝道をしています。

さて、このnoteはまさかの1万字あります(笑)
なので、見出しをまず見てみてください。
もしも関心あるテーマが見つかりましたら、
直接飛んでみてくださいませ。

酔狂にも、まさか、読み通そうという方へ
あなたの人生の30分を捧げてくださったことへのささやかな御礼として、
プチプレゼントをお渡ししますので、
リアルにお会いしたときに声かけしてくださいね。

なお、私のさくっと短いプロフィールや最近の活動は、
Wantedlyにまとめていますので、
経歴だけ知りたい方は安心してWantedlyへどうぞ。

【お仕事依頼】について

看板商品の生醤油「ひしほ醤油」と木桶仕込みの「ヤマト味噌」

「うちのお店でコウヘイくんのところの商品を取り扱いたいんだけど!」
「いつもヤマトさんの商品は、ファンが多いんだよ。」
こうした食のプロの一言が、超嬉しいです。

(お取引や商品のお問い合わせは、こちらからお願いいたします)
(ネットショッピングはこちらから)

チームの職人仕事で丁寧に作りこんでいるうちの商品、
代々かけて磨いてきたことを認めてくださるのは何より誇らしいですし、
「ヤマトさんのお醤油じゃなくちゃ、ダメなんだよね」
と言ってくださるお客様の声をいただいたりすると、
背筋がビシっと伸びて、いつも励みになっています。

では、1万字、いきますよ!!

箸一本よく盤水を回す

約10年前の話になります。
26歳でヤマト醤油味噌に入社したとき、
社長から(父です)
「明日、実印持ってきて」と言われ、
信じられないような金額の判子を押すところから
ヤマト醤油味噌のキャリアが始まりました。

そのときには結婚もしていましたが、
とても子どもを作るような気持ちにもならない(苦笑)
借入金の多さに、すごくヒリヒリした毎日を過ごしていたのを覚えています。

「ヤマト醤油味噌の将来のために、玄米甘酒を売ってくるのだ!」
「ハイッ」

社長の指示で、一も二もなく、営業に回りますが、全然売れない。
当時は2009年。
塩糀や甘酒のブームが起きるまでは、あと数年あり、
「糀」や「甘酒」という言葉そのものが一般的ではありませんでした。
「甘酒?ふーん」
「なんで茶色いんですか?ああ、玄米?」

真っ暗な気持ちでいたところ、社長が言ったのがこの言葉でした。
箸一本、よく盤水を回す
この言葉を知っているか?
タライに水を張って、お箸一本で、ぐーるぐると回す。
最初はまったく水は動かない。
でも、ゆっくり辛抱強く、水の動きに合わせて動かしていると、
タライの水全体が動くようになるんだ。
最後には、あふれるようになる。
いまは辛抱強く、動くときだ。」

なにぶん、前職の商社も辞めてきて背水の陣の20代ですから、
素直さが武器。
「箸一本に、俺はなる」
と決めたのでした。

後日、「日本酒王に、俺はなる」と、同世代の醸造家の後継者がワンピースばりに豪語していて、「めっちゃ俺とちがうやーん」と、そのイケイケっぷりにコンプレックスを感じたとか感じなかったとか

30歳の時の実話より(キラッキラしてる日本酒王子とは、今も仲良しです)

答えは売場にある(甘酒ブーム前夜)

ヤマト醤油味噌の「玄米甘酒」

とある石川県内の自然食品店さんとの新規商談で、
当時専務の小浦さんから、
山本くんのところの甘酒、玄米って面白いから扱ってみようか。
今度週末、2ケース持ってきてよ

「ありがとうございますっ!」
「売り子してってね!」
「え、売り子ですか」
ということで、甘酒2ケースと、
折りたためる販売台と、試飲用のカップを50個ほど持って、
土日のお店にお邪魔してきて、
レジ前で人生で初めての「甘酒いかがですか~?」をやりました。
うん、超懐かしい。

このとき、お店の人も驚くくらい、よく売れたんですよね。
「香ばしくて、普通の甘酒より美味しい」
「ヤマトさんのこの玄米甘酒なら、玄米炊かなくてもいいんだね。
私、いつも玄米を食べているんだけど、たまに面倒なときあって、
フタ開けるだけで飲めるのって、良いよね」

気づいたのが、
「うちの甘酒は、飲む玄米なんだ」
ここに商機がありそう。

当社がお役に立てるポイントを掘り当てられたのは、
本当に得難い幸運でした。

間違いなく、僕の原点です。

前職の商社では、伝票で右から左へ、
という商売をしていて、すごく違和感を感じていました。

前職では、セールスマンも、バイヤーも、みんながみんな、
商品(食品や飲料)のことを「商材」と呼んでいました。
商売の材料、としての商材という言葉に、どうしても馴染めなかった。

でも、現職で、接客・試食販売をしてみて、
「おいしい」の一言をダイレクトに頂いて、
「商売ってこういうことなんだ」と、すっと馴染みました。

「うちの商品は、まず第一に食べもの。
おいしく召し上がっていただくためのものだから、
商材とは呼ばないで!」
と声を大にして業界の人々に言いたい。

ま、話しを本筋に戻してですね。
市場調査をするだけなら、
正直なところ、もっとスマートなやり方もあったと思いますが、
追い詰められて、不器用なやり方しか出来なかったからこそ、
お店の店員さんたちも、
体当たりで未熟な僕を応援してくださったんだろうなーと思います。

いつの間にか、僕の販売していたトークを真似て、お店の方が積極的に玄米甘酒の販売をしてくださっていて、お客様も、うんうん、と喜んで購入してくださっていました。
こんなに有難いことって、ないです。

それからというもの、玄米ご飯を食べている人、に焦点を当てて、
営業を続けたところ、当時ちょうど注目され始めていた
国連大学前の青山ファーマーズマーケット
せたがや縁側カフェの松永さんが、
ヤマトの玄米甘酒をテーマに販売を始めて、
あれよあれよと一気に火がついたように売れだしました。

社会全体が、発酵や、手作りということに関心を持ち始めた、
2010年から2011年頃になっていました。
「ちょっと注文を受けるのを待ってもらえない?」
と甘酒の醸造責任者からストップがかかるほどの人気。

「私たちの商品は、どなたのお役に立てるのか?」
という問いを正面において、ずっと取り組んできました。
ご愛顧いただけるお客様のおかげで、
玄米甘酒は今もヤマト醤油味噌にとって大きな柱に育っています。

あのとき、商品の良さを認めてくださった、
「のっぽくん」という超素敵な自然食品店さん、
「せたがや縁側カフェ」さんは、今ますますの繁盛店になっています。

あの当時、右も左も分からない僕と、新規にお取引を始めてくださったこと、初めて見た商品をお買い求めくださった多くのお客様に、深く感謝しています。

ド中小企業だったり、立ち上げたばっかりの事業で、市場調査をするような、人の余裕もお金もなくても、自分で商品を積んで、売場に行ったら答えがある。

商品を積んで手売りしに行く「箸一本」のマインド超大事。

後日、国産工場直売のアパレルブランド、
ファクトリエの山田社長から伺った、
創業直後のお話しに僕としては、ものすごい共感してて。

規模は、ファクトリエさんがとても大きいのですが。

ファクトリエの創業直後、
はじめて大量に仕入れしたビジネスシャツを梱包した段ボールを、
小さな自宅アパートに置いていて、
窓もふさがるくらいだったそうです。

それを、企業訪問しては、売れなくて、
途中からは、ファッションコーディネートをしては、売って歩き。
毎日、売れたり売れなかったりを繰り返しては、
真っ暗な部屋に帰ってきていたそうです。

1箱売れ、2箱売れ、というごとに、ある日、パッと部屋が明るくなって。
ふさがってた窓から、いつの間にか光が差してきていた。
うん、状況が物理的にも好転している(笑)

まったく気分は同じでしたよ!山田さん!!

社内で商社業を経験する

2015年から2020年にかけての5年間は、
貿易部で集中的に海外販路開拓をしていました。

展示会出展や商談のみではなく、仕入れ業務から、自社内の製造依頼、発送業務の一通りと、海外への納品書や請求書も書いていました。
大失敗もありますし、世の中のお役に立てたりしたささやかな成功体験もあります。

ヤマト醤油味噌では、海外メンバーを積極的に雇用しており、Liz、Shawnら代々の海外メンバーの超優秀さに助けられました。

展示会出展で訪れたリヨンでは伝説のフレンチシェフ、故ジョエル・ロブション氏とも出会えたのは忘れがたいです。
また別の機会で語ることもあるかもです。

ここでは、国内外のお客様と一緒に、社内外の架け橋となって商品開発を繰り返し行ってきました。

そのころの金沢は、2015年の北陸新幹線開業の湧いた湧いたから、2020年のコロナショックまでを経験して、今に至ります。

「チーズケーキ専門店」をひらく

こめはなチーズケーキ ~ブリュレ~

2021年の3月に、ケーキ屋さんを開業しました。
おいしそうっ!
と訪ねてくださった方から、
なにっ!そうきたかっ!
という食業界の方まで、
内外さまざまな反応をいただけました。

チーズケーキは、もちろん「発酵」と関係があります。
糀とチーズの洋と和の出会いをコンセプトとしたベイクドチーズケーキです。
名前は、こめはなチーズケーキ。
漢字で書くと・・・「米」と「花」。

僕たちが代々受け継いできた、糀をつかった発酵食品。
糀の文化をより、身近で、喜んで、楽しんでいただけるところへ。
おかげさまで1周年を迎え、まもなく2周年があっという間に目の前に…

実は、5年前からスイーツをしたい、という構想をしていたのですが、
このコロナ禍で一気にアクセルを踏みました。
なんだか、気持ちまで暗くなっているだからこそ、
発酵食で気持ちを明るくできるような、何が出来る?
本当に、糀をつかって、お役に立てることって、何だろう?
突き詰めたら、糀をつかってコクを深めたチーズケーキになっていました。

ホームページはこちらです。

朝日新聞社さんにインタビューをしていただきました。

食ブランド「まごはやさしいこ」

2021年8月には、腸内フローラからの健康を意識して、
自社の糀をつかって半調理してある、
すぐに食べられるお惣菜の食ブランドも立ち上げました。
「まごはやさしいこ」と申します。
ホームページはこちらです。

腸内フローラの健康を考えて、毎日食べたい8つの食材の頭文字をブランドにした

このプロジェクトのインサイドストーリーでは、主に社外メンバーとの連携だったり、語りたいことがたくさんあります。
今度、別項目で書きます!

事業を止めますか?続けますか?

味噌熟成のための8号倉庫前で photo by Akihito Inui (Pillar)

コロナ禍で事業全体に急速なブレーキがかかりました。
ヤマト醤油味噌のお客様の多くは、飲食店やホテル、学校給食など。
輸出先も、同様にレストランが多く、ほとんどの国がロックダウン状態で休業を余儀なくされ、現地倉庫に大量にあった在庫は、出荷できないまま賞味期限切れで処分されてしまいました。

直営店への常連のお客様、Webショップからのお取り寄せ、そしてスーパーマーケットや百貨店のお取引きがあったため、売上ゼロという事態は避けられたものの、事業の柱の2本も3本も失ったような状態が続き、しかも行政の補助金は得られず、絶妙なところで綱渡りをしました。

不純な気持ちで事業をしていますか?
それともお客様のためになる事業をしていますか?

景気がどんどん悪くなる中で、そう問われていたように思います。

その中で、当社としては、事業を続ける、という選択をしましたので、
できることはなんでもしようと考えました。

私としては、チームの中では、
①新事業づくり(企画から実行まで)
②Webディレクター 兼 直営店全般のお客様係・マネージャー
③法人営業

の仕事をしています。

②は素晴らしいチームメンバーに恵まれて、
特に最近は新事業づくりに集中して取り組んでいます。
どちらかと言えば、行動しながら考える派。

  • 老舗企業の個性を活かした戦略づくり

  • 販売やワークショップづくり、接客シナリオづくり(いちお、ビジネス実務レベルの英語喋れます。インバウンド(英語圏)の対応OK)

  • 貿易実務(海外法人営業経験5年)

  • マーケティング・商品開発・商流開発を伴う法人営業(食品・調味料)

  • Webディレクター(ショップ、SNSの運用、社内のDXなど、外部チームと連携したお仕事づくり)

  • 伝わる文章やお手紙を書くこと

こうしたことがどちらかというと得意分野です。
この時をきっかけに、倒れない次の柱を、と考えぬきました。

お客様からの声

法人のお客様の声(BtoBでご採用頂いたお客様にお話しを伺いました)

個人のお客様の声(ヤマト醤油味噌をご愛用頂いているお客様の感想です)

金沢の朝食はおいしい

コロナの影響が無くなった後、行動制限がなくなったときに向けて、
金沢の朝食の美味しさをPRするサイトを立ち上げました。
ヤマト味噌や、醤油を使用していただいているお客様の紹介をしています。

金沢の朝食はおいしい
http://www.kanazawa-chousyoku.jp/

100年後の金沢を考える会

100年後も住み続けたいまちであるには、金沢には何が必要なんだろう?という思考実験というか、
それを肴に経営者の友人や建築家や大学の研究者な仲間内で飲み会をしていた(笑)のですが、
これは、おのおののプロフェッショナルなフィールドで考え、行動するのが大切だろうと、スピンオフで「100年後の金沢・大野醤油を考える会」という企画を、地域の醤油屋若手メンバーを誘って、実施してみました。

地域の雄、ナオゲン醤油の直江会長を中心に、橋栄醤油さん・紺善醤油さん・大野醤油醸造協業組合工場の濱本くん、そして私。オブザーバーに石川県工業試験場から辻さん(最右)、進行にプロのマーケター・茶のみ仲間代表取締役の西上さん(最左)。

同じエリア内の醤油屋さんの後継者が4人で集まり
できるだけ自分たちと遠い地点に思考を飛ばしてみることで、
ここは考え方がはっきり違うんだなー、とか、
こんな歴史の繋がりあるんですね!これもっと広めたい!
という発見があったりしました。

全3回ほどディスカッションを続けて終了しましたが、
超長いスパンで考えてみることの効能を実感しました。

とはいえ、100年後は、長すぎたかも(苦笑)

今度は、「30年後の発酵食のまち 金沢大野を考える会」を実施してみます。
30年って、遠いけど、リアリティを失わないくらい。
子どもが今の自分の年齢になったとき、
どんな未来を残せるか?がテーマです。

越境するって大事

越境って大事だと最近特に思う出会いがあって。
発酵ツーリズム にっぽん/ほくりく という北陸3県をまたいだイベントに片足を踏み込んでみたら、なんだか想像してた以上に盛り上がって、最終的に、同業のお友だちが全国に増えたというお話しがあります。

発酵ツーリズム にっぽんリレー構想

発酵ツーリズムにっぽん/ほくりく 公式サイト
https://fupo.jp/article/hakko-hokuriku/

2021年のある日、大野をぶらりと訪ねてきてくれた小倉ヒラクさん。
「大野の町並み、いいところですね~」(しみじみ)
とつぶやいてくれて、ほっこりと出会ったのでした。

「47都道府県の発酵食品を揃えた展覧会を、来年、福井県の金津創作の森でやるんです」
ふむふむ。
「福井県の美術館で完結するんじゃなくて、そこを発地として、産地めぐりをする旅をデザインしたい。
この糀パークをその目的地の一つに!」
一緒にやりましょ~!

と乗った船が、想像以上に大きいプロジェクトとして動き出し、
2022年秋にフィナーレを迎えました。
金津創作の森のミュージアムショップは、2005年の開館以来の最高売上を達成したそうですよ。

黒龍酒造さん、福光屋さん、桝田酒造店さんの日本酒や、
四十萬谷本舗さんのかぶら寿しのように北陸3県を代表する食文化から、
とある小さな集落の中で大切に受け継がれてきたバタバタ茶、
能登半島の漁村に伝わるブリ味噌まで、
ヒラクさんが現地を歩いて、
その村のおばちゃんと仲良くなって知ったことのルーツを探りつつ、
発酵ツーリズム展ではアウトプットされていました。

後日、友だちが会場で買ってきたバタバタ茶を飲み、
感想シェア会などもしてみました。

各県の「どや、すごいやろ」を取り揃えるんじゃなくて、その辺にある「当たり前」の中に「当たり前じゃない」を見つけてくる感性って大切だなと。
思いません?

インバウンドのサイクリングツーリズムを飛騨で手掛けている
山田拓さんが僕は大好きなんですが、
センスが近いな~っと思うんです。

山田さんから聞いた話では、
海外のゲストが飛騨の日常風景を見てとても驚くそうです。
「どうして飛騨では子どもたちだけで通学ができるの?
 うちだったら誘拐を恐れてそんなことが出来ない。
「こんなに水が豊かで、緑があふれた田園風景は
 どうやって保たれているの?」
当たり前の日常を、旅する視点から見直すと、
価値が高まっているように感じるのは不思議。

ということで、僕が出会ったのは、
プロフェッショナルな越境する人だったという話。

ぜひ次は石川県でも発酵ツーリズム展を開催して、
富山&福井へつなぐという、リレーをやりたいなあ。
ま、この話は別で、もうすこし詳しく書きますね~。

店はお客様のためにあり

店の語源は、見世(みせ)で、客とは外から来る者=他者のこと。
利他が店づくりの本質なんだ、
と教えてくださったのは、笹井さん。

雑誌「商業界」の編集長として石川県を訪ねてきてくれたときでした。
新型コロナウィルス対策で行動制限があって、誰も外出しない、金沢駅にも誰も歩いていない、店にまったくお客様が来ない時期を経験したことで、ものすごく腑に落ちました。

コロナ禍にあっても、
当店を静かに訪ねてきてくれる常連さんがいて、
本当に有難さを感じました。

商業界石川県同友会という勉強会に所属していて(2022年現在・副会長)、いろんな事業家さんにご講演をいただいています。
ファクトリエ・山田社長
無印良品・金井会長
が印象的だったです。
越境って大事。
こうした講演のまとめは、今後noteでも共有していこうと思います。

まちの人が誇れる仕事をする

7月最終週の夏季大祭、フィナーレは2時間かけたお練り(全体の行進)

町の人たちから応援されて、生かされている実感があります。
大野町には、お祭りの文化が綿々と受け継がれてきているからかもしれない。

人口2,000人の小さな町ですが、お祭りでは、奴行列を筆頭に、お神輿、加賀獅子舞、悪魔祓い(弥彦婆)と、出し物の行列の参加者は200人を超える、町ぐるみの盛大なものです。

応援されているのを裏切りたくないし、背中を押されています。
この事業があることで、まちの人の誇りになれたら最高じゃない?
という思いで仕事をしています。

ヤマト醤油味噌について

※ここから先は、【食を職にする】vol.1を下敷きにしています。
ヤマト醤油味噌に採用面談にいらっしゃる人向けの内容です。

金沢港に面した、発酵食のまち金沢大野

ヤマト醤油味噌があるのは、金沢市大野町といって、金沢市郊外の小さな港町で1911年(明治44年)に創業しました。
初代は、北前船の船乗りでした。
大野は醤油醸造業の町で、なんと最盛期は60軒以上もあったそうな。
地域の醤油を仕入れて、北海道で販売をして、帰りに木材を仕入れて、今度は金沢で販売をしたと言います。
一人商社のようなチャレンジャーです。

糀のチカラでしあわせ届けたい 対談より
https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/taidan.html

現在四代目となるのは、アイデアマンで行動派の山本晴一社長と、食品製造のプロフェッショナルの晋平工場長の二人。
通称山本ブラザーズのリーダーシップのもと、食職人たちによる製造メンバーが発酵食品を伝統技術で作り、営業メンバーが「発酵食文化の楽しみ方」をお伝えしながら販売をします。
お客様は、日本全国・世界20ヶ国以上!
いまヤマトは全体で48名(2022年12月現在)のチームとなっています。
仕事の質を磨き上げるため、チームワークを大切にしていますよ。

「一汁一菜に一糀」を伝えたい

「一汁一菜に一糀」

加工食品中心の現代日本的な食生活を続けていると、知らず知らずのうちに脂質を多く摂ったり、繊維質やビタミン・ミネラルが少なくなりがち。
食生活の乱れは、肥満や高血圧、心臓病を引き起こす原因とされています。
太りすぎは万病のもと。
とは言っても、健康的なだけだと、毎日続きませんよね。
「美味しくて、健康的」
だから無理なく続けられるんです。

伝統的な発酵食と玄米ご飯を中心にした和食であれば、繊維質の多い野菜や豆類を多く摂れて、酵素やビタミン・ミネラルなどのバランスにも優れた健康食。
それが「一汁一菜に一糀」の食生活。
ヤマト醤油味噌の社員になると、寝かせ玄米ご飯や、甘酒・味噌などを社割で購入できるという特典(!)もあるので、自ら実践している社員も多いです。
上級者は毎日の手作り弁当でも「一糀」をしていて、インスタでも見られます。

経営理念とヴィジョン

「発酵食文化を通して、お客様の健康で喜びに満ちた食生活の実現のお役に立ちます」
ヤマトが目指すのは、心身ともに内側から健康的な「発酵食美人」を世に増やすこと。
ヤマトは、醤油味噌メーカーであり、「発酵食美人メーカー」を目指しているというわけです。

社員と共に目指す「食職人」の集団

ヤマトは食の職人集団を目指します!
マイスターとも呼べる、プロフェッショナルな職人技を持つ社員は、
職人でもあり、かつ商人でもある。
広い視野を持ち、会社の成長に貢献する食職人として成長することが、
ヤマト醤油味噌の成長だと思っています。

はたらくは「傍を楽にすること」

「働く」ことを、苦しくてつらいことととらえるか、
自分の得意を活かして誰かの困っていることを解決することととらえるか。私は、後者と考えてからは、仕事への姿勢が変わった気がしています。

かくいう私、以前の職場は200億円くらいの年商の会社でした。
その会社は営業からバックヤードまで仕組みが整っていて、素晴らしい環境でした。

ヤマト醤油味噌のように、中小企業だと、そんな環境が全て揃っているわけではありません。
こういう言い方だと、ちょっとマイナスに感じられるかもしれません。
良く言えば、創意工夫の余地が多い(笑)
職場はチームの工夫でより良くしていけます。
「他人よし、自分よし。すべては自分ごと」が合言葉です。

継続的な改善に取り組んでいます

小さな改善から、システムを伴う大きな改善まで、30代チームがリーダーとなって進めています。

このあたり、石川県庁が主催しているDX化道場にて師匠と出会いまして、ガシガシ進めているところです。

意外かもしれませんが、60代社長によるデジタル化の反対はありませんので、モチベーションを減らさず取り組めています。

例えば、小さな改善の例として・・・

ご注文書→社内様式に手書き→社内ファックス(紙)→ファイリング→ご注文内容の製造
から、
ご注文書→社内様式に打ち込んでサーバーにアップロード→現場のモニターでチェックして表示の順番に製造へ。
紙が減って格段に見やすくなりました。

こうした例のように、職場の改善には大小コツコツと取り組んでいます。
ヤマト醤油味噌では、顧客満足(CS)と同じくらいに、メンバーがいきいきと働けているか(ES)を大切に考えていて、人事・総務のチームメンバーにも、その考えを共有しています。

仕事の量が増えればプレッシャーを感じることもありますが、企画したことが顧客やチームメンバーのためになったときには非常にやりがいを感じられます。

そういう意味では、伝統的産業の中小企業ですが、ベンチャー企業が肌に合う挑戦者タイプから、計画どおり段取りよく仕事するコツコツタイプ、仕事では黙々と集中して作業したい方まで、さまざまな活躍の場所があると思います。

理解の階段を登るサポートを

階段を登るペースは、人それぞれと思います。
だから伴走サポートが大切だと思います。
職場の研修はOJTを中心に、座学や面談も用意して、成長支援に取り組んでいます。
「味噌製造技能士」、「接客販売技能士」、「ボイラー技士」など、資格取得の機会もありますよ。

ヤマト・糀パークは体験型醸造所

ヤマト醤油味噌は、日本でも珍しい体験型醸造所として、
ヤマト・糀パークを運営しています。

糀パーク内は、ワークショップや見学ツアーなどの体験棟「糀蔵」と「キッチンスタジオ」、
ランチやカフェなど食事処「発酵食美人食堂®」、
糀スイーツ専門店「こめトはな」、
お気に入りの商品を購入できる「ひしほ蔵」からなり、
金沢市内にはひがし茶屋街と金沢駅構内の2か所にも直営店を構えています。

「やっぱりヤマトさんじゃなきゃ」

引用元:金沢ヤマト醤油味噌とものづくりしませんか?
https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/business.html

実は内外のプロの飲食店様や、県外の百貨店様・食料品店様とのBtoBのご愛顧も多く、ヤマト醤油味噌で働くと、法人のお客様との接客・商談も多く経験ができます。

BtoBのお取引は、主演俳優であるお客様を引き立てる、助演俳優となること。
街の定食屋さんや居酒屋さん、記念日で訪れるレストランやホテル、お寿司屋さんなど、外食を楽しまれる機会も多いと思いますが、その背景には素晴らしいお料理を手掛ける料理人さんたちがいます。
BtoBのお取引では、こうした料理人さんたちが主演俳優です。

私たちに求められるのは、Quality(適正品質)・Cost(適正コスト)・Delivery(希望納期を叶えること)。
特にヤマト醤油味噌では、品質第一(Quality First)で、「一級のプロの隠し味としてブレない高品質」を目指して商品づくりに取り組んでいます。

「やっぱりヤマトさんのこの味じゃなくちゃ」
の一言が嬉しいです(笑)
お褒めいただいた内容は、お客様の声として社内のチャットルームで全社共有をしています。
また、実際に法人のお客様とのコラボレーション例をこちらの記事にまとめていますので、ご参考までにご覧くださいませ。

得意を活かしてはたらく

おつかれさまでした。
とんでもない長文だったのに、最後までたどり着いたあなたはすごい。

ありがとうございました!
あなたは、忍耐力があります。

さて、ヤマト醤油味噌のチームでは、得意を活かしてはたらいています。
私は戦略づくりは得意ですが、ルーティンの業務は意外と苦手。
ですが他に誰がやるわけでもありませんから、頑張ってやっています。
店頭での試食販売に始まり、ここ数年はブランディングに関わるSNSの運営、料理教室の配信など外部のことや、社内研修の実施やマニュアルづくりなどもコツコツ、重ねてきました。
うーん、地味だけど、足腰の仕事。

それをサポートして伴走して励ましてくれるような、右腕&左腕の方、絶賛募集中です。
Webのディレクションが得意な方とか、リモートでも広報が得意という方、社内で一緒に将来を語れる人から、品質管理を整えるコツコツ系が大好きな方まで、大歓迎。

「やっぱりヤマトさんじゃなくちゃ」
と直接・間接にお褒めいただけるような、
活躍の舞台がたくさんあります。
ぜひあなたの得意を聞かせてください。

採用情報(公式ホームページへ)

株式会社ヤマト醤油味噌・採用情報
https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/recruit.html


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