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私なりの角度で書く読書感想文

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私は読書感想文を書くのが苦手でした、文系なのに。思ってもないことを書いて校内の文集に載ることはありましたが、思ってもないことなので些か不満でした。なのでこのnoteでは絶対に許さ…
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記事一覧

犯人が抱えるもの:『六人の嘘つきな大学生』読了

犯人が抱えるもの:『六人の嘘つきな大学生』読了

※以下ネタバレが含まれています。ご注意ください。
ネタバレしても楽しく読めるお話ですが、もしご興味があればまずはご自身で読了されることをお勧めします。
帯で知りましたが、映画化されるそうです。確かに映画向きだと思いました。

本文の引用があるので記事自体はめっちゃ長いです。
そしてこの記事では、この本を読んだ大体の人が辿り着く筆者の伝えたかったことではなく、犯人の人物像についてのみ語っています。か

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"狂気"をどう表現するのか:『花束は毒』読了

"狂気"をどう表現するのか:『花束は毒』読了

※注意
以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。
また、過去に自分がちょこちょこ書いた創作の話をします。不快でしたら申し訳ございません。

もしご興味を持っていただければ感想文を読む前にこちらをお読みいただけると大変嬉しいです。

2000字のホラー 『理想の人』

私は、こういう狂気じみた行動をするキャラクターが好きなのかもしれない。

以前、2000字のホラーというお題で似たような作品を

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推しを勝手に解釈し勝手に泣き喚く私たち:『推し、燃ゆ』読了

推しを勝手に解釈し勝手に泣き喚く私たち:『推し、燃ゆ』読了

実際に推しを持ち、人生の半分以上が推しの色に染まり、推しのいない人生が考えられなくなってしまった私。
読了した今、思うことはたくさんあるが、この本を手に取るきっかけもまた私が現実に推している推し、いや「自担」であることが、読了した今では余計にキモく感じて笑ってしまう。

結論、というかこれはヲタク観点ならではだが、私が抱いた感想は

主人公のように推しの全てを理解しようとして理解した気になると、ど

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私は一生、母の娘(湊かなえ著『母性』を読んで)

私は一生、母の娘(湊かなえ著『母性』を読んで)

※恐らくネタバレは含まれていませんが、こう見えてベースが読書感想文なので全く内容に触れていないわけではありません。ご了承ください。

母とのことで、どうでもいいけどハッキリ覚えていることがある。

ちょうど今の一軒家に引っ越した頃のこと。まだ幼稚園児だった私は、ある日怖い夢を見てわんわん泣きながら起きたことがあった。確か休日だったと思う。
それに気付いた母は、階段を駆け上がってきて2階にある寝室に

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