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【3分要約・読書メモ】父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話

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今回は「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話」についての記事となります。

こんな人におすすめ

・格差問題について考えたい人
・経済に関して学びたい人
・普段経済学の本を読まない人
・資本主義の問題点や、ポスト資本主義に関して知りたい人

著者

ヤニス・バルファキス(Yanis Varoufakis)
1961年アテネ生まれ。2015年、ギリシャの経済危機時に財務大臣を務め、EU から財政緊縮策を迫られるなか大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題となった。

すべては、「余剰」から始まった

・なぜ、アボリジニがイギリスを侵略しなかったのか?
すべては、「余剰」から始まった。ユーラシア大陸の土地と気候が農耕と余剰を生み出し、余剰がその他の様々なものを生み出し、国家の支配者が軍隊を持ち、武器を装備できるようになった。
気候に恵まれないイギリスは、大量に作物の余剰を貯めないと生きていけず、航海技術や生物兵器を生み出し、他国を侵略した。

一方、オーストラリアのような場所では、余剰が生まれなかった。
オーストラリアでは自然の食べ物に事欠くことがなかったからだ。
広大な国土に自然と共生することで、農耕技術の発達がなくとも生きていけたし、余剰をため込む必要がなかった。テクノロジーがなくても豊かな暮らしができた。そのため、イギリスが攻めてきたときに自分たちを守ることができなかった。

・格差の原因
蓄積した余剰を独り占めできる支配階級が、さらに経済や政治の権力を持ち、文化的にも力を持つようになる。その力を使ってさらに大きな余剰を独り占めするようになる。

資本主義の始まり

・ふたつの価値
交換価値:市場で何かに交換するときの市場価格を反映させたもの
経験価値:経験を通して得る価値
経験価値と交換価値は対極にある。
すべてのものが商品となり、売り買いができるものとなった。
交換価値が経験価値を打ち負かすようになり、交換価値の高いものが重視され、資本主義が拡大した。

人間が利益を追求し、おカネが手段から目的となった。

労働力とマネーの世界

・市場のコントロールは難しい
「中央銀行が大幅な金利引き下げに踏み切る予定」
これを聞いた起業家は、
「やった!もっとお金を借りて従業員を雇って売り上げを上げよう!」
と考えるだろうか?
それとも
「金利が大幅に引き下げるということは、景気がすごく悪いほうに向かっていることだな、従業員なんて雇っている場合じゃない!」
と考えるだろうか?

不景気の最中に金利を引き下げても、それは景気が悪いサインと受けとられて、起業家は先行きを不安に案じる。
金利を上げれば、不況を脱出できると考えるのは、世界を単純に見すぎている。

感想

この要約では、本書の前半部分になります。
特に、ユーラシアで資本主義が拡大し、オーストラリア、アフリカを侵略した背景に「余剰」が関係ある考えは、興味深かったです。

本書の後半では、テクノロジーの進化の脅威や、人類の進むべき道のヒントが書かれている。資本主義に疑問を持ち、多くの人がポスト資本主義を考え始めている。それは、改めて「経験価値」を重要視する考えなのかもしれない。

経済に詳しい方も、苦手な方も、専門用語を使わず書かれているため、小説を読むように読めるのでお勧めです。個人的には、ポスト資本主義が気になっていたので、断片的に入っていた情報が整理されました。

最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。

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