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【校閲ダヨリ】 vol.1 満天の星空に何を想う


みなさまおつかれさまです。
夏も後半にさしかかり、星空が美しい李節になってきましたね。(東京ではあまり見えませんが)

いきなりですが、「満天の星空」という言葉、よく耳にしませんか? なんだか、慣用句のようになってしまっているし、耳障りも良いですよね。
ですが、違和感を覚えない人は少し危険です。
なぜか。「天」にはすでに「空」という意味が入っているからです。「なんだかシツコイ表現だな」と思えた人、良い線いっています。
ここでは「満天の星」がいわゆる正解です。

同様に、「古来より」というものもありますね。
これも、「来」に「ある時点から」という意味が入っていますので、「古来」で良いです。

このように、日本語(日本人)は重複的な表現を嫌います。一文のなかに同じような表現を重ねたり、次の文でも文末表現が同じだったり(小学生の作文は、文末が「〜と思います」ばっかりなんですよね)。明確なルールが文書化されているわけではないので理由は定かではありませんが、恐らく読者ファーストなんだと考えます。単純に、つまらないですもんね。不快にさえなってきてしまったりもします。

さて、満天の星が正解なのは良いのですが、仕事をしていると「満点の星空」という表現に出合うことも少なからずあります。
マジかよ。笑 この間違いはさすがに俺・私でもわかるわ。笑 ←と思ったあなた、もう少し慎重に考えてみましょう。


恐らく 満天 の変換ミスだとは思うのですが、この場合は注意が必要です。重言(重複表現)にはなっていないからです。つまり、「間違い」ではありません。
筆者が意図的に打っている可能性があり、赤字を入れてしまうと気分を悪くされる恐れがあります。この場合は、エンピツで指摘を入れます。

かいつまんででしたが、いかがでしたでしょうか? 重言の例は他にもたくさんあるので、探してみると新たな学びになるかもしれませんよ。
では、また次回。

※今回も明らかにおかしい言葉の間違いがあります。


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