前田考歩

平日早朝のみ開業の、問いかけと構造化でプロジェクト進行を支援する『プロジェクト・クリニ…

前田考歩

平日早朝のみ開業の、問いかけと構造化でプロジェクト進行を支援する『プロジェクト・クリニック』を運営しています。『予定通り進まないプロジェクトの進め方』などの著者です。プロジェクトの仮説構築・合意形成・ふりかえりのツール「プ譜」を提唱しています。「なんで?カメラ」作ってます。

マガジン

  • 僕、粕田朔世。何度転生しても チャーンを回避できない

    カスタマーサクセス担当者が、Saasのチャーン(解約)を回避するための教訓をタイムリープ形式で学びます。

  • 読書感想譜

    書籍に書かれている内容(構造)を、自分のプロジェクトに役立つよう脱構築して、プ譜を用いて再構造化する方法をご紹介します。プ譜に慣れるアクティビティとしてもお勧め。

  • 中間目的とは何か?

    プロジェクトを構成する要素「中間目的」。要素の状態を表現するコツや、中間目的が果たす機能・役割について説明している記事をまとめました。

  • プロジェクトの病態関連図

    プロジェクトで発生・遭遇する問題は多岐に渡ります。プロジェクトの問題を「病(やまい)」に見立て、似た症状のものを分類し、いくつかの「症候群」にまとめてみました。

最近の記事

CS担当者のための「サクセスプラン」テンプレート

顧客が製品やサービスを最大限に活用し、長期間にわたって満足度を高め、期待した成果を得るためのサクセスプラン。みなさんはどのようなフォーマット、テンプレート、書式で作成されているでしょうか? タスクリストやWBS、KPI管理表など、何を選ぶか(或いは何が適しているか)は、製品によって得られるアウトプットやその測定難易度によって変わります。 製品の操作方法を教え、顧客が操作を習得したとしても、それだけで成果を手に入れることはほとんどなく、営業が広げた風呂敷の大きさや論理のジャ

    • プロジェクトのライフサイクルと、プロジェクトエディターの役割

      2018年に『予定通り進まないプロジェクトの進め方』でプロジェクトの設計図の道具として『プ譜』を世に出したのと同時に、プ譜を使ってプロジェクトを進める「プロジェクトエディター(以下、PE)」という役割を名乗ってきました。 上記の記事を書いたのが2019年で間もなく5年が経とうとしています。その間に経験したことを整理し、あらためてPEとプ譜の役割を記述しておこうと思いました。 PEは、すべてのステークホルダのニーズに合致するプロジェクトの進め方を設計および文書化して導く役割

      • ソフトウェアの「真の2割の価値」を可視化して見つけ出す方法

        前回に続いて『スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術』を読んで、この概念・考え方はプ譜で表現できそうと感じたものをこのnoteに書いておきます。 今回は、同書に書かれていた「ソフトウェアの価値の8割は2割の機能に含まれる法則」をプ譜で表現してみます。 同書には以下のような記述があります。 こりゃいいものです。その2割を見つけるための方法を教えてください。 ここで疑問を持ちます。 最大の価値をもたらすものかどうかは、どう判断すればいいんだろう? 大量の

        • スクラムの思想を行動に移しやすくする道具(事例解説1)

          最近、自社のシステム開発でスクラムに取り組み始めたという方がプロジェクトクリニックに来てくださいました。 カウンセリングでその方のプロジェクトの全体像をプ譜で明らかにしていくなかで、その方から「スクラムでプ譜が使えそうだ」というコメントをいただきました。 私はそもそもスクラムがどういうものかを知らず、プ譜がスクラムの何にどう使えそうなのかがわからなかったので、書籍を読むことから始めてみることにしました。 本書を読んだなかで、この概念・考え方はプ譜で表現できそうと感じたものを

        CS担当者のための「サクセスプラン」テンプレート

        マガジン

        • 僕、粕田朔世。何度転生しても チャーンを回避できない
          4本
        • 読書感想譜
          7本
        • 中間目的とは何か?
          7本
        • プロジェクトの病態関連図
          11本

        記事

          身近なお題から「プロジェクト脳」を鍛えるドリルの体験セミナーを開催します

          いつ、どんなものを任されるともわからないプロジェクト。 プロジェクトの計画立案や進捗管理の知識は書籍や研修で手に入れられますが、実際に何かしらの案件でプロジェクトマネジメントの練習をするということはなかなかできないですし、会社が練習用のプロジェクトを用意してくれるということもなかなかありません。 そこで用意したのが、プロジェクトに必要な様々な考え方やプロジェクトを進める上での原理原則を机上演習するためのドリルです。 ドリルの題材は古今東西の歴史、ビジネス事例、政治、建築・

          身近なお題から「プロジェクト脳」を鍛えるドリルの体験セミナーを開催します

          自分の言葉でプロジェクトを語れるようになる「プロジェクトカウンセリング」

          プロジェクトカウンセリングとは、話し手(クライエント)から聞き手(カウンセラー)へ向かう一方向の情報伝達ではなく、双方の積極的な関わりによって行う協調行動です。(※協調行動とは、協調、協力して全体の目標を達成するような行動のこと) 具体的には以下のことを行います。 話し手のプロジェクトについて問いかけ、対話する内容を「プ譜」というフォーマットに記述する 記述した内容を互いに見て、その言葉の意味についてまた問いかけたり考えたりして、しっくりくる表現にしていく プ譜の各項目

          自分の言葉でプロジェクトを語れるようになる「プロジェクトカウンセリング」

          書店で体験、「予定通り進まないプロジェクトの進め方」セミナーを開催します

          ブックファースト新宿店さんで開催中の「お仕事の具合はいかがですか? 症状に合わせて処方箋をお出しする“プロジェクト薬局”へようこそ」フェア 期間中に、同店のセミナールームで2つのセミナーを開催します。 そのうちの1つが、2/2(金)19:00に開催する「予定通り進まないプロジェクトの進め方セミナー」です。 このnoteではこのセミナーのポイントを紹介し、参加検討の材料にして頂ければと思います。 フェアで紹介する書籍と連動した内容フェアではプロジェクトがうまく進んでいない

          書店で体験、「予定通り進まないプロジェクトの進め方」セミナーを開催します

          症状に合わせて処方箋(本)をお出しする ”プロジェクト薬局” へようこそ

          2024年1月2日(火)から2月16日(金)まで、ブックファースト新宿店で『お仕事の具合はいかがですか? 症状に合わせて処方箋をお出しする”プロジェクト薬局”へようこそ』フェアを開催しています。 仕事に取り組んでいると常になにかしらの問題や困難にぶつかります。それはまるで病の症状のように私たちを苦しめ悩ませるものですが、どんな症状にも対策や予防策が存在します。本フェアは仕事の問題を各種の症状に見立て、それを和らげたり解決したりしてくれる「処方箋」(でありお薬としての本)をお

          症状に合わせて処方箋(本)をお出しする ”プロジェクト薬局” へようこそ

          「書くマネジメント」と「描くイメージメント」

          この記事を書くことを思い立ったのは、 Coral CapitalのCEO、James Rineyさんの『「書くマネジメント」を始めたら戦略的思考が研ぎ澄まされた話』というタイトルのツイートを見て、「描くイメージメント」という言葉が瞬間的に頭に浮かんだから、と言うほかありません。 「描くイメージメント」とは、「書くマネジメント」が主に文章表現を中心としている(であろうと想像しています)のに対し、 「描くイメージメント」は図や表、絵などの視覚により訴える図的表現=イメージを用い

          「書くマネジメント」と「描くイメージメント」

          なぜ文書を”読め”ても、話が”見え”ないのか?

          2023年10月20日に、ビジネス文書をテーマにしたセミナーをブックファースト新宿店さんで開催することになりました。 社会人になって間もない方は、ビジネス文書と聞くとメールの書き方・マナーのようなものをイメージするかも知れませんが、このセミナーで対象としているのは、そうしたものではありません。 何らかの仕事を依頼・相談・任されたとき、その仕事の目標を達成しやすくするための文書の書き方を対象としています。 そして、目標を達成しやすくするための文書の書き方をミニワークショップ

          なぜ文書を”読め”ても、話が”見え”ないのか?

          僕、粕田朔世。何度転生してもチャーンを回避できない 第3の夢

          いつも通りの晴れた午後、僕はこれまでと同じ条件で在宅勤務の僕の部屋で、PCの前に座っていた。 それまでと違っていたのは、これまでの教訓が記憶されていたことと、 BさんがKaigeeにとって正しい顧客を定義し、その顧客に届けるためのメッセージを精査してマーケティングと営業活動を行った結果、Fさんの会社がKaigeeにとって正しい顧客となって契約をしていたことだった。 Kaigeeにとっての正しい顧客とは、会議の効率化だけでなく、会議での発言や質問の質を向上させたいと願っている

          僕、粕田朔世。何度転生してもチャーンを回避できない 第3の夢

          プロジェクトの「わからない」13図解パターン

          もし、自分がつくろうとしているモノの説明書やマニュアル、料理のレシピや行こうとしている場所までの地図に、穴あき問題のような空白があったらどうなるでしょうか? 次の工程で何をすればいいかわからない。どのくらいの量を、どのくらいの時間行えばいいかわからない。複数の選択肢のうちどれを選べばいいかわからない。「わからない」には色々な種類がありますが、こんなことでは望ましい目標の姿や状態の実現がおぼつかなくなります。 説明書・マニュアル・レシピ・地図には、基本的にそうした「わからない」

          プロジェクトの「わからない」13図解パターン

          あなたのプロジェクトの立ち位置は?

          ある1つのプロジェクトはより大きなプロジェクトの一部を構成するもの(部分)であることがあり、そのプロジェクトもまた、より小さなプロジェクトで構成されていることがあります。 新規事業開発をプロジェクトの単位とするなら、そのプロジェクトは所属する企業の大きなプロジェクトの一部分であり、その内にはプロダクト開発、新規見込客発掘や育成といった小さなプロジェクトが存在しています。 これらのプロジェクトの関係は入れ子構造のようになっており、自分が任されているプロジェクトがどこに位置す

          あなたのプロジェクトの立ち位置は?

          会議やミーティングで議論がかみ合っていない12図解パターン

          プロジェクトに限りませんが、社内の定例会議、進捗確認のミーティング、オンラインでもオフラインでも、会話や議論している内容が、脈絡なく、 位置づけがはっきりしないままに行き交うことが多々あります。 発言者は、おおむね自分の意見に固執し、ある特定の手段やプロセスへのこだわりから、なかなか抜け出すことができません(わかっていて抜け出そうとしない人もいます)。 聞いている方も、「なんか食い違ってるなぁ」と思いつつ、明確に指摘することができないことがままあります。 相手の発言やこだわ

          会議やミーティングで議論がかみ合っていない12図解パターン

          ホンダの「A0A00A000」の会話構造を可視化する

          『意思決定入門 第2版』(中島 一)を読み、ホンダの「A0A00A000」という目的目標手段を記号化したものがあるということを知りました。ホンダでは、誰もがこの言葉の主旨と定義を理解しているそうです。(検索しても出てこないので、本当にあるのか門外不出の秘伝なのかはわかりません) A0が目的。A00が目標。A000が手段に該当します。 この記号を用いることで、自分が取り組もうとしている仕事を、目的としてとらえているのか、目標としてとらえているのか、手段としてとらえているのか

          ホンダの「A0A00A000」の会話構造を可視化する

          自分の仕事がプロジェクトかどうかを測る図表

          プロジェクトクリニックのカウンセリングや企業研修などで、ときどき相談者や受講者の方から「自分の仕事はプロジェクトなのか?」「何をもってプロジェクトと言うのか?」という質問を受けます。 新しく知り合った人と同人誌をつくることも、新しいツールの導入や制度を策定することも、様々なものごとに「プロジェクト」という言葉がついてくる昨今です。 PMBOKの定義ななら、「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務」となりますが、私の書籍や研修などでは、プロジ

          自分の仕事がプロジェクトかどうかを測る図表