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症状に合わせて処方箋(本)をお出しする ”プロジェクト薬局” へようこそ

2024年1月2日(火)から2月16日(金)まで、ブックファースト新宿店で『お仕事の具合はいかがですか? 症状に合わせて処方箋をお出しする”プロジェクト薬局”へようこそ』フェアを開催しています。

仕事に取り組んでいると常になにかしらの問題や困難にぶつかります。それはまるで病の症状のように私たちを苦しめ悩ませるものですが、どんな症状にも対策や予防策が存在します。本フェアは仕事の問題を各種の症状に見立て、それを和らげたり解決したりしてくれる「処方箋」(でありお薬としての本)をお出しする、いわば仕事の「薬局」です。

私はこの薬局の薬師(くすし)としてプロジェクトの企画立案・進行管理の視点から、200冊近い書籍をセレクトさせていただきました。

今回の選書のポイントがいくつかあります。一つ目は、各テーマごとの王道・古典の書籍は最低限おさえつつ、「そこからも学べるの?」「得られるものがあるの?」と思われる書籍も選んでいる点です。

例えば、「目標があいまいで、仮説や計画を立てづらい」という症状をお持ちの方には、『新しいリハビリテーション』という書籍をお勧めしています。

上段中央にある新書が『新しいリハビリテーション』

リハビリをするのにも、ただ機能を回復すれば良いというのではトレーニングの計画を立てることができません。「この先、どんな人生を送りたいのか?どのように日々を過ごしていきたいのか?」という目標を明確に、具体的に設定することで、適切な計画を立てられるようになります。また、目標を実現しようとするとき、何らかの障害を受けていると「できない」ことばかりに目が行ってしまい、非常に選択肢が狭められてしまうように思いがちですが、実は手段と目的の関係は私たちが思っているよりもずっと豊かで、色々な可能性を秘めていることに気づかされます。
プロジェクトでは何かが不足しているのが常ですが、そのような状態でも柔軟に計画を立てるヒントが本書には散りばめられています。

選書のポイント2つ目は、「物語から学ぶコーナー」です。よく漫画や映画のタイトルを冠した「○○から学ぶ○○」系の書籍がありますが、新しい仕事を進める上での教訓や原理原則を学んだり疑似体験したりするのに、物語は格好の題材になります。
昨年読んだ本のうち、個人的に多くの刺激・教訓を得たのが『巨大おけを絶やすな! 日本の食文化を未来へつなぐ』でした。

写真左下が『巨大おけを絶やすな』

岩浪ジュニア新書からの刊行ということもあり、非常に読みやすい文章でありながら読み応えは抜群。おけを絶やさないようにするためのプロジェクトそのものが面白いのはもちろん、上述の『新しいリハビリテーション』にも通じることですが、使用する技術・道具への(考えの)柔軟さから、プロジェクト進行のヒントを得ることができました。

本フェアは2月16日まで開催していますが、開催期間中にはブックファースト新宿店のセミナールームでプロジェクトの仮説立案のためのワークショップや、プロジェクト思考力を鍛えるためのセミナーを2回開催します。

第1回は2/2(金)に開催。プロジェクトの全体像を描くワークショップと、具体的なタスクやスケジュール管理の方法を「backlog」を用いて体験します。

また、フェア期間中の書籍購入特典として、「取り組んでいる(取り組もうとしている)プロジェクトの全体像を可視化する」オンラインカウンセリングも提供されます。

この記事ではすべての症状と処方箋を紹介しきることができませんので、ぜひ一度ブックファースト新宿店に足をお運びいただき、棚に掲示された仕事の症状や症状と病の関連図をご覧ください。多様なラインナップのなかから、「これだ!」と思える書籍に出会えるはずです。


未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。