続・お客さまに「お店からのお願い」を聞き入れてもらうには(1)
2年ほど前にこんな記事を書きました。
読み終わった新聞をもとに戻してほしい、注文は1人ずつじゃなくまとめて頼んでほしい、というような店側からのお願いを受け入れてもらうためにはどうしたらいいかと考えていたとき、ひょんなきっかけから "ある声がけ" をすれば良いことに気がついたというお話です。以降、私はいろんな場面でこのフレーズを使って来ました。
ただ、これはこれで役には立つものの、いつも同じことを言っていたのでは「それさえ言っておけば何とかなると思ってる奴」みたいでちょっとなぁと思ってたんですよね。場面によってはこのフレーズが相応しくない場合もあります。
なのでもう少し根拠があっていろんな場面で役に立つようなフレーズや言い方はないかな、と探していたら、こんな本を見つけたのです。
副題に「説得力と影響力の科学」とあるように、この書籍は、他人に自分の意見を受け入れさせたり考えを変えさせるにはどうしたらいいのかということが、科学的知見から書き記されています。
接客業をする中でお客さまに要望を伝えたい時にどうすればすんなり受け入れてもらえるのか。ここにそのヒントがふんだんに詰め込まれていたので、一部をこの記事でご紹介したいと思います。
事実の羅列で人の心は動かない
私たちは、相手を説得しよう、お願いを聞いてもらおうとするとき、とかく事実を並べ立ててその正当性を主張しがちです。
たとえば以下は、くら寿司が昨年に値上げをしたときのお知らせの文章です。
このようにひたすら値上げせざるを得ない理由がつらつらと述べられたあと、値上げの詳細が綴られています。このところ値上げする企業が相次いでいますが、くら寿司に限らずどこも大体こんな感じですよね。
しかし本書によると、このように事実を並べるだけでは相手を説得することは難しいのだそう。
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