ワークマン女子に注目!!作業服~アパレルへ拡がるワークマンの領域
2024年ももう春がすぐそこですが、連日値上げのニュースが続き2023年にも増して物価高との戦いの年になるのかなと今から戦々恐々としております。
給料は上がらず、ボーナスは減り、電気代が上がり、ネギもいちごも油も高くて、テーマパークもそろって値上げ、、、そんな世の中が絶望的過ぎて逆に笑えてきてしまう"物価高ハイ"です私はもはや。笑
値上げのニュースが飛び交う中、先日飛び込んできたのはワークマンの賃金引上げというニュース!
明るいニュースは聞くだけで気持ちが軽くなったり温かくなったりしますよね。
(最近MBTIに今更ハマりました。笑 わたしINFJなんですが、INFJは共感力が高いらしいです。だからニュースとか歌詞とか映画とかすぐ感情移入します笑)
ワークマン賃上げというニュースを受け、今回はワークマン、WORKMAN Plusに加え、これから拡大する予定というワークマン女子を重点的に分析していきます!
≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫
ワークマン女子とは?誕生から現在
ワークマンの事業のうちのひとつであるワークマン女子は、2020年10月に1号店をオープンしスタートを切りました。
実験的に始めたワークマン女子のプロジェクトはその後発展し、次々と新店舗を増やしています。
マスコミやSNSを通じて広報活動をするワークマン社のPR力も追い風となり、現在ワークマン女子は47店舗まで店舗数を伸ばしました。
着実に成長を続けているワークマン女子。今後、ワークマンの主要事業になっていくのが楽しみですね。
そのコンセプトは?
「カコクな365日を、ステキに変える。」
ワークマン女子は職人さんの現場仕事に耐える作業着を長年出してきたワークマンだからこそ掲げられる頼もしいコンセプトがあります。
そして、カコクな日常を変える商品を作り出すヒントをインフルエンサーから得ているというのがワークマン女子が行っている新たな取り組みです。
#ワークマン女子の「#」に込めた意味
#からわかるように女子店ではインスタをかなり意識しているようです。
「#ワークマン女子」店の特徴は
①ワークマン初の「女性客」主体の店舗
②SNSとリアル店舗の一体化を図るConnected Store
(店舗からSNS発信ができる)
③インスタ世代顧客の取り込み
です。
またインフルエンサーをアンバサダーに迎えているのは、①リアルな声を拾う、②拡散力を借りるのにとても効果的です。
インフルエンサー「サリーさん」やアンバサダーの存在
ワークマンではアウトドア系カリスマYouTuber/ブロガーの「サリーさん」が2023年6月に社外取締役に就任しています。
上記リンクでは、既存のワークマンやWORKMAN Plusについて、女性客はあくまでも「付き添い」で訪れることが多い一方、女性に受け入れられている商品も多くあったと述べられています。
ちなみに、女子店は前面にレディース商品をディスプレイして店内の雰囲気と置いている商品の割合を"女子寄り"にしている店舗です。
これをきっかけにインフルエンサーとWin-Winの関係を構築したワークマン。サリーさんを皮切りに、現在約50名のアンバサダーを迎え入れているようです。
実際のSNS利用状況は?
ワークマングループブランドそれぞれのSNS利用状況を見ると、どれも80%以上で利用率が高くなっています。
ワークマングループブランドそれぞれのSNS利用状況を見ると、どれも80%以上で利用率が高くなっています。
その中でも、ワークマン女子は「もっとも閲覧しているSNS」がYouTube、LINE、Twitter(現X)、Instagramのパーセンテージにあまり差がなく、多くの「購買経験あり」層が様々なSNSから情報収集をしていることが分かります。
また、ワークマングループ全体の利用者のSNS利用が盛んなので、互いのブランドのSNS活動が他のブランドにも影響し相乗効果もありそうです。
Knowns Bizでみるワークマン
ワークマン女子
ワークマン女子はその名の通り現在購入層の女性の割合が65%近く、ワークマンやWORKMAN Plus(後述)とは逆の男女比が出ています。
年齢分布では、男性が40‐44歳(4.0%)、45‐49歳(4.4%)がボリュームゾーン、女性は30代後半から60代まで7%台と幅広い世代に大きな偏りなく顧客が分布しています。
また、20代、30代前半においても男性より女性の方が若い世代の利用が多いです。
50‐54歳のグラフが特に高い数値を示していますが、この市場の伸びを期待して「シニア世代向け商品」を開発しているのかもしれませんね!
現在購買層=過去一年以内に購入経験がある(積極ロイヤル+消極ロイヤル+離反予備軍)が持っているサイコグラで特徴的な項目抜粋して上記図にまとめました。
”アウトドア派”、”田舎派”、”自分より家族優先”などからキャンプやグランピングを家族や仲間と楽しむようなイメージが湧きますね。
また、”倹約家”、”お得新品消費”、”トレンド・限定重視消費”などはアウトドアブランドの中でも価格帯が低くコスパがよいワークマンの特徴が伺えます。(安価の方が流行りものを取り入れやすかったり、初心者にとって手が出しやすい)
イメージ分析では一番強いイメージを持たれているのが"コスパ・経済性"、次に"期待感・ワクワク"、"カジュアル・プチリラックス"、"利便・合理性”、”安心・安全"と続きます。
サイコグラの”倹約家”や”お得新品消費”といった価値観とイメージ分析の”コスパ・経済性”に親和性が見られます。
また、”トレンド・限定重視消費”の価値観と”話題の・流行っている”というイメージも共通点があります。
ワークマン女子も認知度は60%ほどありますが購買に至っていない潜在顧客層が高い傾向があります。
今後WORKMAN Plusのように全国のショッピングセンターにも出店していくということなので認知度は上がってくると予想できます。
出店が予定されているイオンやららぽーとなどのショッピングセンターにはノースフェイスやコロンビアなどのアウトドアブランドもよく出店していますが、価格面で確実に差別化ができる点も強いと思います。
SNSを意識した色展開やコーディネートをしている印象もあり、ディスプレイも映えを意識したものにしているということなので、アンバサダーの力を含めた今後の発信力、宣伝力でどこまで大きくなっていくのか注目したいところです。
ワークマン
男女比は約6:4、男性は45‐54歳が最大で年齢が下がるごとにパーセンテージも下がっています。
女性は50‐54歳の割合は高いものの年齢による差は男性ほど大きくないようです。
ワークマンの現在購買層のサイコグラは、”アウトドア派”や”倹約家”、”田舎派”などはワークマン女子と共通しています。
”ワーカホリック”や”人情派”といった項目は所謂”職人さん”のイメージ。
消費に関わる価値観に関しては、”エシカル消費”や”ハラオチ型消費”などワークマン女子とは異なる項目が上がっています。
逆に、ワークマン女子でパーセンテージの高かった”お得新品消費”はマイナスの値に。ワークマン女子で+4.1%だった”トレンド・限定重視消費”はここでは+1.5%にとどまっています。
ワークマンの顧客はファッション性よりも一定基準以上の機能性や安全性からくる納得感(ハラオチ感)を重視していると分析できます。
イメージ分析では"コスパ・経済性"が42.3%と一番高いパーセンテージに。
次に、"利便・合理性"が42.2%とほぼ同様の数字。作業着などを扱っているので"安心・安全"、"タフ・頑丈"など機能面などが評価されているようです。
ワークマンの未認知は11.9%ととても低いと言えます。
加えてロイヤル層が31.6%おり、前記であるように「市場の大部分を獲得している」と言っても過言ではないと思います。
プロ用に特化しており、日常着より仕事着メイン。
女子店とは完全に差別化されている印象を受けます。
WORKMAN Plus
WORKMAN Plusでもワークマンとほぼ同じで男女比は約6.5:3.5。
年齢分布もワークマンと大きな差はないですが、男性は45‐49歳が最多という結果に。女性の年齢分布も、全体的に男性より少ないですがグラフの形はほぼ男性と同じです。
ワークマングループブランドの中で一番アウトドア活動を意識したブランドであるだけに、”アウトドア派”や”田舎派”のパーセンテージはワークマンや女子店より高くなっています。
また、同じくキャンプアイテムなどを扱うブランドの競合に比べ価格帯がかなり低いことから”倹約家”の値も高く出ています。
”ワーカホリック”、”人情派”、”エシカル消費”が高い点はワークマンのデータと似ています。
イメージ分析の結果を見てみます。
ショッピングセンターなどに出店している店舗も多く、プロ用商品のみではなくキャンプや山登りに適した商品や普段着として着用できるものも置いているため”利便・合理性”、””タフ・頑丈”のようなプロ用商品系のイメージと、”カジュアル・プチリラックス”、”期待感・ワクワク”といった一般向け商品に対するイメージが共存しているように感じます。
WORKMAN Plusはショッピングセンターに出店することで認知度を高めてきて、未認知が46.5%と半数を下回る数字になっています。購買経験のある人は30%弱。
UNIQLOと同等の価格帯(もしくは安い?)で高機能なファッションアイテムが購入できるため初めて買う場合でも挑戦のしやすさがあることも理由だと思います。
また、近年流行したキャンプやスポーツ(ヨガ、ジムやサイクリング)などのアイテムも人気のきっかけになったと考えます。
これから出店する女子店では、"私服"や"アウトドア用品"を扱うことで近隣の既存店と差別化するようです。
今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ
さまざまなデータで比較
ワークマンとワークマン女子
これまでの分析から、ワークマンとワークマン女子の最大の違いは現在顧客層の男女比と言えます。
この違いは品ぞろえから生まれるもので、ワークマンではプロ向けの作業服や防寒着、安全靴、レインスーツなど高性能な専門アイテムを扱っています。
朝早くからオープンし、職人さんたちが現場に行く前に必要なものを調達することが可能です。近くのワークマンに行けばいつでも同じものが買えるので現場の場所に左右されないのもありがたいですよね。
ワークマン女子では、プロ用よりもスポーツウェアやアウトドアウェアなどプライベートで着用できるアイテムを扱っています。ショッピングモールに出店しているケースが多くオープン時間もそれに準じた10時や11時です。(今後路面店を増やしていってもワークマンのように早くからオープンするわけではない)
ブランドスイッチ分析でわかるように、ワークマンはほぼ競合はいないと言っていいほど市場を独占しています。
ワークマン女子は"アパレル"部門なので競合は五万といますが、その中でもChampionやアベイル、GAP、リーバイスなどカジュアルだったり、価格帯が低かったりするブランドと購買層がかぶっていそうです。
WORKMAN Plusとワークマン女子
ワークマン女子のブランドスイッチ分析(前述)でワークマン女子の利用客が半数以上WORKMAN Plusでの購買事実や意思があることがわかりましたが、WORKMAN Plusのブランドスイッチ分析でもWORKMAN Plusとワークマン女子の両方を使っている人が36%いるという結果になっていました。
WORKMAN Plusと女子店では、取り扱っている商品はほぼ同じということなので、うなずける結果です。
また、ここまでの分析結果を見ると、現在購入層の男女差こそあるものの年齢層は大きな差はなく(女子の方が少し若い)、サイコグラ的にも"アウトドア派"や"倹約家"、"田舎派"など共通項が多く見受けられます。
ただ客層が同じということは、あまり近くにあると互いに利用者を取り合ってしまう現象につながる可能性もあるため、路面店を出すときには商品ラインナップが完全に被らないにせよ注意が必要そうです。
ワークマン女子の競合
いま、場合によってはWORKMAN Plusがワークマン女子の競合になり得るという話をしたのですが、ビジネスに長けたワークマン社はきっとしっかりその辺も戦略があることでしょう!
では、ワークマン女子のライバルブランドはどこなのでしょうか?
上記のブランドスイッチ分析にブランド名が挙がっていたように、ショッピングモールでは、GAP。また価格帯やカジュアルファッションという点でUNIQLO、GUなど。
路面店ではしまむらが運営しているアベイルがライバルになるのではないかと感じました。
Knowns Bizでポジショニング分析を見ると、新たなライバル候補も見えました。
上記は縦軸を"コスパ・経済性"、横軸を"カジュアル・プチリラックス"にしたグラフです。
cocaがとてもワークマン女子にとても近い位置にあります。
ショッピングモールでかなりよく見かけますし、ワンピースが3000円台、Tシャツが1990円ほどの低価格帯なので、ワークマン女子を見るひとはcocaも見るかな、、と予想できます。
ただ、機能性という点でワークマン女子はグラフに出ているどのブランドにも負けないと思うので(下図参照)、用途に合わせて使い分けるという意味では本当のライバルはアウトドアブランドかもしれません。
(前述したようにアウトドアブランドは高いブランドが多いので価格帯で差別化が図れている)
上図で明らかになっているように、カジュアルファッションのくくりでは"利便・合理性"ではワークマンプラスとワークマン女子が他ブランドをリードしているようです。
"コスパ・経済性"についても評価されていて、機能面も価格面も評価の高いブランドと言えます。
ワークマン女子の今後
ワークマンは、既に店舗数を伸ばしているワークマン女子を来年にはさらに23店舗増やす旨を発表しました。(2020年から4年で25店舗出店)
また、これまで毎年20‐30店舗出店してきたPlus店が市場の大部分を取りつくしたと判断し、今後はワークマン女子が毎年20‐30店舗増えるメイン業態へと世代交代する方向へ舵を切りました。
さらに、沖縄にワークマン女子初店舗も出店することも決まっています。
初出店ということで沖縄全土からの集客が見込め、沖縄でのワークマン女子の認知率もかなり高まりそうです。
この沖縄店は、国内ではなく海外進出への足掛かりとしていろいろな戦略を考えているようです。
円安の影響で海外からの観光客が行きたい国として人気になっている日本。シニア市場に参入するというニュースも舞い込みましたし、様々な角度から顧客の獲得に挑戦しているようです。
経済状況は決していいとは言えないけれど、こうして勢いのある企業があることはとても嬉しいですよね。
Knowns Bizを使った資料を見てみたい方へ
まとめ
ワークマン女子の特徴
女性客の割合が60‐70%
”コスパ・経済性”"カジュアル・リラックス"のイメージが強い
ロイヤル層(9.9%)はまだ少ないが潜在顧客層が多い(43.8%)
認知率は約60%
SNS利用率82.9%
今後ワークマン社の主ブランドに
ワークマン、ワークマンプラスと比較してファッション性(トレンド性)が高いイメージがある。
カジュアルブランドのジャンルの中で機能性の高さとコスパの良さが評価されている
ワークマン(女子)は日本を代表するブランドになるのか?
(海外に行く際は女子はつかないと思いますが、形態的にはプロ用より日常着やスポーツ、アウトドア系のラインナップになると思うので中身は「女子店」)
はい、確実にその道を歩み始めていると思います。
日本は四季があり、いろいろな気温、天気に対応した服がワークマンには五万とあります。世界には日本より暑い国、寒い国、スコールのある国、様々な国があります。
安価で日本クオリティの高機能服が手に入ることは海外の人たちにそれはそれは魅力的に映るでしょう。
ファッション性と映えと機能性とコスパを共存させるワークマン女子が、いったいどこまで飛躍していくのか、楽しみです。
筆者のひとこと
何を隠そううちの主人は職人です。
壁紙を貼ったりする内装屋さんです。
定期的にワークマンで作業着を買いかえるのですが、ワークマンに行くと私が見るものが本当になくて。笑
ウィンドウショッピングさえできないので大きな声で言えませんがつまらないんです、、
でも少し前からPlusや女子店がショッピングモールにできたので、遊びに行ったついでに作業着を買えるし、作業着を買いに行くついでに他の買い物も色々できるようになりかなり恩恵を感じています。笑
子供服を扱っている店舗もあるので、小学生くらいになったら子供の服もワークマン系列で調達できるようになると思うとかなりタイパコスパいいなと思っています。
もうひとつ今回記事を書いていて何度も感じたのですが、公式から出ている情報量の多さ。データの豊富さ。これがワークマンはピカイチだと感じました。
何かを調べようとするとHPで発表している記事がヒットするんです。
「ワークマン女子 銀座」とか「ワークマン サリーさん」なんと検索しても、ウェブニュースや誰かの取材ブログとかではなく公式サイトが上位に出ていました。
これって、当たり前の様であまりないことなんです。
ライターとして記事を書くうえでリサーチをすることはとても多いですが、だいたい公式サイトでは「〇月〇日 〇〇店をオープンいたします!~都内〇店舗目 敷地面積〇〇(ほぼテンプレ)」などせいぜい3行程度?の概要を載せてる程度のことが多いんです。
ましてや、売り上げや今後の出店数などの具体的な数字をHPで公表しているところはそうそうないと思います。
さすがSNSやインフルエンサーをフル活用している企業だけに、広報がしっかりしているな、、と思わず感心してしまいました。
≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫
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