あなたが緑茶を好む理由は?データ分析から分かる綾鷹×お~いお茶
はじめまして。Inokami Soutaです。
みなさんは普段なにを飲んで過ごしていますか?私は緑茶をよく飲んでいます。飲みやすくて美味しいのでコンビニに行くと、つい買ってしまいます。(笑)
緑茶を買おうとコンビニに行くと、どれにしようか迷ったことはありませんか?
今回はKnowns Bizの様々なデータを用いて人気の緑茶や、おすすめの緑茶を紹介しようと思います。購入の際に迷っている人は好きな緑茶を探しながら読むのも楽しいかもしれません!
緑茶飲料の認知度×満足度ランキング
まずは緑茶飲料の「認知度×満足度」を見ていこうと思います。
縦軸が「満足度」、横軸が「認知度」となっております。
グラフから得られる数値をもとに、2種類のランキングを作成してみました。
満足度ランキング
1位 綾鷹 ( 78.5% )
2位 伊右衛門 ( 77.3% )
3位 お~いお茶 ( 76.4% )
4位 匠屋旨みの日本茶 (76.0%)
認知度ランキング
1位 お~いお茶( 94.3% )
2位 伊右衛門 ( 93.6%)
3位 生茶 ( 92.4% )
4位 綾鷹 ( 92.1% )
という2つの結果となりました。
飲んだことのあるブランドもあれば、初めて見たブランドもあるのではないでしょうか。
このデータをもとに、満足度の1位が「綾鷹」、認知度の1位が「お~いお茶」である理由と、それぞれのブランドにおける唯一無二の特徴はなにか。
また、「旨みの日本茶」と「生茶」は満足度が近い値であることに対して、認知度には大きく差がある原因はなにか。
これらのことをブランド毎の特徴に触れながら、様々な側面からのデータをもとに紹介していこうと思います!
満足度No,1はコカ・コーラ社の綾鷹
「綾鷹」はコカ・コーラ社が製造する緑茶飲料です。
上のデータを見ると20歳から70歳以上まで幅広い年代の人々に認知されていることが分かります。好感は比較的若い20代~30前半が高いです。
綾鷹のこだわりポイントは緑茶の特徴でもある「にごり」を、他の緑茶飲料ブランドよりも重要視して製造されているところです。
特徴としては爽やかな香りが特徴の宇治抹茶と、よく吟味された茶葉を贅沢に使用し、綾鷹独自の製法を用いることで甘みや渋みなどのバランスが良く、他の緑茶飲料ブランドより濃い味となっています。
よって「急須で入れたような香りと旨み」という緑茶本来の味をしっかりと楽しめるブランドとなっています。そこで他の緑茶飲料と比較したポジショニングマップを見てみます。
上のグラフは緑茶飲料における縦軸が「渋み・深み」、横軸が「上品・優雅」を表しています。
このデータから分かるように他の緑茶飲料よりも苦みや深み、そして上品さがあるということです!
実際に吉岡里帆さんが出演するテレビCMでも「急須でいれたような香りと旨み」というのを大きく取り上げているので、多くの消費者がこの再現度に納得しているのではないでしょうか。
認知度No,1は伊藤園の「お~いお茶」
「お~いお茶」は伊藤園が製造する緑茶飲料です。
お~いお茶は綾鷹とは正反対で苦みや渋みを抑えており、まろやかさや甘みを引き立て、飲みやすさを重視していることから後味もすっきりしています。
上のデータを見ると綾鷹と同様に20歳から70歳以上まで幅広い年代で認知率が高いことがわかります。平均的にややお~いお茶のほうが認知が高いです。
お~いお茶が認知度1位である大きな要因の1つとして、お~いお茶というブランドの歴史にあります。伊藤園のお~いお茶は1989年に販売が開始され、最も早く市販の緑茶飲料としてスタートしたことから認知している人も多いのではないでしょうか。
またペットボトル容器ごと電子レンジでの加温が可能であることや、紙パックや粉末など様々な形でお~いお茶を販売することで、どの年代に対しても接点があるように工夫されていることもこのデータに繋がっていると考えられます。
最近では若者の口に合った新商品を作ろうということで、「お~いお茶 〇やか」が新発売されています。
大学生が実際に企画に携わっているので、これから若者に人気の商品になること間違いなしですね。実際に私も飲みましたが、まろやかさと甘みが更に引き立っており非常に飲みやすかったのでとてもおすすめです。
ただ従来のお~いお茶と比べると薄味なので緑茶の味を楽しむ人には微妙かもしれません…
綾鷹とお~いお茶の比較
満足度No,1の「綾鷹」と認知度No,1の「お~いお茶」を様々な分析を用いて比較してみましょう。
綾鷹とお~いお茶に関して簡単におさらいしておくと、綾鷹は渋みと甘みのバランスがとても良く、濃い味となっている。
対して、お~いお茶は緑茶本来の渋みや苦みを抑え、まろやかさや甘みがあり、後味はすっきりしている特徴がありました。
そして、それぞれのブランドで世代別比較を行った結果、どちらも20歳から70歳以上まで幅広い年代で認知されていました。
ここからは、消費者からの視点を中心に比較してみます。
まずは消費者のそれぞれのブランドへのイメージを見てみましょう。
先ほども軽く紹介しましたが綾鷹は消費者から「深み渋み・落ち着いた」「上品・優雅」というイメージが強く、本来の緑茶の苦み・渋みの味や上品な風味をしっかり再現できていることがこのデータに繋がっていると考えられます。
おまけとして女性の消費者のみによる綾鷹へのイメージ分析も紹介します。
女性の消費者は綾鷹に対して「カリスマ性がある」や「カッコいい・イケてる」、「フェミニン・大人っぽい」などのイメージを持っている人が多いことから人気のブランドかつ上品さを兼ね備えた綾鷹は女性に好印象を与えていることが多いようです。
普段から綾鷹を飲んでいる人で好印象を持たれ、カッコいい・大人っぽいと思われているのかもしれません。
私もこのnoteを書いた翌日からなぜか綾鷹を買うようになりました。
対するお~いお茶は「家庭的・安堵感」「ベーシック・定番的」というイメージが強いことから普段から飲んでいる・好んでいる人が多く、お~いお茶の特徴でもあった飲みやすさが影響していると考えられます。
またお~いお茶のブランド紹介でもあったように、緑茶飲料の中で最も歴史の長いブランドであることも加えて、「伝統・頑固さ」という意見が多いことに繋がっているのではないでしょうか。
次にソシエタスクラスター分析におけるそれぞれのブランドの消費的価値でも比較してみます。
綾鷹は「直感消費」や「ステータス消費」が上位にきていることから、コンビニでどの緑茶飲料を買おうか迷ったときは綾鷹を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
本来の緑茶への再現度が高いことや、満足度が1位であることから多くの消費者が好んでいる味や風味になっているのではないでしょうか。
一方でお~いお茶は「トレンド・限定重視消費」や「エシカル消費」が上位にきていました。
「トレンド・限定重視消費」が上位に来ている要因を調べてみたところ、ペットボトルでの緑茶飲料は11種類もあるほかに、その年の限定品や地方の茶葉をブレンドしたもの・抹茶をブレンドしたものなど数えきれないほどの種類が販売されていました。
また伊藤園は「お~いお茶」を製造する際に、環境保全への取り組みも積極的に行っています。
今回はその取り組みの1つとして、茶殻のリサイクルシステムについて簡単にご紹介したいと思います。お~いお茶は年間で54,800トンもの茶殻が製造と同時に排出されています。
伊藤園はこの茶殻を紙や建材に再利用する活動を行うことで、資源の節約やCO2の排出抑制など持続可能な環境への貢献だけでなく、消臭効果や抗菌効果など生活者へも良い影響をもたらしています。
他にもペットボトルにラベルを付けないラベルレス商品の販売や、未来へ桜を残していくために各地域と協力して行う桜植樹活動など、地域活性化や環境保全への取り組みは「エシカル消費」が上位である要因となっているのではないでしょうか。
他にも様々な環境保全活動を行っているので、気になる方は以下のサイトをご覧ください!
「旨みの日本茶」と「生茶」
ここで番外編として2つの緑茶飲料について紹介させてください!
旨味の日本茶
1つ目は「旨みの日本茶」です。
この緑茶飲料はアサヒが製造しています。このブランドの特徴は、緑茶の粉末茶を直接使用しており甘みと旨みを引き立たせています。
そして粉末茶によるふくよかで深みのある味わいも魅力の一つとなっています。このブランドは満足度は3位でしたが、認知度は31.1%と偏りのあるブランドです。
まずは下の2つのデータを見てください。
1つ目のデータから分かるように、全体を100%と考えたときの居住地ごとの購入割合では中国・四国地方と九州地方は他の緑茶飲料ブランドよりも高い値となっています。
対して北海道や東北地方では低い値となっております。一見すると地域ブランドなのではとも考えます。
ですが2つ目のデータで地域を絞って7Journey分析してみると、購買率の高い地方でも未認知の割合は62.3%となっているためどの地域でも認知度が低いことがわかります。知る人ぞ知るブランドなのでしょうか。
満足度が高いことや、離反や離反予備軍といった次回の購入意向がない人の割合が小さいことから認知度が上昇すれば人気ブランドになることは確かです。
生茶
2つ目に「生茶」の紹介です。
この緑茶飲料はキリンが製造しています。個人的には生茶が一番美味しいので、オススメしたいブランドの1つです!(笑)
こちらのブランドは先程とは対照的に認知度は高いですが、満足度は72.5%と上位のブランドと比べるとやや下回っています。
特徴としてはこのブランドは「生」という味覚にこだわっており緑茶特有の渋みは無く、すっきりとした味わいとなっています。また、後味も飲んだ後の口には茶葉の新鮮さと清々しい香りが残っています。
そして、生茶葉を直接絞っているので生茶をよく見てみると細かい茶葉が浮いているのも特徴の一つです。
SNSでは、
「一口目は爽やかで、あまみがすぐにやってくる」
「フルーティーなあまみがフワーっと広がる」
と投稿されており、今までの緑茶の概念を壊すかのような新しい緑茶として人気があります。
しかし本来の緑茶とは全く違う味わいや風味であるため、新感覚を受け入れきれてない顧客もいるために満足度は低めになっているのではないでしょうか。
次に下のデータを見てください
このデータは北海道での緑茶飲料ごとの購買率です。見て分かるように北海道では生茶が他の地域より人気なんです。
生茶は全国で販売されているブランドですが自然豊かで夏は涼しい北海道では、新鮮さが特徴の生茶は相性が良いのかもしれません。
さらに下のデータを見てください。
先ほどの「旨みの日本茶」と比較すると、生茶は東日本を中心に購入されていることがわかります。
2つのブランドにおける居住地別構成比に大きな差があることから、それぞれの地域の気候や人々の味覚にあったブランドであることが、データの偏りに影響している1つの要因だと考えられます。
また「旨みの日本茶」は認知度が「生茶」と比べてかなり低いため、比較するにはもう少し認知度が必要ですね。
まとめ
綾鷹の特徴
満足度が1位
渋みや苦み、上品さがあるイメージ
緑茶飲料の中では濃い味
「直感消費」「ステータス消費」が上位に。
お~いお茶の特徴
認知度が1位
家庭的や定番的というイメージ
まろやかさや甘みがあり、後味はすっきり
「トレンド・限定重視消費」「エシカル消費」が上位に。
綾鷹とお~いお茶はそれぞれの特徴は対照的と言えるほど異なりますが、購買経験のある人はそれぞれのブランドを好んでおり「また買いたい」と考える人も多かったです。
こちらは令和2年の農林水産省による緑茶を飲む理由の調査結果です。
調査は複数回答可で18歳以上を対象とした1000人から回答を得ています。
参照 : https://www.maff.go.jp/j/finding/mind/attach/pdf/index-64.pdf
この調査結果から緑茶は味や香りを楽しむために購買する人や、日頃から習慣的に飲む人が多いことがわかります。
にごりを重要視して味や香りにこだわった綾鷹と、飲みやすさを重視することで習慣的・日常的に好む人を狙ったお~いお茶。それぞれが人気ブランドであり、多くの人に親しまれていることに繋がるのではないでしょうか。
また朝起きたときから通学・通勤中、勉強や仕事中そして就寝前まで様々な場面でお世話になっている緑茶飲料は、年代や地域によって好みは分かれておりそれぞれのブランドに唯一無二の魅力があります。
近年では先ほど紹介した「お~いお茶 〇やか」のようにそれぞれの企業が、もっと幅広い年齢層に向けて・幅広い地域へと新商品を開発し、多角化を目指しています。
また生茶のように新たな緑茶の概念を作ってくれる、そんな新商品がこれからどんどん生まれるのではないでしょうか!
流行に敏感な私は期待とわくわくでいっぱいです。
今回は緑茶飲料についてKnowns Bizのデータを用いて紹介させていただきました!ちなみに気になるブランドの緑茶はありましたか?(笑)
つたない文章でしたが記事を読んでいただきありがとうございました!
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