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直感消費が鍵!Spotifyが若年層をヘビーユーザーとして獲得できる理由

こんにちは。元ファッションスタイリスト、現2女児の母ライター、Sakaiです。

みなさん音楽を聴くときって、何で聴いていますか?
私は、10年以上Spotifyを愛用しています。
いえ。正確には、子供といるときはアンパンマンや童謡ばかり聴かされていたのでここ数年無料プランにしていたのですが、、最近私の好きな音楽をかけても何も言わなくなったので4月から有料プラン復活しました!

https://biz.knowns.jp/analytics/brands-genre/SC_BBC_62_03_01/positioning_map

「音楽配信・検索アプリ」ジャンルの分析では、認知率はApple Musicが1番高く、積極的ロイヤルはSpotifyが1番多いようです。

今日はどんどん市場が広がっている音楽配信サービスのなかでも世界的に人気のあるSpotifyについて掘り下げていきます。


こんなブランドもある?分析してみてほしいなど
リクエストいつでも受付中📪
今後の参考にしたいので是非気軽にコメントくださいね♪



音楽配信サービスの市場規模

まずはSpotifyが属する音楽配信サービスマーケットについて触れておきます。

引用元:https://www.musicman.co.jp/business/572604

この図をみて分かるように、音楽聴き放題サービスの利用経験については「利用したことがない」という人が約45%となっており、まだまだ拡大の余地が考えられます。

また、日経経済新聞のウェブメディアでも

2023年の音楽配信売上高は前年比11%増の1164億円で、10年連続のプラスになった。うち、音楽データを受信しながら再生するストリーミングの売上高が1056億円と、端末に楽曲を取り込むダウンロード(102億円)を大きく上回る。ストリーミングがダウンロードの市場を初めて上回ったのは18年。こうした急激な市場変化を受け、人気アーティストがストリーミング配信を解禁したほか、配信大手のスポティファイ(スウェーデン)は割引プランを拡充した。

NIKKEI COMPASSより

と記されており、年々利用者が増え続け市場拡大している傾向が見られます。

Spotifyとは

spotifyは2008年にスウェーデンでスタートした音楽ストリーミングサービスで、2009年にはヨーロッパ、2011年にはアメリカ、20016年には日本に上陸しています。

引用元:Spotify 企業情報より

現在180以上の国で利用でき、有料会員数が2億3600万人と世界一のシェアを誇るサービスへと成長を遂げています。

音楽配信、音声ストリーミングジャンルにおける広告を掲載するサービスで、PCとモバイルの重複を除いたトータルデジタルの利用者数を調査。最も多かったのは「Spotify」で1,257万人が利用した。

MarkeZineより

日本国内の利用者は1257万人ともいわれていますが、男女比や年齢層などはどうなっているのでしょうか?

Spotify利用者はどんな人?

Knowns Biz調べ:ウェイトバック 現在購入

男女比は若干男性の方が多いですがほぼ半々のようです。

Knowns Biz調べ:ウェイトバック 現在購入

年齢別のグラフを見ると、10代20代など所謂Z世代と言われる利用者が多い傾向が見られます。

ウェイトバック ジャンル利用者絞込

さらに詳しく見てみると、10代から20代は積極的ロイヤル(現在購入していて次回も高い購入意向があるユーザー群)が圧倒的に多いことが分かりました。
消極的ロイヤル(現在購入していて次回は低い購入意向があるユーザー群)については数字の偏りが少なく、どの世代も同じくらいいるようです。

利用者の特徴は

ウェイトバック 現在購入

Spotifyの現在購入層の消費価値観のグラフでは、直感消費ステータス消費失敗回避型消費トレンド・限定重視消費イノベーター消費などの特徴が表れており、流行に敏感で、情報感度の高い人が好んで使っているように感じます。

先ほどの年齢別のグラフで40代後半の数値がポコっと出ていましたが、ちょうどZ世代の親世代とも考えられるので、子供に勧められたりファミリープランで利用したりすることが多いのかもしれないと思いました。

利用者を競合サービスと比べると

引用元:https://mag.app-liv.jp/archive/145053/

ナイル株式会社が行った調査によると、音楽配信サービスの利用者が一番多いのがSpotify、次にApple Music、Amazon Musicと続いています。

ここでは2位と3位のApple MusicとAmazon Musicのデータを参照してSpotifyと比較したいと思います。

・男女比と年齢層

右から Spotify・Apple music・Amazon music
ウェイトバックあり 現在購入

Spotifyは若干男性が多くなっていましたが、競合のApple Musicでは男女比の差が0.2%。Amazon Musicでは17%差で男性の利用者の方が多くなっています。利用者の年齢をみると、AmazonMusic、AppleMusicそれぞれが取りこぼしている層を取り込めているのではないでしょうか。

Apple Music ウェイトバック ジャンル利用者絞込

Apple Musicは20代が約30%で、さらに積極的ロイヤルは36.1%を占めるボリュームゾーンです。
次に多いのが30代で21.1%。積極的ロイヤルは20.1%ですが消極的ロイヤルは22.8%と20代より多い数値が出ました。(20代の消極的ロイヤルは21.2%)

Amazon Music ウェイトバック ジャンル利用者絞込

Amazon Musicでは男女比に続き年齢層もSpotifyやApple Musicと異なり40代が一番多い結果となりました。
積極的ロイヤルは全世代で近い数値が並んでいますが、消極的ロイヤルでは40代が25.2%を占めています。

Amazon Musicは、Amazonプライム会員だと機能に制限はあるものの利用することが出来るので、元々アマプラ会員の方が付随するサービスとして利用するケースも多そうです。

引用元:https://mag.app-liv.jp/archive/145053/

ちなみにナイル株式会社の調査でも同様にspotifyは10代、Apple Musicは20代、Amazon Musicは30‐40代が中心の利用者となっていました。

・サイコグラフィック

Apple ウェイトバック 現在購買

Apple Musicの現在購買者の消費価値観で高いパーセンテージが出ているのは、トレンド・限定重視消費レビュー熟考消費リターン期待型消費ブランド消費などで、Spotifyの特徴とは少し違った項目も出ています。

Apple Musicを利用する最大のメリットはApple製品との相性だと思いますので、そういった満足度の高いレビューを参考にしたり、価格帯の高いiPhoneやMacBookなどを使うリターンとして考える人、またApple製品のブランド力に惹かれる人もいるかもしれません。

Amazon ウェイトバック 現在購買

Amazon Music顧客の消費価値観に関しては、トレンド・限定重視消費ステータス消費失敗回避型消費リターン期待型消費が目立っています。

前述したようにアマプラ会員の特典としてAmazon Musicが利用できるので、アマプラ会員にステータスを感じる人や会費分のリターンを求める人、リスクがあまりないという点では失敗回避を期待する人がいることも自然だと思います。

また、Spotify、Apple Music、Amazon Musicすべてでトレンド・限定重視消費が高いパーセンテージを記録しています。
これにより、この価値観は音楽ストリーミングサービスを利用する人全体に共通しているものと考えることが出来ます。

世界の音楽を、発表からタイムラグなく手のひらで聴くことが出来るので、トレンドをリアルタイムで追うことが出来る音楽ストリーミング。とても魅力的ですよね。

Spotifyの成長

時系列 7journey ウェイトバック ジャンル利用者絞込

時系列のグラフを見ると、未認知をどんどん減らし確実に認知を広めていることが分かります。
積極的ロイヤルも確実に数が伸びていますね。消極的ロイヤルに関しては2021年12月~2022年5月の数値が一番高くなっていますが、2023年5月以降消極的ロイヤルと積極的ロイヤルのパーセンテージが逆転しているため、消極的ロイヤルから積極的ロイヤルへ移行したひとの存在も考えられます。

逆にチャンスやきっかけ待ちの割合が減ってきているので、今後新ユーザーをどのように集めていくのかが課題になってきそうです。

ファネル
ウェイトバック ジャンル絞込

ファネル分析を見てみましょう。
認知から現在購入の転換率が40.5%というのはかなり高いのではないかと感じます。

Apple ファネル
ウェイトバック ジャンル絞込
ファネル
ウェイトバック ジャンル絞込

参考までにApple MusicとAmazon Musicのファネルも見てみると、Spotifyの認知→購入意向購入意向→現在購入認知→現在購入のパーセンテージの高さがわかります。

ということは、認知されれば購入までつながりやすいということですので、ユーザーを増やすためには認知を広めることが最重要といえるでしょう。
既に著名人のポッドキャスト番組を作ったり、プレイリストを配信したりと集客や宣伝活動にも力を入れているイメージはありますね!

時系列 イメージ ウェイトバック ジャンル利用者絞込 現在購入

時系列でみるイメージ分析では、コスパ・経済性カリスマ性のイメージが上昇しているのが分かります。これはサービスやコンテンツの充実によるものと想像できます。
また、期待感・ワクワクが下がり、ベーシック・定番的が上がっていますが、これはより日常的に利用されるようになったということの現れでしょうか?とはいっても期待感・ワクワクのイメージも健在です!

イメージ分析 ウェイトバック 現在購入

ちなみに現在購入者がSpotifyに抱いているイメージがこちらです。
個人的には利便・合理性はもちろんのこと、必要・ないと困るコスパ・経済性ハマる・依存するなどのイメージには共感しかありません!笑

カラオケ大好き民としては、歌詞表示モードにしてお風呂でひたすら歌うというのが至福の時間です。(恥)

また、友人が在宅ワーク中にポッドキャストを流していると言っていました。
たしかに無音よりちょっと音があった方が集中できる説もありますし、そういう使い方をしている人も増えていそうですね。


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Spotifyのオンリーワンポイント

無料プランでも高い満足度

無料プランだと聞ける曲数や秒数が限られてしまうサービスも多い中、Spotifyではすべてのコンテンツにアクセス可能で、曲もフルで聴くことができます。(携帯ではピンポイントな選曲はできず、アーティストやプレイリスト単位で選択しシャッフル再生できる)

また、無料プランは広告が流れます。シャッフル再生のみしかできないことや広告再生が不便に感じたユーザーは有料プラン(月980円)に移行することもあります。

発信者側は再生数に応じて、無料ユーザーからは広告収入を得られ、有料ユーザーからはサブスク料金から収入を得られる仕組みになっています。

アーティストとユーザーを繋ぐ役割

Spotifyは誰でも曲を配信することが出来ます。ですから世界的歌手からインディーズ、歌手を夢見る人、どんな人でもSpotifyで世界とつながることが出来るのです。

ユーザーに音楽を提供して楽しんでもらうとともに、アーティストにはより多くのリスナーに音楽を届ける新たな方法を提供し、Spotifyとしてもプラットフォームとしての価値を高めていく「三方よし」の世界をつくろうとしているというのです。

日経トレンドより

ポッドキャストの充実

ポッドキャストというのはラジオのような感覚で聴ける音声コンテンツです。
私はこの辺をよく聞いています↓(なんか普段聞いてるものを公表するのってセンスの良し悪しバレそうではずかしい笑)

これも誰でも音声配信することが可能です。発信側としてはかなり敷居の低い仕様になっていますよね!
Spotify限定の番組もたくさんあり、歴史や政治の勉強、ニュース、雑談、様々なジャンルがそろっています!

もはやSNS

世界中の色々な人が曲やポッドキャストを配信できると述べてきましたが、実はそれらはキュレーターやAIによってプレイリストに入れられたり、おすすめされたりします。

インスタグラムやTikTokを見ているとどんどんおすすめが出てきて新しい情報や興味のある情報を仕入れられると思いますが、そんなイメージです。
自分の力だけでは出会えなかったかもしれない曲や、その時の気分にぴったりの曲が急に向こうからやってきたりするのです。
それによって日本の曲が海外で注目されたり、名もなき歌手がいきなりバズったりしています。

プレイリストはお気に入りを集めて自分で作成することもできるのですが、そのプレイリストを世界に公開したりもできます!(あ、この人音楽の趣味合うなと思ったらフォローしたりとか。ほんとうにSNSのよう。)
そのためプレイリストは膨大な数、、、40億ほどもあるらしいです笑
その中には、ムード別のものや、年代別のもの以外にも人気俳優が選んだプレイリストや映画のサントラを集めたマニアックなものなどもあります。

音声広告で見据える先は?

この分野において、Spotifyがいま一番勢いがあると言えるかもしれません。
無料プランの利用者に向けて曲と曲の間にスキップ不可の音声広告が流れます。

引用元:https://digitalinfact.com/topics/release/3026

上図は、音声広告市場の市場予想です。
2019年には7億円でしたが、2025年には420億円と6年で60倍の成長が見込まれています。

Spotifyの無料プランのユーザーでも、一日平均で2.4時間利用していることがわかっています。こういった流れから、多くのマーケターが、スクリーンに触れていない消費者にいかに広告をリーチするかを考えるようになっています。

MarkeZineより

Spotifyではこの市場を獲得しようと広告事業に力を入れているようです。
MarkeZineでは広告事業グローバル責任者のLee Brown(リー・ブラウン)氏にインタビューしており、そこでLee氏は「"音声広告=Spotify"と認識してもらえるようなプラットフォームを目指していきたい」と答えていました。


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まとめ

「音楽配信・検索アプリ」で最大のシェアを誇るSpotifyについて調査してきた今回。
どんな人に好まれているのかまとめておきます。

  • 男女比はほぼ5:5

  • 10代、20代(=Z世代)のユーザーが多い

  • トレンド・限定重視消費の価値観が高い(音楽ストリーミングサービスを利用している人に共通する価値観)

  • 直感消費、ステータス消費、失敗回避型消費の価値観も高い

Spotify自体に関しては

  • 認知から購入までの流入%が高い

  • 積極的ロイヤル層が増加傾向にある

  • 利便・合理性、必要・ないと困る、コスパ・経済性、ハマる・依存するなどのイメージが上位に位置することから、日常生活に溶け込み使われていると考えられる。

CDなどの音盤時代からダウンロード時代、そしてストリーミング時代となった現代、音楽消費方法は日々進化しています。
曲を作るには時間とお金がかかるので、CDを買ってもらわないと。という意見が根強くあることは理解できますが、Spotifyはアーティストやレーベルなどにしっかり還元し健全なビジネスモデルを構築しようとしているそうです。
そういった背景がもっと啓蒙されることで、より企業としての信頼や価値も高まるのではないかと思いました。

筆者のひとこと

冒頭で10年以上愛用していると述べたのに、日本上陸は2016年という話が出て、疑問を抱いた方がいるかもしれません。

実はわたしがSpotifyを初めて利用したのはイギリスにいたときでした。(Spotifyのイギリスローンチは2009年)
なんて画期的なサービスなんだろう!と感動したのを覚えています。
当時欧州では音源のコピーが出回りザワついていたのですが、「spotifyは救世主だ!」とクラブやライブばかり行っていた音楽好きの友人が言っていました。

そんな、アーティストにとっても消費者にとっても正義感みなぎるSpotifyがわたしは大好きです。

最近インスタなどでアーティストがSpotifyにピックアップされました!というような告知をしているのを見かけるようになりましたが、私が激推ししているXGもViral Top 100という話題になっているアーティストを集めたプレイリストに入っていました!(すばらしいいいい!)

こうやって新人アーティストが世界に見つかって大きくなっていくのを見るのってかなり幸福度が高い。

いい音楽を広めよう!というこのSpotifyの精神もたまらない。笑

XGを追うようになって、掃除中も料理中もSpotifyでいつもXGを流しているのですが、そうするSpotifyのリコメンドアルゴリズムにXGがしつこく刻まれるわけですよね。
そうすると「XG好きならこれも好きやろ?」とおすすめ曲がどんどん出てきます。これがかなり精度高いと思っていて、だいたいおすすめされたものを聴いてみると気に入ります。笑
気付いたら好きな音楽に囲まれQOLが爆上がりしてました!(QOLの使い方なんかちがう?笑)

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