大手チェーン2社と比較!おもしろメニューはネタ消費?ドミノピザ分析
こんにちは。ノウンズのUです。
先日、ドミノ・ピザからこんなメニューが発売されました。
…ピザはトマトソースとチーズが乗っていてくれれば何でもいいと思っている筆者には少し難しいと感じられたピザですが、一流ピザ職人的には「合格」なんだそうです。
お花見シーズンや春のお祝いごとにピザが登場する機会も増えていると思いますので、今回はドミノ・ピザについて分析したいと思います。
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宅配ピザ市場って?
日本での歴史
日本の宅配ピザの歴史は1985年、ドミノ・ピザが日本1号店を恵比寿に開業したところから始まります。筆者はピザーラに老舗のイメージがありましたが実は1987年創業の国内後発ブランドだったんですね。
今やデリバリー業界全体のスタンダードとも言える屋根付きの3輪スクーターを開発したのもドミノ・ピザでした。
本国アメリカでは主な配達手段は車でしたが、日本の狭い道路事情を考慮した結果、3輪スクーターを改造して屋根をつけたそうです。後にホンダから「ジャイロキャノピー」として正式に屋根付きモデルが発売されたのを考えるとすごいことですね。
近年の宅配(デリバリー)市場におけるピザチェーン
2019年ごろから新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出規制により、Uberをはじめとしたデリバリーサービス参入などでデリバリー需要は急拡大しました。
多くの飲食店がデリバリーにも進出してきたことはピザ業界からすると一見ピンチにも感じられますが、実際はどうなのか気になって調べてみました。
こちらのデータを見てみると、ピザデリバリー以外のいわゆる「中食」の需要が純増した為、ピザチェーンの売上規模が減ることはなく、うまく共存できているようです。
フードデリバリーサービスの多くはピザチェーンの配達にも対応しており、競合というよりは共存と言うイメージの方が近いですね。
少し前のアンケートですが、デリバリーサービス参入後も消費者にとってのデリバリーにおけるピザの存在感は未だ大きく、コロナ禍を経てピザは「日常食」へ変化しているのかもしれません。
また、ピザチェーンは他の飲食店に比べてデリバリー自体のノウハウが豊富であることもこの要因になっていると考えられます。
ドミノピザはフードデリバリーサービス相手にオーダーシステムのみの契約とし、消費者への配達はドミノ・ピザのスタッフが直接行うとのことで、フードデリバリーサービスで度々問題になっている配達トラブルがなく、確実に品質のいいピザを提供できるということも大きな強みとなっていそうです。
大手2社との比較分析
ピザ市場でのポジショニング
ピザ市場のポジショニング分析だと上位3社の認知率が非常に高く、積極的ロイヤルの割合でドミノ・ピザは一歩リードしていますね。
店舗数としては2024年3月時点で「ドミノ・ピザ」が全国に1,015店舗、「ピザハット」が540店舗、「ピザーラ」が535店舗と続きます。4位以下は一つ桁が下がるので宅配ピザ御三家なんて呼ばれているそうです。
ちなみにドミノ・ピザは2023年10月に「ドミノ・ピザ 江東古石場店」の出店をもって、国内1000店舗を達成。2033年には国内2,000店を目指すらしく、好調さが伺えます。
ドミノ・ピザ エンタープライズ グループCEOのドン・メイ氏いわく
「1000店舗の達成は、日本だけでなく世界のドミノにとって非常に重要なマイルストーンです。これは日本を、本国アメリカを除けば、インドとイギリスに次いで3番目に大きなドミノ・マーケットにするものです。」
とのことなので、日本のピザ市場は世界からも注目されているようです。
購入者層分析
大手ピザチェーン3社の現在購入層のデモグラフィックを見るとドミノ・ピザと他2社とで購入層に若干の違いがあることがわかりました。
年齢層分布としては3社とも似ていますが、他の2社と比較してドミノ・ピザの購入者は女性の比率が多いことが特徴として表れています。
ドミノ・ピザはシェイクやデザート系のメニューを充実させていて、しかも最低注文料金がない為サイドメニューだけでも頼むことができるということで、こういったところで女性層に支持されているのかもしれません。
SNSなどでも「ドミノ・ピザのシェイクがおいしい」という口コミが広まっているようです。
どんな人が購入している?
ドミノ・ピザ購入者メイン層である20代から50代前半女性に絞ってサイコグラフィックを見てみると、消費価値観でレビュー熟考、トレーサビリティの次にお得感重視、ネタ消費が強く出ています。
今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ
消費者からのイメージ
ワードクラウドを見ると、ピザチェーンへの意見としては味・種類・配達に関わることに次いで「値段・価格(高い・安い)」への関心が高いことがわかります。
価値観としてはトレーサビリティを大切にしているものの、やっぱりお値段は気になるみたいです。
3社の価格戦略について少し調べてみると
ドミノ・ピザ、ピザハット:お持ち帰りでピザ半額。デリバリー30%オフ。
ピザーラ:お持ち帰りでピザを2枚買うと1枚無料。1枚でも20%オフ。
さらに配達料と最低注文金額について調べてみると
ドミノ・ピザ:どちらもなし。
ピザーラ:配達料なし。最低注文金額は店舗により異なる
ピザハット:配達料250円。最低注文金額1,350円以上。
※ピザの割引のみで比較。公式HPの記載内容。
(各社2024年3月時点の内容)
イメージ分析ではドミノ・ピザは業界全体に比べコスパ・経済性へのイメージが高く出ています。
(上記グラフの赤い点がピザ業界全体のイメージです。)
ピザ1枚の購入でも値段が大きく割り引かれ、加えてサイドメニューのみでもデリバリー注文可能という価格戦略がこのイメージに繋がっているようです。
少し変わったメニュー
記事の導入で「さくらピザ」に触れさせていただきましたが、ドミノ・ピザといえばこういった変わり種商品を時たま発売しています。過去に発売された少し変わったメニューを紹介しましょう。
(どれも2024年3月現在は販売していません。)
人気トッピングを6倍のせ「裏ドミノ」
ピクルス600g、かつNYサイズのみ。「ピクルスピザ」
中央にチーズの火山?「チーズボルケーノ」
ピザにディップ?「ベーコンシェイク」
こんなに尖ったメニューたちが存在していたのに、イメージ分析では「インパクト・衝撃」より「ベーシック・定番的」が高く出ていました。
しかし、メイン層の消費価値観では「ネタ消費」が高く出ています。
もしやと思いサイコグラフィック分析で「子どもがいる・いない」のフィルターをかけてみると、子どもがいない場合は”ネタ消費”が強く出て、子どもがいる場合は”ネタ消費”がマイナスに振れました。
ファミリー層には定番ピザのイメージが強く、友人とのパーティ等の大人向けにネタとなる期間限定商品というような住み分けができているのかもしれません。
まとめ
購入者の特徴
・ドミノ・ピザは他社に比べ、積極的ロイヤル層が多い
・メインの購入者層は20代〜50代、女性の割合が多い
・メイン層はリピート、オンリーワン志向、プレミアム消費に関心が高い
・ファミリー層からは「定番」のイメージが強く、変わり種は大人向け
ドミノ・ピザを他社と比較しながら分析したところ、一見差別化の難しそうなピザ業界でも違いがあることがわかりました。
昔は宅配ピザというと「家族で食べるご馳走」や「大勢集まったパーティでシェアするもの」のようなイメージが強かったと思われますが、テイクアウトの大幅割引で気軽に購入できる外食の一つになったり、おひとり様メニューやピザ以外のメニューを充実させることで新しい層へリーチするなどコロナ禍で多くの外食産業が苦戦を強いられ、今までデリバリーをやっていなかったお店もUberなどのサービスを始める中、うまく新しい需要をキャッチしてどんどん進化していることが感じられました。
筆者のひとこと
私もドミノ・ピザを注文することがあるのですが、初めて現在の住まいで注文したときに新築物件ゆえに住所がマップに反映されておらずスタッフさんが我が家の付近で右往左往して配達が遅れたという経験から、2回目の注文時はピザトラッカーを凝視してバイクの音が聞こえたら外に駆け出して「こっちです!」とスタッフさんへ声をかけました。
きっと「どれだけ楽しみにしていたんだよ…」と思われたでしょう。まあ、その通り楽しみにしていたのですが(笑)
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