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No27_起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男 を読んだアウトプット

■読む目的

今、時価総額日本10位にもなったリクルート系に関して社風、歴史を学ぶため。
戦後最大のスキャンダルともいわれるリクルート事件の経緯、内容を知る
江副浩正という人物のリクルート創業、発展の方法を学ぶため

本書はビジネス書というより、江副浩正という人物を描いた小説のような形で非常に読みやすくついページが進んでしまった。
ストリートしても実話ながら序章から後半にかけての伏線回収など秀逸だった。

今回、総評が濃いめ


■アウトプット

・「経営者とはどういうものか、経営者ならなにをすべきか。わたしはつねに学び、考え、そのとおりにやってきました。あなたがた、自分が経営者であると考えたことがおありですか」
→経営者のみならず、優れた人材なら何をすべきなのか、常に学び考える

・夜の 10 時にシャッターが閉まって、追い出されるんだ。するとみんなで行きつけの飲み屋に行って会議の続き。みんな江副の会社ではなく、自分の会社だと思っているから、自分が主役なんだ。楽しくないはずがない
→社員皆経営者思想の為、全員が主人公、主役。当事者意識を持っているためモノの受け止め方が違ってくる。

・江副は自分にない能力を持つ彼らを高く評価した。自分より秀でた人間をまわりに置くことで、自分のやりたいことを実現していった。
→江副浩正のような人物でさえも完ぺきではない。しかし、自分の能力を自分で理解し、その強みを持つ人間と共に進めることでよい結果が生まれる。

・コピーのセンスにかけては江副より森村のほうが優れている。自分より優秀な人間にどんどん仕事を任せる。それが経営者としての江副の強みだった
→上記にも通ずる、自分の弱み、強みが分かっている

・「自分よりも優れた者に働いてもらう方法を知る男ここに眠る」  カーネギーの墓にはこんな墓碑銘が刻まれている。カーネギー自身が書かせたもの
→カーネギーも同じ思想

・適材が適所に就職する橋渡し。それは間違いなく、日本社会に活力を与える仕事
→上記の弱み、強みに関係するがこの適材適所というのが今のリクルートの人材領域での基盤となっていると思った。
 どんな人間でも合う合わないがある。その人の力をより発揮できるようにしていきたい。これは会社単位でも部単位でもPJ単位でも同じ

・江副は「法に触れさえしなければどんどんなんでもやってみろ」という祖父の教えがあった
→これが江副が倫理よりも合理的主義となったきっかけとされている。
 すこしグレーなことをしないと大きく伸びない

・ 「経営の神様」に経営の 要諦 を尋ねた。すると幸之助はこう答えた。  「人は誰でも得手なことと不得手なことがありまんがな。誰に、どの仕事を、どこまで要望するかが大事やなぁ」  これを江副流に翻訳すると「お互い得手、不得手があることを積極的に認め、各人が得意なことを組織に提供して大きな成果を上げていく」

・社員が何か言ってきたとき、江副にはすでに自分の意見があるが「君はどうしたいの?」「それで?」と聞いていき社員から口に出た時に、「じゃあそれ、君に言うとおりだからやってみてよ」ということで「評論家」だった社員を「当事者」に変えてしまう。
 →内発的動機の啓蒙

・臨戦状態にある日本リクルートセンターで、会社の悪口を言っている 暇人 などひとりもいない。どうやって物件を集めるか。納期を短縮するか。販売ポイントを増やすか。寄ると触ると、社員の口をつくのは『住宅情報』を良くするためのアイデアだ。
→社会人の基本的な部分。悪口、不満を言う暇があればどうしたら自分の仕事をよくできるのかを考える

・地方、貧乏、野望
 →対義語は都会、裕福、エリート。私は地方、貧乏、野望。
  ハングリー精神をもって行動する。

・社員を一人前の大人として扱うリクルートのマネジメントは野球に例えればメジャーリーグ。一般的な日本企業の経営は、選手が一球ごとにベンチのサインを覗き込む高校野球型だ。選手はいつも監督の意向を 忖度 し、バットを振りたい気持ちを押し殺してバントをする。
→これは非常にわかりやすい例だった。
 一人一人が生き生きと自分のプレーをすることで強くなる。
 (組織の中での役割も必要だが、、)

■総評

読む目的は達成された。
まず第一に江副浩正の歴史=リクルートの歴史を学べた。
また、本書は2021年2月に発売しているため、総理や社名など現時点での名称が反映されているので歴史と現在を結び付けやすかった。
現在トレンドとなっているクラウドやインターネットといったものが見えている江副浩正だがインフラが付いていけなかった点が悔やまれる。もし、、インフラが準備できたら、、今日の日本の経済は大きく変わっていたかもしれない。
 また、リクルート=江副 の印象が強かったが、最終的には不動産バブルの崩壊で1兆8000億円もの負債をのこし、位田、河野、柏木といった社長らの苦悩も大変なものであると知った。他の鉄鋼系など(エリート?)は国の税金での補助があったなかで負債を返すため位田社長が脱・江副として立て直し、河野社長時代に乾いたぞうきんを絞るように管理し、2006年の柏木社長時代に完済をしたこと、リクルートは自力で返済したというのは非常に感動をした。
江副のいい部分の文化は残しつつ、悪しき文化は排除し今日のリクルートがある。

江副が小さいころ、祖父から言われた
「名前が新聞に載るような人間になれ。少々悪いことでも構わん」と祖父に言われて育った江副にとっては
「正しい」のだった。違法でなければ合法。倫理的には正しくないが、論理的には正しい。
だが、「何が好ましく、何が好ましくないのか」という社会的な価値観は時代に連れて移ろう。
「合理の人」である江副はその部分にまったくもって疎かった。
これが江副浩正が幼少期に言われた言葉であり、江副浩正の人生を象徴する言葉だった。

リクルート事件については冤罪説がある中で真相をしりたい。
東京地検特捜部が動いたからグレーのものは黒にさせられたのではないか
未公開株は損失のリスクもあるし当時の証券マンによれば、世話になった人に配るのは当たり前のことだったということでもやもやが拭えない。
今も株に絶対に上がる株は存在しない。当時は絶対に上がる株は存在したのか?していないだろう。






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