きづかい

オーケストラで長くコントラバスを弾いてました。今は演奏の他に日本の作曲家の研究や楽譜の…

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オーケストラで長くコントラバスを弾いてました。今は演奏の他に日本の作曲家の研究や楽譜の作成工房「ひなあられ」、趣味として主に流行歌SPレコードの収集をしています。(真木不二夫の大ファンです!) http://www.medias.ne.jp/~pas/makifujio.html

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  • きづかいの音楽・映画探検記

    私の倉庫には4万枚のレコード、CDが今にも崩れ落ちそうになっています! また知られざる日本の作曲家の研究や、古い日本映画を見るのも大好きです! ここではその中から気に入ったものをご紹介したいと思います。 (写真は「オーケストラの少女」ディアナ・ダービン)

  • ほのぼの童話館 by きづかい

    どこか懐かしく、悪い人が絶対出てこない、ほのぼのとした温かい童話ばかりです。ぜひ読んでやってください。 作者(きづかい)自己紹介/団塊世代の元オーケストラ団員です。趣味で童話を書いてます。初めて新聞に掲載して頂いたときの嬉しさは忘れられません。

最近の記事

オットー・クレンペラー&コンセルトヘボウ管弦楽団、アムステルダム・コンサート 1947~1961

(24SACD) まだ聴き始めたとこですが、やはり他には得難い物凄い、そして余りにも人間臭い指揮者だったんだ、と驚愕しいます。少し前VENIASから72枚組のライブCDが出た時、それまでのクレンペラー感がぶっ飛び、「これは只者ではないな」と思ったのですが、今回のコンツエルトゲボウのより良い音質のライブによって、その思いは確信へと変わりました。やはりオケが上手い!味わい深い音色・パワーを持つ奏者達が皆この異常な指揮者のタクトの虜となり、本気を出している事がよく分かります。私は

    • 原荘介「あやつり人形」

      (コロムビア AF-7094/1981.12リリース) ギタリストとして著名な原荘介が1981年12月に初めてリリースしたボーカル・アルバムで、彼独自の世界を繰り広げています。ジャケット画は絵本作家・おぼまことによるもの。小椋佳のアレンジで知られる小野崎孝輔が4曲の編曲をつとめているのも、見逃せません。 「あ〜、小野崎ストリングスだ!」 と思わず溜息を吐いてしまう、素晴らしい響きです。 原の自作曲のほか、加藤登紀子やジュディ・オングの作詞・作曲も含まれています。B面2曲目「

      • はたなかまさる「旅立」

        自主制作30cmLPレコード(500枚限定) なぜ、このレコードを持っていたのでしょうか? 恐らく40年近く前、仕事で訪れた福井の小さなレコード店で、モノクロのシンプルなジャケットに惹かれ購入したのでしょう。 今久しぶりに聴いてみて、その素朴な「うた」に改めて強い感銘を受けました。そう、このレコードには紛れもなく懐かしい「70年代の香り」が込められていたのです。 はたなかまさるは福井のシンガーソングライター。 高校卒業後ギターを手にし「冬の街」などの多くの作品を創作しまし

        • LPレコード「となりきんじょ」ロマンティック☆マシーン

          1976年7月にベルウッド・レーベルからリリースされた二人組フォーク・グループ「となりきんじょ」の、唯一のLPです。  ベルウッドといえば、あがた森魚やはちみつぱいなど先駆的・個性的なアーチストが多いイメージがありますが、この「となりきんじょ」は実にオーソドックスで素直なボーカルのグループです。その美声とハーモニーは「とんぼちゃん」を思い起こさせますが、彼らほど曲にインパクトがあるわけでなく洗練されているのは、宇都宮という首都圏のグループという事もあるのでしょうか(とんぼちゃ

        オットー・クレンペラー&コンセルトヘボウ管弦楽団、アムステルダム・コンサート 1947~1961

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        記事

          ふくじゅ草 東京

          1979年にメジャーレーベル・CBSソニーからリリースされた、叙情派フォークグループ「ふくじゅ草」唯一のLPについて書きたいと思います。 実はこのグループについては寡聞にして存ぜず、ジャケットに何の情報も無かったため早速ググってみたのですが、「兄妹のデュオらしい」という以上に、具体的な情報が見つかりませんでした。 で、ジャケットを見ると… 失礼ながら何とも素人臭いお二人の写真… 歌の方も、ボーカルの女性の声に響きが乏しく、やや辛いものでした。 1979年といえば、音楽状況

          ふくじゅ草 東京

          真木不二夫をご存知ですか?

          昭和20年代を中心に活躍した歌手・真木不二夫のCDが、何と30年ぶりにリリースされました。 現在完全に忘れ去られていますが、真木は間違いなく全ての流行歌手の中で、最も美しい声の持ち主です。真木不二夫に魅せられ、彼のホームページ、ディスコグラフィーまで作ってしまいました。 http://www.medias.ne.jp/~pas/makifujio.html ぜひご覧ください!

          真木不二夫をご存知ですか?

          ほのぼの童話(11) けんたのヴァイオリン

          (画像/https://illust8.com/contents/2738) 「けんたー、何してるの。もうレッスンの時間でしょっ」  (いけねっ) おかあさんの声に、けんたはあわててヴァイオリンのケースを抱きかかえました。 「もうじき発表会なんだから、ちゃんと練習しなきゃだめでしょっ・・・もう、毎日ゲームばっかりやってるんだから」 「だって・・・」  (ヴァイオリンよりゲームの方が、ずうっとおもしろいんだもんっ) あとのことばをグッとのみこむと、けんたは玄関に向かいダーッと

          ほのぼの童話(11) けんたのヴァイオリン

          SPレコード最高!

          最初は「なんて雑音が多いんだ!」と思った。 それに盤に傷があったりすると、例の針飛びってやつが、けっこう襲ってくる。 こんなもん、聞けたものぢゃないや! 昔の人は可哀想だったんだな…最初はそう思ったんだ。 でも、やがてある事に気がついた。 ウッドベースのピチカートの音が、モロ凄いんだ。 全体のバランスを無視するくらい、生々しくブンブン聞こえて来る。オレはベースを実際に弾いてるんだけど、SPがいちばん生の音に近い気がするなあ。 (戦前美形芸者歌手として人気があった浅

          SPレコード最高!

          ほのぼの童話(10) 「ドント・ウォーリー」

          (アテンション・プリーズ… ) 空港のロビーは、今まさに飛行機に乗りこもうという人たちで、あふれかえっています。 「気をつけてね …」 ルミ子さんは真由美の両手を、ぎゅっと、にぎりしめました。 「だぁいじょーぶ、おかあさん! 何たってジェームスが、ついてるんだから」 真由美は、横にいる金髪の大男に、いたずらっぽくウインクしました。 「でも、アメリカ人は皆、ピストル持って歩いとるっていうじゃないか」 横から、菊江おばさんが口を出しました。 「ノー、ソレ誤解デス。ドント・ウォーリ

          ほのぼの童話(10) 「ドント・ウォーリー」

          古關裕而「あの旗を討て」

          (古関裕而・写真/Wikipediaより) 今「エール」で話題の古關裕而氏は、戦時中数多くの軍歌を作曲しました。「ああ、あの顔であの声で」(曉に祈る)、「勝ってくるぞと勇ましく」(露營の歌)と歌いながら、若き兵士達は戦場に旅立って行ったのです。彼らは露營の歌詞「瞼に浮かぶ旗の波」の部分を「瞼に浮かぶ母の顔」と変えて歌っていた、といいます。 古關氏は一体、どのような思いで軍歌を書いていたのでしょうか。 「エール」人気に便乗してか、最近古關氏のCDが数多く発売されていますが、そ

          古關裕而「あの旗を討て」

          「エール」古山裕一がコロンブス・レコードを首になりそうになった原因を作った作曲家

          (写真/江口夜詩記念館/筆者撮影 2020.6) 「十九の春」「月月火水木金金」 「憧れのハワイ航路」… この中でもし1曲でもご存知なら、貴方はかなり人生の達人だ。 そんなイントロ、ぜぇーんぜん興味がない!と言われそうなので、言い換えてみる。  「朝ドラ「エール」の主人公・古山裕一がコロンブス・レコードを首になりかけたキッカケを作った作曲家!」そう、「エール」には残念ながら登場していないが、その人こそわが敬愛する江口夜詩(1903〜78)その人である。  江口夜詩 40代

          「エール」古山裕一がコロンブス・レコードを首になりそうになった原因を作った作曲家

          ほのぼの童話(9) 「涙」

          (写真/https://yonbo-df.com/tombo45/)  お地蔵さまの縁日で有名な大草村に、トヨとヨンボという、二人の若者がおりました。 トヨは働き者で、朝早くからお日さまが伊勢の山並みの向こうに落ちるまで、毎日小さな畑で一生懸命働いておりました。 一方のヨンボはといえば、働くことが大嫌い。毎日村人たちと、賭け事に明け暮れていたのです。  でも、二人は大の仲良しでした。 ある日のこと、トヨは、道ばたに苦しそうにうずくまっているおばあさんを見つけました。 「おば

          ほのぼの童話(9) 「涙」

          昭和20年代の歌手にハマってしまいました。

          ある日私は突然、現在完全に忘れ去られている昭和20年代の流行歌手にハマってしまいました。その理由は分かりません。ただ、今まで、これほど自分と周波数の合う歌手と出会ったことはありませんでした。今は残されたレコードを一枚でも多く聴きたい一心で、ネットオークションなどで、彼のSPレコードを探し回っています。 歌手の名は「真木不二夫」 真木 不二夫(まき ふじお 大正8年2月1日 - 昭和43年12月5日) 何という優男! 真木はポリドール とテイチク に120曲以

          昭和20年代の歌手にハマってしまいました。

          中村紘子さんのこと

          クラシックを好きになり始めたばかりの頃、「音楽の友」を読んでいた私の目は、ある若き女性ピアニストの写真にクギ付けになりました。 「なんて綺麗な人だろう!」 中村紘子…この時初めて、私は彼女の名前を知ったのです。 演奏を一度も聴いた事がなかったのに、さっそくファンレターを書きました。(当時は音楽年鑑を見れば、有名音楽家の現住所を調べることが出来ました…何と良き時代!) しばらくして紘子さん(以下、このように書かせて頂きます)から、きれいな絵葉書が届きました。保養先の軽井沢から

          中村紘子さんのこと

          前田憲男さんのこと

          写真は「前田憲男の作曲術入門」(ドレミ楽譜出版/1983) 2018年11月25日、稀代の名アレンジャーでピアニストの前田憲男さん(氏は「先生」と呼ばれるのを嫌がっておられたので、このように書かせていただきます)が83歳で旅立たれました。 あれからもう一年半以上になるなんて… 私は他の多くのファンの方々と同様、前田憲男さんのことを心から敬愛していました。当初クラシックしか興味のなかった未熟な私に、クラシックに精通しながらもJAZZ、ポップスの世界で名アレンジャーとして、音楽

          前田憲男さんのこと

          前田憲男の名アレンジが光る!チェリッシュの1976年のベスト・コレクション

          チェリッシュ1976年リリースのベスト盤・2枚目は、それまでのヒット曲10曲を前田憲男氏がオーケストラに編曲し、当時分裂騒動直後の日本フィルとレコーディングしたものである。絶頂期の悦ちゃんの歌唱も素晴らしいが、ここでの前田氏の編曲は圧巻! 「ひまわりの小径」では、何とチャイコフスキー「白鳥の湖」の「4羽の白鳥の踊り」を前奏に使うなど、まさにやりたい放題。「愛の終末」でのダイナミックなオーケストレーションはハンパではなく、オーケストラも完全に本気を出している。  後年、前田

          前田憲男の名アレンジが光る!チェリッシュの1976年のベスト・コレクション