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オットー・クレンペラー&コンセルトヘボウ管弦楽団、アムステルダム・コンサート 1947~1961


(24SACD)

まだ聴き始めたとこですが、やはり他には得難い物凄い、そして余りにも人間臭い指揮者だったんだ、と驚愕しいます。少し前VENIASから72枚組のライブCDが出た時、それまでのクレンペラー感がぶっ飛び、「これは只者ではないな」と思ったのですが、今回のコンツエルトゲボウのより良い音質のライブによって、その思いは確信へと変わりました。やはりオケが上手い!味わい深い音色・パワーを持つ奏者達が皆この異常な指揮者のタクトの虜となり、本気を出している事がよく分かります。私はメンゲルベルクが大好きなのですが、彼が亡くなった1951年に演奏された「ロマンテイツク」第4楽章で、メロデイツクな旋律にポルタメントが現れ、思わず涙してしまいました。
タラップから落っこちて複雑骨折・全身大火傷のほか、数限りない病気…脳の良性腫瘍を摘出した後極度の躁状態となり、起こしたトラブル数知れずという人物に、神は至高の才能を与え給うたのです。しばらくは、この全集だけを聴き続ける事になると思います。
モーツアルトの25番など、現代の指揮者がもしこのようなテムポを求めたら、間違いなく全てのオーケストラから総スカンを食らう事でしょうね。

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