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日本語レッスン日記

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プライベートレッスンは時として、その人の思いや悩みを打ち明けるカウンセリングのような場になることもあります。心に残ったレッスンを不定期で綴っています。
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記事一覧

ビットコインと夢の家

昨年の暮れから今年の春ぐらいにかけてビットコインで大変お金持ちになった方と週3回のレッス…

Kiyomi sensei
1年前
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魔女は陸軍兵

Zさんとは私がまだフリーの日本語教師として働き始めたばかりのころ、カナダに住んでいる友…

Kiyomi sensei
4年前
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自己啓発

 日本でも自己啓発本が人気ですが、特にアメリカの人は自分を変えることに熱心な人が多いよう…

Kiyomi sensei
4年前
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悩みは距離感

 Jさんは韓国の大学生。就活中で、日本の会社での就職を希望していました。私とレッスンを始…

Kiyomi sensei
4年前
6

とびきりおいしいエスプレッソと苦い名古屋人

イタリア人のBさんは、いつもとびきりおいしいエスプレッソを淹れてくれました。そのエスプレ…

Kiyomi sensei
4年前
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他の人になりたい

 S君はとても熱心な生徒で、レッスンの時には自分が好きな日本のテレビ番組の聞き取りれなか…

Kiyomi sensei
4年前
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日本語も人生もプログラミングと違うんです

 外国語の習得というと文系の分野ですが、意外にも私の生徒は理系の生徒、特にプログラマーが多くいます。仕事で日本語が必要だからと言う人も中にはいますが、たいていはアニメやゲームが好きという動機です。  プログラマーの人達はロジカルな人が多いので、文法の法則を覚えるのが得意です。しかしその反面、少しその法則が崩れたり、文の一部が抜け落ちていると、非常に混乱することがあります。  当初Mさんは、「日本語はプログラミングみたい」とよく言っていました。プログラミングに対する知識がゼ

じっとして話を聞くと頭に入らない?

 小学生の頃、先生の話を聞くときは、まっすぐ背筋を伸ばし、手は膝に、先生の顔をみなさいと…

Kiyomi sensei
4年前
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学習障害を乗り越えたアメリカ人の双子

 遅ればせながら、素敵な年賀状がアメリカから届きました。双子の男の子と聴覚障害のあるお母…

Kiyomi sensei
4年前
6

Midlife crisis ココロのすき間

 Nさんはアメリカ大手IT企業のマネージャーで、サンフランシスコの高級マンションに住んでい…

Kiyomi sensei
4年前
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ヒジャブの下は・・。

 3,4年くらい、同じ町に住んでいたシリア人家族に日本語を教えていました。ちょうどシリアの…

Kiyomi sensei
4年前
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シリアから来た子(1)無知の幸せ

 前回書いたシリアから来た家族の話になりますが、今回は長男のF君の話です。実はF君と過ごし…

Kiyomi sensei
4年前
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シリアから来た子(2)表面だけ日本人

 2学期が終わり、F君にとって最初の日本での冬が来ました。  小学校から帰ってきたF君と和室…

Kiyomi sensei
4年前
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シリアから来た子(3)小さな戦い

 2年生になり、F君の日本語は日常生活には困らないレベルになりました。 1年生の時には成績の評価のしようがないということで空白だった通知表も評価をもらえるようになりました。そうはいってもあまり喜べる成績ではむろんなく、かえってそれをお父さんに伝えるのは気がひけるくらいでした。  唯一の救いは体育で、△が並ぶ中、一際目立って◎です。F君は運動神経がよく、足はクラスで1番か2番くらいに速いらしいのです。  お父さんは私に「Fにスポーツをやらせたい、センセイ、カラテクラスどこかな