キタラタカシ

役者

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エッセイ 『無名の役者の2024/4/22の嘘のない1日』

朝7:30に起きて、雨。 前日の天気予報でわかっていたけど納得はできない。予定が狂う。腹が立つ。 いっぺん窓を開け外に手を出して雨量確認。小雨。ミストサウナぐらいの量。賭けだがギリ行けるかな、チャリンコで。 本日の予定は14時からファーストフード店でのバイトだけの筈だったが、昨日急にお手伝いの連絡をいただき下北沢の舞台の小屋入り仕込み。朝の9時入り。 仕込みとは舞台を立てたり照明吊ったり言わば祭りの準備。本当は嫌い。朝早くにトラックから色んなものを数人で運び出して劇場に入れる

    • VOl.4「イメージの崩壊」

      今日、僕のアルバイト先のレンタルビデオ店に、オートバイに轢かれて入院していたはずの先輩芸人 『失業保険』 のイサムさんがやってきた。 ライブではたまに一緒になるけど、ちゃんと喋ったことはないので、わからないだろうと無視していたらイサムさんが、 「オカダくんじゃない?あらやだ、久しぶりじゃなーい!?」 と、気さくに話しかけてくださった。 聞くところによると、足の状態もだいぶ良くなってそろそろライブにも復帰するとの事だった。 嬉しいニュースが聞けて良かったが、オネエキャ

      • VOL.3 「楽屋事件簿」

        今日、ライブの楽屋で仲の良いコンビで有名な『山の手』の内田くんと外木場くんが殴り合いの喧嘩を始めた。 『ラッシュアワー』の吹石くんと『スイカイコカ』の中島くんが慌てて止めに入ったが喧嘩は収まらなかった。 ライブスタッフの上野さんとか大崎さんが来ても事態は修復出来なかった。 誰もがオロオロと混乱している中、ネタ終わりに飛んできた元柔道日本一の『非常停止ボタン』村上が力ずくで二人を抑えつけた。 喧嘩の原因はネタの事とかではなくて内田くんの追っかけをしていたファンの子が外木

        • VOL.2「苦手意識」

          今日、後輩芸人の『言い得て妙』の皿屋敷くんと、後輩芸人の『なるほど納得』の下平くんと、先輩のピン芸人『支離滅裂』さんと四人で遊びに行った。 シリメツさん(※支離滅裂さん)は終始後輩二人に揚げ足を取られ続けていた。 ソフトクリームの食べ方が気持ち悪いとか、使っている交通系ICカードが汚いとか、何か考えてる時の目線が胡散臭いとか、驚いた時の手の動きがおばさんっぽいとか、とにかく沢山イジられていた。 帰りの電車でシリメツさんは僕と二人きりになった時にボソッと 「オカダ、俺あ

        エッセイ 『無名の役者の2024/4/22の嘘のない1日』

          VOL.1「ネガティブネーミングセンス」

          今日、後輩の芸人『言い得て妙』の皿屋敷くんと二人でご飯を食べに行った。 するとそこのご飯屋さんで同期のコンビ、 『腐乱死体』の西川くんがアルバイトをしていた。 僕は 『腐乱死体』とは同期だが西川くんとはあまり話しをしたことがなかったので挨拶しようかどうか迷っていた。 すると運の悪いことに僕らのテーブルに西川くんが食事を運んできた。 西川くんは僕を見るなり、 西川「同期の岡田くんやろ?俺や俺!わかる?『腐乱死体』の西川やん!ほら、元 『どざえもん』ってコンビ組んでた!

          VOL.1「ネガティブネーミングセンス」

          エッセイ『結婚式で二万円包むか三万円包むか問題』

          結婚式とは良いものですね。 若い頃はそんなに思わなかったのですが、最近は新婦さんのお父さんが涙ぐんでるシーンを見るだけでもらい泣きしそうになる。 そして呟く「ええやん、結婚て」…ベタで糞おもろない人間に成長してしまいましたわ、はい。 まあ、しかし、結婚式の祝儀っちゅう文化はなんとかならんもんかね? こちとら36歳年男じゃけぇ、無論祝儀は奇数にせなアカンことぐらいわかってるよ。でもな、わし全く売れてへんし、がっつり帯でバイトしてるしそのへんの36歳とは稼ぎが違うんよ、貯金額が

          エッセイ『結婚式で二万円包むか三万円包むか問題』

          エッセイ『じーっとしてられへんねん病』

          生まれながらにして落ち着きのない子でしてね、ほんと申し訳ねえの極みでっせ、はい。 幼稚園の入学式で「あたしゃこんな初見のイスには座らん座ってたまるかぃ」と謎のロック魂を見せつけ地べたに座り込み喚き散らかした幼少期から本質的にはなんにも変わらないまま大人になりまして、情けねえ、あーあ、情けねえ。落ち着きがないんですよ。 その場に黙ってじーっとしてるのが苦手なんだよ、たぶんそうゆう病気なんだよ、調べてねえからわかんねえけどさ。 お仕事柄舞台とか演劇とかを見る機会が多いのですが

          エッセイ『じーっとしてられへんねん病』

          エッセイ『味覚嗅覚いずこ?』

          先週ちょいと軽く風邪を引いてしまいましてね。 まあ、熱も微熱で病院に行ってコロナでもなかったので、クーラーに当たりすぎて夏風邪でも引いたのだろう、と高を括っていたのですが、えらいもんで噂の症状、味覚嗅覚がなくなる状態に陥ってしまいましてね。 怖かったですよ、火曜日の朝。 その日は休みでゆっくり朝寝坊しようと思うていたのですが暑くて明け方目が覚めてしまい、やれやれこんなもん熱中症なったら敵わん、どぉれ冷蔵庫に入ったアクエリアスでも飲んだろかいと寝ぼけ眼で蓋を開けてグビグビ液

          エッセイ『味覚嗅覚いずこ?』

          サウナの話…?『東京浴場でおこもりサウナ体験』

          西小山にある銭湯、東京浴場さんにはそれはそれは素敵で魅力的なサウナがあると聞きつけ行ってみたんですよ。 『おこもりサウナ』と呼ばれるおひとり様用専用サウナ。 脱衣所に独特な雰囲気でそびえ立つおひとり様専用サウナは新鮮で格別。これを90分間独り占めにできる優越感。しかし、なんせ電話ボックスくらいの大きさのそのサウナが佇む場所は脱衣所なもんで、周りには普通に着替えてるおっさんやら涼んでいるお爺さんがいるので妙な小っ恥ずかしさがあるのも事実。気になる方は一度是非体感してみておくれ

          サウナの話…?『東京浴場でおこもりサウナ体験』

          サウナの話 『中野 清春湯』

          狂ったようにサウナに通い続けていた1〜2年前に比べ『急性サウナ行きたいウズウズ症候群』もだいぶ落ち着いてきたように思います。 最近では休日を利用して新規サウナにわざわざ出掛けるということもなくなり、自分の中のお気に入りのところに週一から週二で顔を出す程度になりましたよ。 「おどれ、ほなら全然サウナ好きとちゃうやんけ!分かったように語ってんちゃんぞ、ボケ!カス!」と罵詈七割、雑言三割で浴びせられるかもしれないが、いやいやこのくらい適度な距離になってからのほうが語れると思うんです

          サウナの話 『中野 清春湯』

          コント『ギプス』

          医者「はい、これでギプス外れましたよ」 患者「うわぁ」 医者「スッキリしたでしょう」 患者「そうですね、解放感がすごくて」 医者「もう痛みもないよね」 患者「はい。とにかく今はギプスが外れて嬉しいです」 医者「これからリハビリ頑張っていきましょうね」 患者「はい」 医者、おもむろに患者の患部のにおいを嗅ぐ。 医者「臭いねぇ」 患者「あ、ほんとだ。臭いですね」 医者「いやぁ臭い」 患者「すいません」 医者「いやいや臭くて当たり前なのよ。今までずっと密閉

          コント『ギプス』

          漫才 『海』

          A「ああー、九十九里浜ぁー」 B「あら、美声」 A「海に行きたいね」 B「行ってきたら良いじゃない」 A「なにで行こう?」 B「そら電車でも車でも」 A「この辺やと千葉とか神奈川よね」 B「うん、電車ですか?」 A「いや、僕は実家にあるR2D2で」 B「え?」 A「実家にR2D2があるのでそれで」 B「R2D2?」 A「うん」 B「え?R2D2?で合ってる?」 A「うん。最近乗ってないけど」 B「乗る?R2D2に?」 A「うん。またがって」

          コント『パンチくん』

          男2「あれ?パンチくん?パンチくんだよね?」 男1「うん?誰だ?誰かが俺の名前を呼んでいる」 男2「おーい、パンチくん!パンチくーん!」 男1「誰だ?誰かが俺の名前を二度も呼んでいる!」 男2「僕だよ、僕」 男1「一体誰が俺のことを二度も呼んでいるのだ?」 男2「そのまま振り返って!」 男1「え?」 男2「その場で振り返ったら分かるから」 男1「なに?振り返れと言うのか?この場で俺に振り返れと言うのか?」 男2「そうだよ、振り返ったらその謎が解けるから」

          コント『パンチくん』

          ハンカチーフください。

          愛だの恋だの真剣に考えてしまうのだよ。 そんなもんは考えるだけ無駄なのだよ、と諭されてしまうとトホホとなってしまうのだが生来からの真面目っ子ちゃんであるが故に小難しいことにこそ全力で挑みたくなるのだよ、、トホホ。 いやぁしかし具体的に沢山の愛の形をデータベース化して分析するに(主にNetflixやアマゾンプライムなど)結局はさだまさしの名曲『恋愛症候群』の歌詞に全ての答えが記されているのだ。 …あれ、木綿のハンカチーフじゃないの? ばかもん話しを最後まで聞かぬか、ええか、若者

          ハンカチーフください。

          ガイコツを骨抜きにしてやれ

          あほか、ガイコツから骨抜いたら何も残らへんやないか、こちとら時間ないんじゃ、早よ喋れ、おら。 んー、あ、はい、ですよね、それはわかってます、これはいわば例え話っちゅうやつでね、いや、まあ、その、何を言いたいかと申しますと、それしかない、人格形成がほぼそれでできている、そんな奴を虜にしたら勝ちちゃうかなってことなんですよ。 ん、よく聞こえなかった? …うん、あの、だから、例えば、あなたは何が好きですか? わし?わっしゃ酒や。酒が好っきやね。酒さえあればなんもいらんな。 そ

          ガイコツを骨抜きにしてやれ

          阿呆なんか2023

          アホなんか? 集団の大した意味も持たん慣習が苦手でね 飲み会の終盤、赤ら顔のおっさんが場を締めるために軽く挨拶。「前途を祝して一本締めで締めさせて頂きます!お手を拝借、よーっ、パンッ!」「ワーッ」「ありがとうございましたー」「ほんと是非今度行きましょ〜」「身体だけは気をつけてくださいね」「お前コンニャロ!お前は〜」などなど飛び交う言葉一つ一つにずっと心の中で『アホなんか?』と唱えてしまう。歳を重ねれば自然と慣れていくもんかと思っていたが無理のようで年々そういった慣習が不自然

          阿呆なんか2023