漫才　『海』

漫才。
Aをボケ　Bをツッコミとする。

A「ああー、九十九里浜ぁー」

B「あら、美声」

A「海に行きたいね」

B「行ってきたら良いじゃない」

A「なにで行こう？」

B「そら電車でも車でも」

A「この辺やと千葉とか神奈川よね」

B「うん、電車ですか？」

A「いや、僕は実家にあるR2D2で」

B「え？」

A「実家にR2D2があるのでそれで」

B「R2D2？」

A「うん」

B「え？R2D2？で合ってる？」

A「うん。最近乗ってないけど」

B「乗る？R2D2に？」

A「うん。またがって」

B「またがって？」

A「そうそう、馬力が違うね」

B「馬力？馬力？」

A「国産やからね」

B「R2D2って二輪的な？俺の知らんZR的なのがあるってこと？」

A「R2D2はR2D2」

B「うーん、あの、ちなみにここからお台場までと仮定するとどれくらいかかる？」

A「大体４時間半くらい」

B「R2D2やね！ここから４時間半やとそれはもうR2D2やね！」

A「だから言うてるやん」

B「え？実家にいるの？」

A「うん。二匹」

B「匹！？匹勘定？」

A「ターコイズとコーラル」

B「switchみたいな色」

A「5歳と2歳」

B「歳とるんや」

A「で、まずビーチバレーするんですよ」

B「ちょっとまだ海行くんもうちょい待ってもらってええですか？」

A「なんでよ」

B「R2D2の件が片付いてなくて。実家で飼ってるってこと？」

A「まあ」

B「何食べるの？」

A「とうもころし」

B「メイ！？メイの覚え方やね」

A「ほんとはダメなんだけどね」

B「…なにが？」

A「いい？海行って」

B「いや、何がダメなの？」

A「しーっ、公安警察」

B「たぶん良くないねえR2D2無断で飼う行為」

A「で、九十九里浜着きましたあ」

B「はい」

A「ビーチバレーをやりたいんですよ」

B「したらいいじゃない」

A「ボールがない」

B「えらいこっちゃ持ってくんの忘れたんや」

A「ただ僕にはこれがありまーす（ズボンに手を入れて効果音を言いながら）ダッダッダッダッ塩」

B「伯方の塩や、SE間違うてる」

A「『どんなものも一瞬にしてビーチボールになる薬ー』」

B「いらんわぁ、どこで手に入れたんやその薬」

A「しーっ、公安警察！」

B「お前もう自首しろて」

A「あら違う、これ親父のバイアグラだ」

B「間違うてるやん恥ずかしい」

A「いる？」

B「いらんわ」

A「帰ろか」

B「そうせえ」

A「カモンSDGs」

B「乗りもん変わってるやんR2D2ちゃうの？」

A「あれ？あれ？大変だ、僕のSODが」

B「AVメーカー」

A「潮風にやられてなんかえらいことになってる」

B「どうしたんや」

A「ああー可哀想に、まつエク取れてる」

B「大したことないやないか。潮風関係ないやないか、どこにまつ毛あんねん」

A「ああーもう、歯並びも決して良くない」

B「あいつ歯あったっけ？」

A「基本盛りすぎ」

B「お前マッチングアプリ見てんのか」

A「とにかくJAF呼ばないと」

B「JAF案件なんやな」

A「えーと、（スマホ取り出して）ひとよひとよにひとみごろ…」

B「平方根やそれは√２の覚え方や」

A「もしもしJAFですか？お久しぶりです！」

B「常連なん？そんなんいらんて」

A「片山さんいますか？」

B「誰？」

A「わかりました。じゃあ休憩から戻ったら電話ください」

B「JAFそんなシステムちゃうぞ」

A「とりあえずRCサクセションを」

B「清志郎」

A「あれ？おれ最初なんて言ってたっけ？」

B「R2D2！」

A「ごめん！間違えてた！」

B「なにと？　どこから？　どれを？」

A「（ズボンに手を入れて）デデデデッデデー！や」

B「そこかい。もうええわ」

完