如月のさかな

27歳。8年目ライター。日常で心が動いた瞬間と、好きな作品に関するあれこれを書いていま…

如月のさかな

27歳。8年目ライター。日常で心が動いた瞬間と、好きな作品に関するあれこれを書いています。

最近の記事

10年前、高校生の恋愛はどんなだったろうか

10年前、私たちはどんな恋愛をしていただろうか。 あの頃、私はまだ高校生だった。付き合ってもないのに、好きな人と2人きりになるだけで、胸が高まったあの頃。私たちの恋の仕方は今の10代とは大きく異なっていたのだろう。 当時好きだった人と初めて出かけた帰り、「ご飯どこで食べる?」と聞いた私に、その人は少し迷った後、「すき家でいいよ」と言った。 今の若い人たちからしたらあり得ないかもしれない。当時の私でさえ、男女2人で初めて出かけた日なのだから、もう少しデートっぽいところがい

    • 寒暖差のあいだで、銭湯にいく

      ようやく、暑さが和らいできた。 わたしの住む地域では、日中はまだ真夏日になるものの、夜には25℃を下回り、長く続いた熱帯夜は終わりを迎えたみたいだ。 それでも、まだまだ湿度は高くて、今年の夏はわたしの知っている夏とはどこか違う顔を見せている。詳しくはわからないけど、色々と気象条件が重なって、今年は暑い上に湿気が多いようだ。 やっと涼しくなって、嬉しいのも束の間、今度は寒暖差の問題がやってきた。 昼間、暑さと湿気が照りつけるなかで、朝と夜も同じ格好では少し冷える。エアコ

      • いざというときに持っていけないものは要らないかもしれない

        私は、ものが少ない。 服は各季節3着ずつしかないし、靴も2足しかない。家具も家電も必要最小限しかないし、旅行や出張もリュックだけで行くことが多い。 たぶん、ミニマリストではあると思う。 元々、あまり物をたくさん買う方ではなかったし、物持ちも良い方だった。 ただやはり、海外留学に行ってから、その気質はより強くなったと思う。 海外に長期間行くとなると、必然的に持っていける荷物は少なくなる。特に日本から行くときは、ほぼ確実に飛行機に乗らなくてはならないので、詰め込める荷物

        • 5年着たダウンとお別れした

          さっき、5年着たダウンとお別れした。 私がまだ大学生だった頃、5年後も着たいと思って買ったダウン。ちょうど5年目で、手放さなくてはならなくなった。 例年よりも湿気が多い今年の夏、ふとクローゼットの中のダウンを取り出してみたら、とうとうカビが生えてきてしまっていた。 うっ、と思いながら、外でカビを落として、すぐに「ダウン カビ生えた」で調べた。クリーニングに出せば、また使えるようで、急いで近くにお店に駆け込んだ。でも、私のダウンは寿命を迎えていたようで、「クリーニングする

        10年前、高校生の恋愛はどんなだったろうか

          書けない私の対処法

          ああ、書けない。プロのライターだけではなく、文章を書くことに携わるすべての人が経験したことがあるだろう、書けない現象。 書けないときは突然やってくる。 さっきまで書けていたのに、不意に、パタンと書けなくなるときがある。あんなにカタカタ走っていたのに、完全に手が止まるときがある。こんなとき、私は潔く諦める派だ。 しかし、プロとして書いている以上、どうしても締切がある。あるいは、これを書かなくては、次の原稿に差し障りがあるという場合がある。どちらにせよ、立ち止まっている暇が

          書けない私の対処法

          ひとりは寂しいって、言えない

          金曜日の夜、帰る途中に買ったスーパーのお弁当を食べながら、何も予定のない土日のことを考える。 シャワーを浴び、誰に見られるわけでもない肌の保湿をして、ベッドに潜りながら、週末の予定を無理やり作り出そうとしている私。正直、寂しい。 それでも、なんとか予定を作り出して、とりあえずSNSに写真を上げられそうなことを考える。 とりあえず映画。 とりあえず美味しいご飯。 映画は良い。 面白いし、1人で行ってもおかしくないし、観てる間は周りの世界から離れられる。 2時間もあ

          ひとりは寂しいって、言えない

          男なんていつだって手放せる-江國香織『東京タワー』から読み解く蠱惑の恋愛観

          『東京タワー』といえば、江國香織さんの代表作の一つ。 東京タワーの真下で繰り広げられる若い男子大学生たちと、40代前後の蠱惑的な女性たちによるインフォーマルな恋愛模様は、バブル期の残り香を感じさせる優雅な描写と熱情的な関係性から、多くの読者に愛されてきた。 その中でも、私がどうしても忘れられないのは、「自分こそが彼女に本当に愛されている」と確信していた主人公が、「いつだって俺は捨てる側だった」と思い続けてきたもう一人の主人公が、二人とも物語の最後で年上の女性たちにその手を

          男なんていつだって手放せる-江國香織『東京タワー』から読み解く蠱惑の恋愛観

          映画『冷静と情熱のあいだ』から考える新しい百年の恋

          「新しい百年に恋するすべての人に捧ぐ」 このキャッチコピーは、2001年に公開された、映画『冷静と情熱のあいだ』の予告トレーラーで流れた一文だ。 21世紀が始まったその年、新しい百年に恋するすべての人に捧げられた『冷静と情熱のあいだ』は、上映当時多くの人々の心を動かし、そして20年以上経った今もなお、普遍的な愛の形を描く本作に、新しい世代が魅了されている。 かくいう私も、高校生だった2010年代に『冷静と情熱のあいだ』を観て、舞台となったイタリア、フィレンツェの街並みと

          映画『冷静と情熱のあいだ』から考える新しい百年の恋

          みんなで企画した文章は、やはり面白い

          noteでは好きなことを好きなように書いている私だけど、本職は文筆業だ。 文章を書いている、と言うと、 才能があるんですね、1人で何かを生み出すってすごいですね、とよく言われるのだが、実は、1人だけで書くことはほとんどない。 メディアの文章を書いていた時代も、自分名義で書いている今も、文章の企画はみんなで進めるものだと思っているし、そうしている。 もちろん、一応プロなので(と言い聞かせることが大事)、企画から脱稿まである程度1人で行うことはできるけど、 誰かと一緒に

          みんなで企画した文章は、やはり面白い

          トマトが美味しい季節になってきた

          私はトマトが好きだ。 お皿の端にいるミニトマトも、こぶし大にかぶりつくフルーツトマトも、卵炒めやパスタソースに使うトマトも大好きだ。 マリナーラのピッツァのトマトも大好きだし、カプレーゼで食べるのも好き。 レストランで食べるトマトは、どこかつやつやしている。 八百屋さんで買うふぞろいトマトも大好き。 私はよく規格外の野菜を買うのだけど、大きさも形も個性があって選ぶのが楽しい。 ヨーロッパのスーパーや市場では、日本では規格外になりそうな大きさや傷のある野菜がふつうに

          トマトが美味しい季節になってきた

          私のやる気スイッチは、自炊だ

          久々に、料理をした。 帰り道にスーパーに寄り、豚肉と、野菜を買って、簡単な炒め物を作って食べた。 ただそれだけなのに、1週間ぶりに食べた自炊ご飯の味は格別だった。 温かい。そして満たされる。心が満たされる。 素材を集めて、調理して、盛り付けして、食べる。 やっぱり自炊は魔法だ。 忙しいときは、なかなか自炊ができない。 だけど、忙しいときこそ、自炊がしたい。 自炊ができると、もう少し色んなことをやってみたくなる。 時間があるから、筋トレをしてみようか。 溜めていた

          私のやる気スイッチは、自炊だ

          冷えとたたかう、私の寒暖差対策

          寒暖差がすごい。 ついこの間まで真夏日だったかと思えば、今日の夜は初春のよう。 1週間の中で20℃近く気温差があるから、さすがに身体もまいってしまう。 冷えがひどくなると、湯船に浸かるくらいでは取れないし、手脚は浮腫むし、便秘でお腹が張ってしまう。 ということで、あとで自分で見返すためにも、私がふだん行っている冷え対策をまとめてみようと思った。 一つ目は、お白湯を飲むこと。 すごく当たり前だけど、温かいものを飲むだけで身体の冷えはぐっととれる。 ポイントはこまめ

          冷えとたたかう、私の寒暖差対策

          26歳、はじめての香水

          生まれてはじめて、香水を買った。 これまでずっと気になってはいたけど、何がいいのか、何が合うのか、はたまた何が嫌な匂いじゃないのか。 買わない理由があるわけじゃないけど、買う理由も見つからない。 そんなことを考えているうちに、30歳手前になってしまっていた。 だからこそ、思い切って買ってみることにした。 ふだん行かないブランドを周り、香水専門店も周り、小さな壜ひとつの値段に驚きながら、私でも手が出せそうな香水を探していく。 柑橘系? ウッディ系? ローズ系? ブレン

          26歳、はじめての香水

          金曜の夜の街、電車と夜風と半額弁当

          金曜の夜。 今日で1週間の仕事や学校が終わる人。 明日も仕事がある人。 華金をエンジョイしている人。 家に帰って、家族との時間を過ごしている人。 一人暮らしの家で、自分を労っている人。 金曜の夜の電車は、そんなみんなのバラエティであふれている。 これからみんな、どんな金曜の夜を過ごすのだろう。 私は今夜、いつも通りかな。 そんなことを思いながら、スーパーの半額弁当を手に、家路につく。 1週間が終わる。 夜風を浴びながら歩くのは、嫌いじゃない。 くたくたの

          金曜の夜の街、電車と夜風と半額弁当

          毎日、朝ごはんをつくる。夜はお惣菜なのにね

          毎日、朝ごはんを作っている。 べつに大したものではなくて、冷凍ご飯をチンして、味噌汁を温めて、目玉焼きを作るくらい。 でも温かくて、自分で用意したものを食べることにこだわっている。 朝ごはんをちゃんと食べないと、一日頭が回らないという理由もあるけど、一番は、なんとなく、心が整うから。 買ってきただけの、均質なご飯を食べていると、少しずつ、頭が麻痺してくるときってないですか。 その点、目玉焼きはいい。 毎日違う。 卵の大きさも、色も、焼き加減も、何もかもが、毎日違う。

          毎日、朝ごはんをつくる。夜はお惣菜なのにね

          書く仕事、8年目

          私が書く仕事を始めてから、8年目を迎えた。 最初は、キュレーションメディアの外注ライターに始まり、大手メディアのコラム、企業の社内メディア、採用ページ作成、オウンドメディア、アフィリエイトサイトなどなど。本当にたくさんの仕事をさせていただいた。 仕事をしながら、文章の書き方を教えてもらったし、ライター講座みたいなところにもたくさん行って、「良い文章」の書き方を学んだのが、20代前半だったと思う。 私は今、ビジネスとは違う業界で、文章を書く仕事をしている。 書く内容も、テ

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