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みんなで企画した文章は、やはり面白い

noteでは好きなことを好きなように書いている私だけど、本職は文筆業だ。

文章を書いている、と言うと、

才能があるんですね、1人で何かを生み出すってすごいですね、とよく言われるのだが、実は、1人だけで書くことはほとんどない。

メディアの文章を書いていた時代も、自分名義で書いている今も、文章の企画はみんなで進めるものだと思っているし、そうしている。

もちろん、一応プロなので(と言い聞かせることが大事)、企画から脱稿まである程度1人で行うことはできるけど、

誰かと一緒に作った方が明らかに面白く、誰かに響く文章が書ける気がしている。

その理由はたぶん、企画段階から、自分以外の誰かの価値観や感想を羅針盤に反映させられるからだと思う。

1人で書いたエッジの効いた文章が、特定の誰かの心に刺さることはよくあるけど、

私のような書き手の場合は、できる限り多くの人に文章を届けることが肝要。

だから、企画の段階で、「この文章は面白くなるだろうか?」とたくさんの人(ここもできれば編集のプロ)と会話することが大事なのだ。

たぶん、「会話」であることも重要で、「議論」とまでいかなくてもいい。

ラフな感想の中の、「なんとなく違うんだよなあ」という感覚はなぜかだいたい当たる。

逆に、最初の相談相手に面白いと思ってもらえたら、あとは楽ちん。

私の場合は、その人に響くにはどう書いたらいいだろうかということを軸に据えて、企画から執筆までやり通すことにしている。

少なくとも、その人には面白く読んでもらえるし、そういうものは他の人にも面白がってもらえることが多いのだ。

結局のところ、私の才能とか、クリエイティビティみたいなものって、文章を書く仕事の上ではそれほど重要なスキルではないと思う。

むしろ、目の前の相手にどうやったら面白がってもらえるか、どうやったら心に響くものを書けるか。

それを会話の中で探し出すことのほうが大事だと、日々思っている。

まあ実際は、複数人のチームで、みんなバラバラな感想を言って、アウフヘーベンできる点を見つけることに苦労したり、無難な路線に逃げてしまいそうなこともたくさんあるのだけど、それはまた別のお話。

誰かと一緒に書くことで、私だけではたどりつけないどこかに、行けるんだと思う。

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