トマトが美味しい季節になってきた

私はトマトが好きだ。

お皿の端にいるミニトマトも、こぶし大にかぶりつくフルーツトマトも、卵炒めやパスタソースに使うトマトも大好きだ。

マリナーラのピッツァのトマトも大好きだし、カプレーゼで食べるのも好き。

レストランで食べるトマトは、どこかつやつやしている。

八百屋さんで買うふぞろいトマトも大好き。

私はよく規格外の野菜を買うのだけど、大きさも形も個性があって選ぶのが楽しい。

ヨーロッパのスーパーや市場では、日本では規格外になりそうな大きさや傷のある野菜がふつうに売られている。

食べる分にはまったく問題ないので、フードロスや農家さんのことを考えると、規格外の野菜を選びたくなるのは私だけだろうか。

ヨーロッパのトマトは、とても安い。

私がイギリスにいたときは、500gで1.5ポンド(約270円)という破格だった。

しかもイタリア産なので味も美味しい。種類豊富なパスタも同じくイタリア産で、安くて美味しいものが多い。

ただ後から知ったのだけど、イタリアは最低賃金の問題や若者の失業率の高さから、安い賃金で農業に従事する人が多いらしい。

トマトひとつ買うだけでも、世界経済や社会問題がわかるほどに、私たちは密接に触れ合っている。

はたして、日本のトマトはどうなのだろう？

そんなことを考えながら、八百屋さんでぷりぷりの規格外トマトを手にした。

今夜はナスと一緒に、卵炒めにしようか。
しょうがと醤油で味付けしよう。

少し前よりも、実の詰まったトマトを抱きながら、夕焼けに夏の気配を感じた。