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ひとりは寂しいって、言えない

金曜日の夜、帰る途中に買ったスーパーのお弁当を食べながら、何も予定のない土日のことを考える。

シャワーを浴び、誰に見られるわけでもない肌の保湿をして、ベッドに潜りながら、週末の予定を無理やり作り出そうとしている私。正直、寂しい。

それでも、なんとか予定を作り出して、とりあえずSNSに写真を上げられそうなことを考える。

とりあえず映画。

とりあえず美味しいご飯。

映画は良い。

面白いし、1人で行ってもおかしくないし、観てる間は周りの世界から離れられる。

2時間もあるから、休みの暇つぶしにはとても良い。

チケットの半券は1枚でも、パンフレットやポップアップと一緒に撮れば、休日を楽しんでいる感じが出る。

美味しいご飯はさらに良い。

私だって食べることが好きだし、1人なら他の人の好みや時間を気にせずに好きなものを食べられる。

写真の撮り方を工夫すれば、誰かと一緒に行っているかのような写真にもなる。

30代を目前にすれば、1人の休日を楽しむ方法なんていくらでも知っている。仕事をしたっていい。

SNSで、友達の結婚式や子どもの写真が絶えず流れてきたとしても、私は私の人生に満足しているし、何にも気後れすることはない。

だけど、それでも、1人は寂しいって言いたいときがある。

なんでも1人でできることがカッコいいとされる世の中では、1人が寂しいなんて言ったら、可哀想な人だと思われるかもしれない。自立していない人だと思われるかもしれない。

でも、寂しくて何が悪いのだろう。素直に自分の気持ちを言って何が悪いのだろう。

周りの意見に気を使い、流され、人として本質的な感情にまで蓋をしなくてはならないのだとしたら、そんな社会じゃ生きづらいと思う。

寂しいくらい、言ってもいいじゃない。

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