桐生文人

自由気ままに。好きな事を好きなように書き綴っています。

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マガジン

  • Another World

    仄暗い世界観の掌握小説集です。いつもとは違う雰囲気を楽しんで下さい。別名を使用し、別サイトに書いていたものも含まれています。

  • forevermore

    この作品は、別名を使用し、とあるブログサイトで書いていた物です。タイトルや人物名を一部変更し、リライトしました。 既婚者である恭子さんに恋をした、吉沢宗介。そんな彼の内緒の日記。

  • vanilla

    二度目の夏も、甘くて苦いバニラのようで。

  • puzzle

    恋愛小説です。

  • 詩。妻へ。

    妻への気持ちを綴った詩たちです。

最近の記事

25. まだまだ感じていたいから

2019年11月29日 21:13 今日は外で食事を済ませた。 家に帰り、風呂の準備。 いつもの時間まで待ってみるかな。 スマホを覗くと、増えているのはLINEの通知だけ。 ごめんな、紗希。 今日はまだ連絡を取る気はしない。 君のLINEは読まない。 どんな内容でも。 たとえ今すぐの用事だとしても。 大切な用事だとしても。 いつもみたいに、気持ちを伝える内容だったとしても。 今の俺には関係ないから。 風呂であったまる。 ゆっくり浸かって。 あなたを思い出す

    • 鐘の音が響く間

      鳴る。 鳴る。 最後の鐘が鳴る。 「やっと来た。」 思わずそうつぶやき、ふと思う。 やっぱり待ってたのかな。 この時を。楽になれるこの時を。 眩しいほど輝く暗闇の中で。 ぼんやりとそんな事を思った。 ふと振り返ると、君がいて。 しゃがみ込んでうつむき、耳を塞いでいた。 跪きその小さな手をそっと掴んで、耳から引き離す。 ポンポンと頭を撫でて顔を近づけた。 「君のだと思った?残念。あれは僕の鐘の音。」 にこりと笑って、安心させようとした。 でもうまくできてないのかな

      • 24. 昼休みに

        2019年11月29日 13:49 昨晩のあなたを思い出し。 ふと、メールをしたくなる。 何をしてますか? ランチ? 買い物? 散歩? それとも…。 同じように、俺を思い出したりしてくれてる? また会いたいなぁって。 次はデートがいいかなぁって。 セックスもいいけどねって。 それとも、昨晩を思い出して。 身体が疼いたりしてる? もう…触ってたり。 する? 恭子さん。 なんでもいいよ。 あなたからの連絡が欲しい。 メール待ってる。 この余韻を もっと

        • みーな. Page 2

          向井みずき君を見つけたのは、本当の本当に、偶然。 SNSをしていて、ふとしたきっかけだったんだ。 びっくりした。 また出会えるなんて思ってなかったから。 舞い上がって、運命なのかもなんて思ったりして。 わぁわぁ言いながら今までのものを全部見た。 最初は彼がアップした写真を見たり、ちょっとした物を読んだりしてるだけでよかったんだ。 相変わらずだなぁとか、元気にしてるんだなぁとか。彼女がいるようだったけど、それはあまり気にしてなかった。見た事ない知らない子だったし。

        25. まだまだ感じていたいから

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        • Another World
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        記事

          23. 余韻

          2019年11月29日 8:28 今朝のコーヒーはブラックで。 頭をしっかりさせないと、昨晩のあなたばかり思い出してしまう。 まぁ、それもいいんだけど。 やりたくなるから。 テレビをつけて、新聞に目を通して。 出勤の準備。 なかなかうまくまとまらない髪も、今日は許せる。 そうだ。 あれを持って行こう。 あなたがプレゼントしてくれたハンカチ。 なんだかあなたを連れて行くようで。 入れたポケットをそっと触る。 カバンの中を確認して、鍵とスマホを持って。 ふと

          みーな . Page 1

          なんだか懐かしくなって。 最初はそのくらいの軽い気持ちだったんだ。 でもね。  やっとみずき君と再会できた。 みずき君は大学時代の元カレ。 別れた後は連絡も取れなくて、もう忘れていたのに。SNSを見てて偶然見つけた。 そこはまた後日、詳しく書こうかな。 とりあえず。 呼び出したのはとある駅構内のスタバ。  目立つから、来るとすぐにわかった。 「みずき君。やっぱり変わってないね。」 思わず立ち上がって、笑顔になる。でも彼は無表情だった。 「みーな。久しぶりだな。

          みーな . Page 1

          22. 早起き

          2019年11月29日 6:21 なんとなく目が覚める。 まだ心地よい疲労感があって。 昨晩のあなたとの情事を思い出す。 あなたは思い出すかな。 まだ感触は残っているかな。 あなたの中に、俺のものが入っていた感触。 それを激しい動きで味わっていた感触。 「…ダメだ。」 ニヤけて思わず布団で顔を隠す。 だって昨晩のあなたは、とてもとても素敵で。 思い出してまたしたくなって。 次はいつかな。 次は、少し遠くへ出かけて、その後セックスしたいな。 でも贅沢は

          22. 早起き

          21. 寝る前に

          2019年11月28日 23:12 恭子さんと会った夜は よく眠れる。 あれだけしていれば、もうしないよね…? 幸福感 満足感 達成感 充実感 すべてがある。 まだ、思い出せるよ。 恭子さんの中はとても温かかった。 あの動きはとても激しくて。 あなたの肌が吸い付き 柔らかいものが押し付けられて。 憶えてる。 思い出せる。 全部。全部。 恭子さん、恭子さん。 恭子さん。 …恭子さん。 あぁ。 ほら。 あなたにまた。 欲情して…。 また恭

          21. 寝る前に

          20. 今夜のあなたは

          2019年11月28日 22:24 会って。 タクシーで少し離れたホテルへ向かう。 入室すると。 「宗介君。」 後ろから呼ばれて。 「なんですか?」 振り返ると急にネクタイを引っ張られ。 少し屈んだ俺にキスをしてきた。 舌を入れて 絡ませて 強く吸ってきて。 そのままぐいぐい押してくる。 「ちょっ…危ないよ。」 そう言ってもおかまいなしで、ベッドに仰向けに倒された。 俺に跨った恭子さんは、キスをしたまま、自分の下着を脱ぐ。 息は完全に乱れ。 大きな目は、

          20. 今夜のあなたは

          19. 定時にあがったら

          2019年11月28日 11:10 仕事中。 恭子さんからメールが来た。 『今日は定時で終わる?(*'ω'*)』 『その予定です。』 『じゃあ、少し会えないかな?(*^ω^*)』 会えないわけない。 会えるしかない。 会うしかない。 舞い上がる気持ちを抑えて。 『大丈夫ですよ』 なんて。 ニヤける口を左手で隠して。 右手はうまく文字を打てなくて。 でもそんな事は内緒で。 『じゃあさ。18時にいつもの場所で(*´∀`)♪』 『ご飯行きますか?』 少し間があ

          19. 定時にあがったら

          1. それは突然で

          電車を見送った。 たまには、素直に甘えようかな。  ちょっと嫌な事があって。 柄にもなくそんな事を思った。 くるっと向きを変え、駅の出口を目指す。 『伊吹くんに会いたい。会って甘えたい。』 そう思ったんだ。 けど。 そう思ったのが間違いだった。 しばらく歩いて目的地に着いた。 マンションを見上げる。 連絡しないまま来たけど、大丈夫かな? 勢いで訪れた事を少し後悔しつつ、ゆっくりとエレベーターに乗り込む。 2… うん。 彼氏の部屋に行くだけじゃん。

          1. それは突然で

          18. 今朝はひとり

          2019年11月28日 7:37 今朝は一人でコーヒーを飲む。 砂糖とミルク。 少し甘めが飲みたくなって。 静かな空間に落ち着かず、とりあえずテレビをつける。 ざっと新聞に目を通して。 出勤の準備。 寝癖のつきやすい髪が、今日は綺麗にまとまって。 嬉しいはずが。 言う相手がいない事に、少し寂しくなる。 こんな、本当に些細な。 でも嬉しかった事。 わざわざメールで知らせるほどでもない。 些細な 嬉しかった事。 そんな事をさ。 あなたに言ってみたいよ

          18. 今朝はひとり

          17. おやすみ

          2019年11月28日 2:33 『おやすみ』がなかったから しばらくメールを待ってる。 寝てしまったのかな? そんなに眠たくなるまで。 寝る寸前まで。 俺とメールのやりとりをしてくれてたの? そう思うと 嬉しくて。 スマホを持ったまま眠るあなたを想像して。 クスッと笑う。 でも。 違う理由なら。 恭子さん。 あなたはあの人に抱かれているのかもしれない。 どんな顔を見せるの? あの人にしか見せない顔はあるの? 俺は。 見た事ないのかな? あぁ。

          17. おやすみ

          16. 紗希との出会いと、初めての夜

          2019年11月27日 23:11 紗希は。 俺が受け持っているマンションの1つで、フロント受付をしている。 お客様を案内する時、様子を見に行った時。 少し話すようになって。 LINEの交換をしてくれと言われて。 そのうち食事に行くようになった。 「あの、周りからはなんて呼ばれてるんですか?」 「んー?普通に宗介かな。」 「じゃあ、私も…宗介…って呼びたいです。」 「ははっ。いいよ。呼び捨てで。じゃあ俺も紗希って呼ぶよ。」 「うん!嬉しい!」 笑った顔はとても

          16. 紗希との出会いと、初めての夜

          ピエロ

          あぁ。 ここは、君の部屋か。 えーと。 今日で何日目かな…。 薄暗く狭いベッドルームで、ふと目を覚ます。 とりあえず生きてはいるみたいだな。 隣にいる君に背を向けたまま、起き上がってメガネをかけた。 んー。 まだいるのか。あいつ。 俯き髪をかきあげながら、視界の端に映るあいつを見る。 昨日から、見えてはいけないものが。 見えるんだよ。 あいつは手招きして僕を誘う。 薄ら笑いを浮かべて。 なんだか無性にイラッとして、近寄ってみた。 「なぁ。お前…誰?」 もちろ

          15. 早く…

          2019年11月27日 17:30 恭子さん。 あなたに会って。 どこに行かなくてもいい。 ゆったりとセックスして。 『宗介君、愛してる。』 って言ってくれて。 『恭子さん、俺も愛してる。』 って答えて。 ただ 見つめ合って。 何の欲もない ただの 愛情だけのキスをして。 それだけで 俺は 満たされます。 早く会いたいよ。 恭子さん。 もうすぐ会えるかな

          15. 早く…