霧生堂

世界の片隅で由無し事を考えています。 気軽にスキを押していただけると作者がとても喜びま…

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世界の片隅で由無し事を考えています。 気軽にスキを押していただけると作者がとても喜びます。

最近の記事

楽器練習日記 9:ベースの弦交換でひと騒ぎ!

 私は去年の10月にベースを買ってからずっと弦を換えずにいたのですが、弦がべた付いて弾きにくくなってきたのでさすがに交換することにしました。  弦を買ってきてもとの弦を外していくときにそれは起こりました。  6弦から外していき、3弦を緩めたとき、突如ナットが1弦側に勢いよくスライドしたのです。  私は目の前の事態がすぐには理解できませんでした。脳みそが状況を把握してくれないのです。  とにかく弦を全部外すとナットはポロリと落ちました。  ××年前にベースを所有していたとき

    • 楽器練習日記 8:足底腱膜炎が怖い!

       こんにちは、霧生堂です。  今回は音楽から少し離れて健康についての話です。  私はもともと土踏まずがあまりなく、重心が足の内側に寄って行ってしまい、そのせいで昔から色々と悩まされていました。  立っていると足首やアキレス腱、膝の内側に痛みが出てきます。インソールを履くことで緩和されていましたが、インソールがへたってくるとまた痛くなってくるので交換するということを長年続けていました。  ところが数年前のことですが、インソールを交換しても痛みがなくならず、どんどん強まってい

      • 楽器練習日記 7:5度圏(サークル・オブ・フィフス)がすごい!

         私は楽器を練習するのにタブ譜ではなく楽譜を使っています。なぜかというとチャップマンスティック用のタブ譜がないからです。  しかし懸念もあります。みなさんは楽譜の初めに大量の#や♭が付いているのを見たことはないでしょうか。あれは曲の調を表しているのですが、#がいくつ付いているから何調だとか、自分に覚えられるのだろうかという懸念です。  今はまだCメジャーだけなので問題ないのですが、今後そうしたものに取り組んだときに対応できるのだろうか、なにか覚えやすいやり方はないだろうか、そ

        • 楽器練習日記 6:チャップマンスティックのベース部が手ごわい!

           チャップマンスティック(以下スティック)はメロディ部とベース部に分かれていますが、ベース部はベースと同じというわけではありません。  ベースが6弦から1弦に行くにしたがって音が高くなるのに対し、スティックは7弦から12弦に行くにしたがって音が高くなっていきます。  それだけではありません。ベースに比べ、スティックは急激に弦が細くなっている気がしませんか?  そうなんです。ベースが低音弦から4度間隔で弦が張られているのに対し、スティックは5度間隔で弦が張られているのです。

        楽器練習日記 9:ベースの弦交換でひと騒ぎ!

          楽器練習日記 5:チャップマンスティックが戻ってきた!

           そうこうしているうちに11月になり、チャップマンスティック(以下スティック)を預けていた楽器屋から点検終了の電話があり、私はスティックを引取りに向かいました。  スティック本体に問題はなく、専用のY字ケーブルが不調だったとのことで、さっそく新しいものを注文します。  Y字ケーブルが届き、さっそくミキサーにつないでみるとちゃんと音が聴こえてきます。ほっとひと安心です。  しかし半月ほどしたころから、スティックを弾いていると、首筋に千切れるような激しい痛みが出るようになってし

          楽器練習日記 5:チャップマンスティックが戻ってきた!

          楽器練習日記 4:ミュートができない!

           私がベースの練習曲を弾いていたときのことです。弾いているフレーズ以外の音がちょくちょく鳴ってしまうことに気がつきました。  確かめてみると2弦がブォーンと振動しています。  ミュートが甘いのかと気を付けてみると鳴る割合は低くなりますが、なくなるわけではありません。  私のミュートの知識は、弾いている弦より低い弦は右手の親指側面を当て、高い弦は左手のどこかしらの指を当てる、くらいのざっくりしたものでした。  いい機会なのでここできっちりミュートの勉強をしようと思いました。

          楽器練習日記 4:ミュートができない!

          楽器練習日記 3:ベースのトラブル色々

           こうして肩の痛みも軽減されてベースの練習をしていたのですが、あるときこう思いました。  この弦、やたら硬くない?  弦を押さえるのにやたら力がいるし、それに合わせてネック裏の親指も力を込めすぎるせいで腱鞘炎のような痛みが出ています。  そこで私は改めて弦を見てみました。なんだか弦高が高いような気がします。  私はネックに定規を当ててみました。ベースの弦高は4弦で2ミリから3ミリが標準なのだそうですが、どう見ても5ミリ以上あります。  買った店で調整されたのをそのまま

          楽器練習日記 3:ベースのトラブル色々

          楽器練習日記 2:ベースが欲しい!

           こうして楽器屋にスティックを預けた私は選択を迫られることになりました。  スティックが戻ってくる11月までのあいだ、何もせずにおとなしくしているか、それとも練習用に他の楽器を買うかです。  スティックのために色々と買い揃えたので、もうあまり金を使いたくないという思いもあります。  しかし一方で、せっかく楽器欲に火が付いたにもかかわらず無為に時を過ごすというのもきついです。  そこで私は、自分の欲しい楽器が売っていたら買う、それ以外は買わないと決めました。  私の欲しい楽器

          楽器練習日記 2:ベースが欲しい!

          楽器練習日記 1:チャップマンスティックを弾きたい!

           こんにちは、霧生堂です。  前回noteに投稿したのが2023年3月だったので、10か月ぶりの投稿になります。  なぜこんなに間が空いてしまったのかというと、アイディアがまったく浮かばなかったからです。  以来ほぼほぼ無為に時間を過ごしていたのですが、現在私はチャップマンスティックという楽器とベースを弾いています。  チャップマンスティックchapmanstick(以下スティックと略)とは太いネックにピックアップを取り付けた、卒塔婆のような外見の楽器です。  通常のスティ

          楽器練習日記 1:チャップマンスティックを弾きたい!

          【怪談】呪われた家

           これは私が高校一年生のときの出来事です。  その年の夏、私は両親と小学四年生になる弟の四人で、父の実家に遊びに行きました。そこは山あいにある小さな町で、中心部から少し離れるとすぐに田んぼや畑が広がっていました。  父の実家では祖父母と伯父夫婦が同居しており、伯父さんと伯母さんのあいだには何人か子供がいるのですが、成人したり大学進学で都会に出たりして、今家に残っているのは小学六年生の男の子だけでした。末っ子の従兄弟は、弟がきたことを本当の弟ができたように嬉しがっていました

          【怪談】呪われた家

          【エッセイ】宵越しの金を持てなかった話

           中島みゆきは歌っていた。「どんな立場の人であろうといつかはこの世におさらばをする」と。その通りである。われわれはたまたまこの世のこの場所に席を得た過客にすぎない。時がくればまたどこかへ旅立ち、その場所を誰か別の者に譲らねばならない。  それは人に限ったことではない。どれほど大切に保管された貴重な文物といえど、いつかは朽ち果て、消えていく。それはこの世の定めである。それはわたしも重々理解していた。理解していたはずだった。しかしいざ自分がその面前に立たされると、なにも今じゃな

          【エッセイ】宵越しの金を持てなかった話

          【怪談】狸囃子

           これは私の友人がバイクで旅行をしていたときのことです。  山あいの峠を走っていると、不意に祭り囃子が聞こえてきました。不審に思った友人がバイクを止めて耳を澄ますと、確かに小さく、風に乗ってお囃子が聞こえてきます。  こんな山のなかで祭りとは奇妙だ、どこでやっているのだろうかと辺りを見まわしました。すると、峠から外れるようにして細い道が分かれています。  こんなところに道があったのか、どこへ続いているのだろうかと調べてみると、その小道は目的の町の近くにつながっています。

          【怪談】狸囃子

          【怪談】壁の染み

           私の通っていた高校には、七不思議というものはありませんでしたが、どうしてもおかしい、ひとつだけの謎がありました。  校舎の二階から三階に上がる階段の踊り場に、天井と壁のあいだから赤茶けた水のしたたった跡がありました。  天井と壁のあいだに隙間はなく、これはどこから入ってきたのだろうと、生徒たちは不思議がっていました。  一度、夏休み中に塗り直されたことがあったのですが、いつの間にか、同じように濡れた跡がついていました。  外壁にひびが入っているわけでもなく、外から水が入っ

          【怪談】壁の染み

          【怪談】響く音

           私は、とある商業施設で警備員をしています。そこは商業棟と駐車場棟が隣接して建てられており、警備員の詰めている防災センターは、商業棟の地下一階にあります。  その防災センターにいると、たまに、ドンッというコンクリートを激しくたたく音が聞こえてきます。私もいまでは慣れてしまいましたが、初めて聞いたときはずいぶんと驚いたものでした。  それは夜の八時過ぎのことでした。そのとき私は同僚二人と話していたのですが、突然響いたその音に、思わず口をつぐんで顔を見合わせました。防災センタ

          【怪談】響く音

          【怪談】押し入れの中

           私の知り合いにAさんという人がいました。Aさんは派遣社員として工場で働いていましたが、不況のあおりを受けて解雇されてしまいました。その後別の仕事につきましたが、給料はそれまでよりも下がってしまいました。アパートの家賃の支払いもきつくなり、もっと安いところを探していたところ、その物件が目に入りました。  そのアパートは築年数も新しく、それでいて家賃はずっと安くすみます。それどころか周辺のほかの物件に比べても格段に安く、Aさんはなにかあるのではないかと不安になりました。不動産

          【怪談】押し入れの中

          【怪談】冷たい部屋と熱い二人

           私は不動産管理会社に勤めている二十代男性です。  十月のある日、私が営業所で事務仕事をしていると、同僚のHから声をかけられました。Hと私は同期であり、馬が合っていたのでよくつるんでいました。  Hは次の土曜日の夜、暇かと訊いてきました。私が暇だと答えると、事故物件の調査に行かないかと誘ってきました。どういうことかと詳しく訊くと、Hの担当しているマンションの一室に幽霊が出るため、入居者が次々と退居してしまい、居つかないとのことでした。長くても半年、大体は二、三か月で出て行

          【怪談】冷たい部屋と熱い二人