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三人展《シェイクスピアの妹たちの部屋》|展覧会のご案内

 ヴァージニア・ウルフ『私ひとりの部屋』から
着想した展覧会を開催致します

本展メインヴィジュアル/DM

オンライン開催
at
MAUVE CABINET

霧とリボン実店舗は休業中のため
ご入場頂くことはできません

 ヴァージニア・ウルフは『私ひとりの部屋(1929)』の中で、女性ゆえに詩人になれなかった架空の「シェイクスピアの妹」が実は連綿と女性たちの中に生き続け、一世紀後、経済と精神の自立を得ることで蘇るであろうと語っています。
 出版からまもなく一世紀——私たちが「シェイクスピアの妹」として連なり、未来へと繋げてゆくためのちいさな時の結び目になれるよう願いを込めて、本展を開催致します。

 精神的自立の象徴である「部屋」に焦点を当てた本展では、三人の気鋭のアーティストによるイラストレーション、ビスク作品、フランスアンティークが飾られ、「書斎」から「ティルーム」「ブドゥワール」「屋根裏部屋」へと姿を変えてゆくひとつの部屋の風景を、鮮やかなエッセイと共にお届け致します。

 外の冒険から帰ってきた心身を休め、お気に入りのものに囲まれてノンシャランに過ごし、自分自身の世界観を育て、自立する精神や美意識を養い、自分を守ってくれる場所である「私ひとりの部屋」が、人を招き入れ、歓待し、人と繋がる精神の交差点となる「私たちの部屋/シェイクスピアの妹たちの部屋」へと広がってゆきますように——パンデミックにより孤立が続く中、本展が今を生きるシェイクスピアの妹たちが行き交う場になれましたら幸いです。


 パリの街を歩きながら、アンティーク品をひとつひとつ選び抜く確かな審美眼。そうして蒐集した記憶の欠片を組み合わせて、ひとつの物語を作り上げるエスプリ。過去、現在、そして未来へ——海を渡って届いた、時を繋ぐアンティーク品が部屋部屋を飾ります。自ら撮影した美しい写真と品々の物語を伝える自作解説にご期待ください。

アンヴァンテール|フランスアンティーク(2022)

アンヴァンテール|フランスアンティーク&ブロカント店 HP
遠い昔の誰かの記憶を感じる物語性のある佇まいに魅了され、2008年より福岡とパリを行ったり来たりしながらアンティークを集めています。

 ジェンダーのあわいを揺れ動く面差しを卓越のビスクドール技術で表現。記憶を託し、私たちの分身として部屋を守る人形という存在の不思議を探ります。人形から派生した、ビスクパーツを使ったオブジェやアクセサリーの斬新も見どころです。

Miss Moppet Dolls|Judith A/Judith B(2022)

Miss Moppet Dolls|人形作家 →Twitter
2013年よりビスクドールの制作を始める。2017年より恋月姫人形教室「銀の翼」在籍。2018年、2019年、Silent Music「祈りの光」展。2020年、2021年、霧とリボン「アブサンの文法」「少女の聖域」展ほか、グループ展参加多数。

 色彩と描線のモダニティが紙の上で舞うイラストレーション。そこから聞こえてくる、自身の感性に誠実に生きる女性たちの息遣い。彼女らが過ごした部屋の物語に耳を寄せ、受け継ぎ、今の時間を重ねて、新しい冒険へと繰り出しましょう。

花モト・トモコ|Black Rose(2019)

花モト・トモコ|イラストレーター →HP
千葉大学卒業後、イラストレーターとして活動。 自ら彩色やドローイングを施した様々なマチエールの紙を用いて制作する切絵作品が特徴。ディテールにこだわった作品は独自のセンスと世界観が魅力。カッシーナ・イクスシー、三越伊勢丹、高島屋、アトレなどの広告、FIGAROjaponなどのファッション誌、ブランドとのコラボによるロゴやパッケージ、ディスプレイや動画など幅広く手掛ける。2022年3月11日ー3月20日、東京妙案ギャラリーで個展を開催。最新作のイラストレーション約40点を発表予定。
Instagram | @hana_fleur_tokyo


 ドナルド・キーン特別賞(2020年)に輝いた『源氏物語 A・ウェイリー版』圧巻の姉妹訳と、ヴァージニア・ウルフ『波』の瑞々しい新訳で名高い詩人・翻訳家の森山 恵さまのエッセイが、本展の幕開けを飾ります。
 紫式部からウルフへと続く訳業の中から、時空を超えて脈々と連なる両性具有の精神の糸を手繰り寄せて、その糸を身体という針に通し、現代という布に美しい刺繍を施す森山さまの精緻な創作活動。その流麗なひと針を、本展へと投じて下さいます。
 今を生きるシェイクスピアの妹たちへ——春の訪れと共に森山さまから届くひとひらのメッセージを鍵に、未来へと続く部屋の扉を開けて、ひととき共に過ごすことができましたら幸いです。

ヴァージニア・ウルフ『波[新訳版]』森山 恵 訳|早川書房(2021)

森山 恵|詩人・翻訳家 →blog
東京生まれ。詩集に『夢の手ざわり』『エフェメール』(ふらんす堂)『みどりの領分』『岬ミサ曲』(思潮社)。訳書に『源氏物語 A・ウェイリー版』(全4巻、左右社、毬矢まりえ共訳)。同書にて2020年ドナルド・キーン特別賞。2021年ヴァージニア・ウルフ『波〔新訳版〕』を早川書房より上梓。そのほか新聞、雑誌に評論、エッセイ、書評など。


 霧とリボン企画のオンライン展覧会で活躍中の三人の執筆者がアーティスト作品をご案内致します(アンヴァンテール様のみ自作解説になります)。書斎からティルーム、ブドゥワールから屋根裏部屋へ──それぞれが独自の切り口で部屋の風景を鮮やかに描写します。

嶋田青磁『翼の在りか』(2021)

嶋田青磁|詩人・フランス文学修士課程在籍 →note
学部在学中にピエール・ルイス『ビリティスの歌』に出会い、詩の魅力に憑かれる。19世紀末の頽廃・優美さを求め、研究の傍ら詩作活動中。霧とリボン運営のオンライン上のストリート「モーヴ街」では、図書館「モーヴ・アブサン・ブック・クラブ」にて司書をつとめている。

トークサロン「少女の聖域」リーフレット(2019)

高柳カヨ子|精神科医・元法医学教室助手・少女批評家 →note
東京上野で生まれ育ち、東京理科大学理工学部応用生物科学科・信州大学医学部医学科卒業。法医学教室でDNA鑑定を専門とした後、精神科の臨床に進む。Bunkamuraギャラリー「新世紀少女宣言」キュレーション/『夜想ーゴス特集』インタビュー/『夜想ー少女特集』評論/『S-Fマガジンー伊藤計劃特集』アーバンギャルド論/パラボリカ・ビス「アーバンギャルド10周年記念展」キュレーション/gallery hydrangea 「『少女観音』~12人のアーティストが描く篠たまきの幽玄世界」キュレーション。
あらゆる時代と時間を超えた少女たちに捧げる少女論「少女主義宣言」をnoteにて連載中。霧とリボン運営の会員制社交クラブ《菫色連盟》にてトークサロン「少女の聖域」を主宰、「少女性」をテーマに展覧会《少女の聖域》を定期開催している。

サロン「香水談話室」リーフレット&ムエット(2019)

ヨネヤマヤヤコ|イラストレーター・ライター →Blog
香りの世界を偏愛するイラストレーター兼ライター。カルチャー・ソロリティ《菫色連盟》にてサロン「香水談話室」を主催。現在はモーヴ街6番地にあるブライオニー荘に隠匿中。
Twitter|@yoneyacco


 霧とリボン実店舗に実際に作品を展示、会場風景や作品紹介を会期中毎日オンライン配信する展覧会の開催方法です(2/15休)。*霧とリボン実店舗へご入場頂くことはできません。
 
一日につき、4〜5つの作品紹介記事をここnoteより配信します。それぞれの部屋の扉を開けて、ゆっくりとくつろぎながら、作品鑑賞とエッセイをお楽しみください。

 アーティストと執筆者のお声をお届けすべく、展覧会テーマに即した共通の質問に答えて頂く恒例の「Artist’s Tiny Letter」を配信します。

 本展では、プレゼント企画として皆様からもTiny Letterをツイッターにて募集中です(2/17・23:59締切)。ご回答はここオンライン・ギャラリーに掲載致しますので、ぜひお声をお寄せ下さい。共に「シェイクスピアの妹たちの部屋」を作り上げることができましたら幸いです。

 作品販売は霧とリボン オンライン・ショップ(下記バナー)にて。販売期間は【2月19日(土)23時〜21日(月)23時】の3日間。作品掲載は展覧会初日2/13〜となります。*先着順販売・通販限定

 
BASEサイドのメンテナンスのため【2/21(月)2:00〜6:00のみ】オンラインショップへのアクセスができませんのでご注意願います。

 2022年、霧とリボン企画の最初を飾るオンライン三人展「シェイクスピアの妹たちの部屋」へ、どうぞお立ち寄り下さい。

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