希央

アニメーション映画を見ることが好きです。作品に対するエッセイ記事が中心です。 あくまで…

希央

アニメーション映画を見ることが好きです。作品に対するエッセイ記事が中心です。 あくまでも暇つぶし程度に読んでくださいね!

最近の記事

夢でも現実でもなく「幻」となった北海道移住

目の前で起こっているできごとに対して、現実感が全くない。 何か悪い夢を見ているようだ。 しかし、いま起こっていることは全て現実。 その現実に対して喜怒哀楽の感情は全くもって湧かない。 あるのは、チャンスをものにできなかったことに対する喪失感と、 このような現実になったことに対するショックのみ。 北海道旭川市。 人口は約30万人以上で、北海道内では札幌に次ぐ第2の都市である。 私は旭川市の隣町に移住して、仕事をする予定だった。 都市と自然が調和しており、日常生活を送る分には

    • 東京というふるさとを失って、地方移住するのが悲しいという意味わからない話

      移住を志しているあなたに一つの問いをおおくりしたい。 その移住、なぜしたいんですか 移住を止めようとするつもりは全くない。 この記事を書く目的はひとつ。 私が移住時に抱いた「喪失感」を共有することで、移住前後に「嘆き」の感情を抱く人を減らしたいと思っているからだ。 20年以上住んだふるさと「東京」を離れるということは… 私は生まれてから20年以上、ずっと東京で暮らしてきた。 しかし明日、東京から北海道旭川市の近隣へ移住する決断をした。 今日、市役所へ行って転出届を提

      • なぜ、ホークスが好きで応援するのか。

        「野球を見るのが好きなんです」 と、初めて出会った人に話すことがある。 だがこの言葉は、自分自身が好きなことを単純明快に表しているに過ぎない。 「ホークスの試合を見にいくのが好きです」 これが正確な表現である。 3月に行われたWBCでは、日本代表の優勝で大いに盛り上がった。野球好きだけではなく、多くの日本国民が中継を見たと思う。 だが、自分自身はほとんど試合中継を見ていない。 それはホークスの試合ではないから。 もちろん日本代表が勝利すれば嬉しい。だが、ホークスの試合ではな

        • 宣伝会議「第44期編集・ライター養成講座」を受講しての所感 ー仮説は当たっていた

          本記事は私自身が受講している「編集・ライター養成講座」(以下ライター養成講座)に関する日記である。 受講までの経緯私は2019年春に大学に再入学した。都内某所での入学式に参加してからまもなく4年が経過する。卒論のコンセプトを提出していよいよ来年度から4年生だという実感が湧いてきた。 その一方、自分は就職できるのだろうかという不安感は日々増している。 私がいま仕事を選ぶにあたって2つのテーマを設定している。それは「場所」と「書く」ということである。 「書く」というテーマで仕事

        夢でも現実でもなく「幻」となった北海道移住

        • 東京というふるさとを失って、地方移住するのが悲しいという意味わからない話

        • なぜ、ホークスが好きで応援するのか。

        • 宣伝会議「第44期編集・ライター養成講座」を受講しての所感 ー仮説は当たっていた

          サイダーのように言葉が湧き上がる —ことばの復権

          作品前半部を見ていたときは「この作品の着地点はどこにあるんだ?」と思っていましたが、エンドロールに差し掛かるにつれて「あ、なるほどそういうことか」と思ったのが率直な感想です。 今回は少し短めかもしれません。 感性の言語化発信ツールは時代を越境し、融合するインターネット全盛時代における、ことばの存在意義 まとめ ・感性の言語化 本作の主人公は男子高校生のチェリーである。チェリーは俳句創作を得意としており、文学少年と呼ぶに相応しい存在であろう。その反面自ら発言することに苦慮し

          サイダーのように言葉が湧き上がる —ことばの復権

          竜とそばかすの姫【作品における4つの特性】

          みなさんこんばんは。 アニメ映画の夏がやってまいりました!公開から2日経ってしまいましたが、本日細田守監督「竜とそばかすの姫」を鑑賞してきましたので、自分自身の振り返りも含めて簡潔かつ速攻的に分析を行ってみたいと思います。 なお、完全にネタバレを含みますので、鑑賞されていない方はご注意ください。 1・ユートピア本作の冒頭ではインターネット上に存在する仮想世界「Uの世界」を概観するシーンから始まる。この曲の格好よさと映像の世界観によって多くの観客は「Uの世界」へと誘われるだろ

          竜とそばかすの姫【作品における4つの特性】

          大学生はなぜ群れるのか ー幾多の目的を果たす手段としての友達ー

          近頃大学へ行くと、しきりに考えることがある。 「大学生はなぜ必死に友達を探すのだろう」 単純かつ漠然とした疑問であるが、私の通っている大学は通信制過程も設けられており、幅広い年代の在学者もし現役学生同様、しきりに出会いを求めているのだ。友人から聞いた話ではあるが、中高齢層が若年層に対して友達になろうと頑張って話しをする姿も見受けられるそうだ。 この点に対する私の率直な印象としては「大人気ない」「気持ち悪い」という言葉に尽きる。 大学は研究・教育機関であり、友達作りのためのコ

          大学生はなぜ群れるのか ー幾多の目的を果たす手段としての友達ー

          憧れの人にお会いしてきた話

          今日はアニメーションの話ではなく、個人的なお話をしたいと思います。 タイトルに「憧れの人」と書きました。みなさんにとっての憧れの人はどんな人でしょうか。きっと様々な人がいることでしょう。 私にとっての憧れの人は何人かいますが、今回ご紹介する方は「少し変わった人」と言っても過言ではありません。(もちろん、良い意味でです) その名はモカさんです。 モカさんについて モカさんは元男性で現在は女性のトランスジェンダー。 著書のタイトルから読み取れるように、この方は一度自殺を図っ

          憧れの人にお会いしてきた話

          天気の子 [青少年からみた社会と現実]

          先日、新海誠監督最新作「天気の子」を鑑賞しました。 圧倒的な映像美はもちろんのこと、ストーリーも申し分のないものでした。 先日の記事で私は「映画レビューを書くのは苦手、天気の子の記事はしばらくしてから書く」などと書きました。けれど想像以上に多くの発見があったため、今回記事を投稿することとしました。 なお、本記事は基本的にストーリーを読み解くことに重点を置いているのでいわゆる「ネタバレ」を含んだ記事です。 まだ鑑賞されていない方はなるべく鑑賞してから本記事を読むことをお勧めい

          天気の子 [青少年からみた社会と現実]

          勉強が大嫌いだった。けど・・・

          こんにちは。久々の更新となりました・・・。 今回はアニメーションの話から1度離れて、自分自身の話を少しだけしてみようかなと思います。ブログというか、エッセイというか...自由気ままに文章を書きたくなって投稿してみます。 ・・・ 中学校時代に時を遡ります。 私はクラスメイトの中で一番と言っても過言ではないくらい、勉強が嫌いでした。そうなってしまった理由としては、少人数クラスの小学校から大人数の公立校ヘ行った環境変化、クラスの人からちょっとした嫌がらせにあっていたこともあった

          勉強が大嫌いだった。けど・・・

          大魚海棠 [幸せと決断]

          前回に引き続き中国のアニメーション映画”大魚海棠”の記事を投稿します。 以前、故 高畑勲監督作品に関する記事で「幸せ」を題材にしたエッセイを多数投稿しました。この記事でも主人公”椿”の「幸せ」を題材に椿が下した「決断」について深く掘り下げ考察したいと考えています。 (記事ネタがそれ以外にスッと思い浮かばなかったのは内緒) この記事にはネタバレも含みますので、まだ鑑賞されてない方でそういうのは嫌!という方が居ましたらこの記事を読む前に必ずNetflixへアクセスして下さい

          大魚海棠 [幸せと決断]

          大魚海棠 [視覚的な印象]

          2016年中国で大ヒットを誇ったアニメーション映画「大魚海棠」が先日よりNetflixで公開が始まった。Twitterにて情報を知った私はすぐにNetflixに会員登録して早速この映画を鑑賞した。 日本のアニメを中心に見てきた私。中国のアニメの印象といえば正直、日本アニメ程のクオリティーは無いのではないか。そう感じていた。しかし、そんな印象は開始早々にして一瞬で消え去った。ただ夢中で見続けた。  「中国にはこんなにも素晴らしいアニメーション映画があるのか…」私は思わず度肝を

          大魚海棠 [視覚的な印象]

          スタジオジブリが描く学生生活

          スタジオジブリの映画が世界中で愛されている理由は数多くある。物語や登場人物に関する評価は当然高い。しかし私は手書き風の絵や、緻密でありながらもどこか自然体である背景描写やレイアウトなど、描写に関するクオリティの高さの評価が一番高い。 その中でも「学校」の描写が大好きである。 私は”耳をすませば”が大好きで、週1回は必ず鑑賞している。物語の内容が好きなであることはもちろん、私が生まれ育った場所「多摩」が舞台であることから親近感が湧くなど様々な理由はあるが、今回は「忠実に描か

          スタジオジブリが描く学生生活

          魔女の宅急便 [幸福になりたい少女キキ]

          スタジオジブリ作品の代表作の1つである魔女の宅急便。この作品の世界における「魔女」は決して華やかな存在ではない。 宮崎駿監督はこう述べている。 「キキは幸福になりたい少女なんです」(アニメージュ1989年8月号より) 魔女であっても、キキは地球上において決して特別な存在ではない。 どこにでもいる普通の少女である。 キキにはあって、普通の少女にはないもの。それはホウキを使って空を飛ぶことが出来るということだけだろう。彼女は普通の女の子と同じように様々な経験をしながら、

          魔女の宅急便 [幸福になりたい少女キキ]

          かぐや姫の物語  [幸せと価値観]

          「姫」と呼ばれる女性を思い浮かべてほしい。 「絶世の美人・美しい着物を着ている・大きな御屋敷に住んでいる・高貴の殿方と結婚し幸せに暮らしている。」など華やかな女性というイメージがおそらく強いのではないだろうか。 かぐや姫も視覚的に捉えるとそのイメージ通りの姫である。しかし、根本的に違う所があった。それは「不幸な姫」であるということ。 そもそもかぐや姫は人間ではない。月の民である。 月の民であるかぐや姫は地球上においてなぜ幸せになれなかったのか。 かぐや姫にとって本当

          かぐや姫の物語  [幸せと価値観]

          おもひでぽろぽろ [幸せと理想]

          1991年に劇場公開された高畑勲監督作品「おもひでぽろぽろ」 原作は岡本螢・刀根夕子作の漫画である。 この物語の主人公は、27歳と10歳「2人の」岡島タエ子。 27歳のタエ子は大学卒業後、都内の企業でOLとして働いている。まだ独身だ。対して10歳のタエ子は小学5年生。3人姉妹の末っ子。作文が得意で算数が苦手。末っ子特有の、わがままな性格の持ち主だ。 [あらすじ] 1982年夏、タエ子は10日間の休暇を取り、山形の田舎へ出かける事にした。姉 ナナ子が結婚したおかげで東

          おもひでぽろぽろ [幸せと理想]