勇者と魔王と聖女は生きたい【93】|連載小説
あーでもない、こーでもないと話し合った僕らだが、やはり結論や閃きが出てくるわけでもなく、情報の共有や自分の考えを話すだけで終わってしまった。
「でも、知恵を出し合うのはいいですね。エルにも話してみましょう」
「そうだね。きっと僕たちとは違う視点を持っているはずだ」
そろそろ朝食の時間だろう。
部屋に戻ろうと声を掛け合い、壁画の前から離れる。
「アイシャ、行きましょう?」
僕たちが離れても、壁画の前から動かないアイシャにティアが声をかける。
ようやく僕たちのもとに駆け