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私の経営改革系ITキャリア

こんにちは、きんきんです。

私は21年間IT業界で一貫して経営改革系(経営改革のための企業事務効率化・データ可視化)のITソリューションに関わっています。米系ITサービスベンダー、日系コンサルティングファームを経て、現在は日系製造小売業の社内ITでマネージャーをやっています。

その経験に基づき、こんな記事を書いています。

私は総合ITサービスベンダーに新卒入社後、企業の会計業務やSAP(基幹業務パッケージソフト)のスキル・経験を着実に身につけグローバルプロジェクトなども含め活躍できるようになったものの、どこかで「自分がやっている仕事が本当にクライアントのためになっているのか?」という疑問を長年抱えながら仕事をしていました。そこでコンサルファームに転職したものの自分のコンサルとしての在り方に疑問を持ち転職を決めました。現在3社目である事業会社(製造小売業)に転職しそこでようやく「自分の仕事が社会のためになっている」という充実した実感を持ち働けているのが実情です。

キャリアにおいて何を満たせれば充実感を得られるか?というのは個々人の価値観によりますが、私の場合に今までどういうキャリアを歩み、どんな名悩みに直面してきたか?というのを記事にしてみましたので、本業界で同じようなキャリアの悩みを抱えられている方は宜しければ参考にしてみて下さい。

1社目:米系総合ITサービスベンダー

2000年    新卒入社
座学研修終了後、文系学部卒業でしたがひーひー言いながらJavaプログラミングのOJTなどやりながら半年過ごし、その後「ERP事業部」という事業部に配属。SAPという業務パッケージソフトの研修でスキルを身につけて来いと言われ、私が参加したのが会計モジュール(FICO)のコースでした。それがきっかけで「会計系」「SAP」というその後長期のキャリアが決まったのですから、人生わからないものです。

2001〜2006年   クライアント企業数社のSAP会計モジュール導入プロジェクトに参加
SAP研修でシステムの標準機能や設定方法を身に着けた後、実際のクライアントプロジェクト(PJ)に参加しながらSAP会計モジュール導入の実践経験を積む。重工業メーカー、自動車メーカー、海運会社など1社平均1-2年程度のプロジェクト4社程度にアサイン(配属)され、SAP導入の経験を積むことができました。

2005〜2008年   米国公認会計士(AICPA)の試験勉強と4科目合格
仕事において会計業務に関する知識が乏しいため、会計知識の底上げをしたいという思いが募ってきました。英語力の底上げも図りたいということで、米国公認会計士の専門スクールに入学しそこで勉強をすることにしました。PJワークの合間の勉強でなかなか進みも悪かったですが、3年かけてライセンス取得に必要な4科目に合格できました。実際会計士として監査法人で働くことは特に考えていなかったので、会計と英語の知識の底上げにより仕事がやりやすくなったというのは大きな成果でした。

2009〜2016年     クライアント企業数社のSAPグローバル展開PJに参加
この時期クライアント企業の中で「SAPを日本国内だけでなく、海外の現地法人に展開する」という動きが活発化したため、グローバルPJに参加する機会が増えました。フランス、中国、台湾、香港、タイ、マレーシアなど海外出張・赴任など世界中を飛び回る生活を通じ、グローバルPJ専門家としての経験を積むことができました。英語×SAPができるとこのようなPJにもアサインされやすく、市場ニーズに合ったスキルをしっかり身につければ食い扶持に溢れないものなのだなと強く実感した次第です。

ところで、その経験を通じ、2012年にマネージャーに昇進し、給与水準もそれにつれて上がりました。この後の項目で私のプロモーション観について書きますが、この後現在に至るまで私のキャリアを通じて「マネージャー」より上に上がることはありません。この時は仕事に打ち込んだ結果マネージャーとして認められ昇進しましたが、その後は会社の仕事に対する疑問を感じ続けていたこともあり、あまりプロモーションに興味が無く、この会社、次の会社を通じプロモーションはありませんでした。

2016年     某巨大企業の大規模業務刷新PJに配属されたことをきっかけに転職を考え始める
グローバルPJへのアサインが一段落し、地方の某大規模製造業会社のPJにアサインされました。それまでの仕事と異なり超大規模PJチームであったことによる身動きの取りづらさ、自分が売りとするSAPやグローバル経験が必要とされないポジション配属に疑問を抱いたというのもあります。そのような雑多な疑問をきっかけに、「この会社にいる限りクライアントが抱える課題はITソリューション導入でしか解決できないが、もっと自分の経験を活かし、業務に深く入りこんで解決することができないか?」という本質的な自分と仕事の関わり方について考え始め、転職活動を始めます。

2016年     転職活動開始
転職活動を始めたわけですが、その会社探しの基準として、上記の「業務に深く入り込める」に加え、以前からの夢であった海外赴任の可能性というのを含めました。そのため、日本人が海外赴任するチャンスの無い外資を候補から外し、数は少ないですが日系企業を対象に転職活動を行いました。とある日系コンサルファームに前職の同僚が在籍かつ海外赴任していたため、その人の上司とうまく繋がり会話もはずんだことから、無事に海外赴任前提で採用が決まりました。

2社目:日系コンサルティングファーム


2017年 中途入社
入社早々、早速希望通りにタイ現地法人に赴任になり、タイで活動している日系企業現地法人の業務・ITの改善支援のためのコンサルティングサービスに従事することになりました。業務への深い入り込み、海外赴任共に自分の希望通りの仕事にアサインされ転職成功とも言える状況ですが、ここで1社目で経験したことのない問題が発生します。

業務・ITの改善支援という前職と似たような仕事であるにも関わらず、ITサービスベンダーで働いている時と全く異なるマインドセットや仕事への姿勢が要求されていることに当初気づかず、いつの間にか上司やクライアントとの軋轢が生じたのです。そして前職で極めて良好な人間関係に囲まれていた自分はその状況に適応できず、一時期メンタルを病むことがありました。
(参考までにその時のことはこちらの記事↓に書いています)

その後は周囲の支援もあり2年ほどタイで業務を続け、適性は弱いながらも、業務コンサルしてのマインドやお客様とのコミュニケーションの仕方など数多くのことを学ぶ機会を得られました。

ちなみにコンサルとして必要な資質やその逆にコンサルに合わない人の特徴についてはこちらの記事を書いておりますので、ご参照ください。

2019〜2020年   上記の業務不適応もあり、自分から希望してタイから日本に帰国しました。その後日本でSAP導入支援プロジェクトに参加しますが、そこでもマインドの違う上司と軋轢が生まれメンタルで問題を抱えたため、会社が合わないと悟り転職を考えます。以前から外部の立場でクライアント企業に関わることについて「本当に自分の仕事がクライアントや社会のためになっているのか?」という疑問を持ち続けたというのは前述の通りですが、それを解消するためには事業会社で自社事業の経営に深く関わるべきと考え、事業会社中心に転職先を探しました。ラッキーなことに、前職の同僚が在籍していたとあるアパレル製造小売業にポジションが残っており、無事に転職することができました。

3社目:事業会社(日系製造小売業社内IT部門)


2020年〜 社内IT部門の会計業務チームのマネージャーという立場で入社
グローバルのグループ傘下各社へのSAP展開、既に導入済みSAPの運用保守、グローバルの会計業務改革のIT面での支援などに携わることになります。非常にアグレッシブかつスピーディな社風の中で、自分の経験・スキルを活用しながらビジネスや業務改革に貢献していくことにやり甲斐を感じ、今度は転職成功と実感することができました。

私のキャリア構築に関する考え方


この業界はもともと外資中心に発展したこともあり、キャリア構築の考え方として「会社内や転職を通じ少しでも上位グレードに上がり(プロモーションをし)給与を上げること」が一般的です。もちろんそれを否定することはしないもの、私自身はITサービスベンダーやコンサルファームで働く中で長年「本当に自分の仕事がクライアントや社会のためになっているのか?」という疑問を抱き続けていたこともあり、プロモーションメインのキャリア観に疑問を抱き続けてきました。その試行錯誤の経緯が、上記の私のキャリアに反映されています。

もちろん、この業界の一般的なキャリア構築の考え方である「経験と実力を積んで上位グレードにプロモーション」というのが悪いと言うわけではありません。仕事を通じより大きなことを成し遂げるためには、会社において自分の影響力を拡大することが必要で、その手段としてプロモーションは不可欠です。

ただし私の場合はITサービスベンダーやコンサルファームでより大きなことを成し遂げたいと思えず過ごしその結果マネージャー以上に昇進することもありませんでした。それと同じように世の中全ての人が同じような考えではないと思っていますし、特に若手の人で「とにかくプロモーションしコンサル会社のパートナーやMDがゴール」という考え方に違和感を持っている人もいるかと思いますので、そういう人に一つのキャリアの考え方としてこの記事を読んで頂けると幸いです。 

拙い文章をこれまで読んで頂きありがとうございました。もし同様の悩みを持っている方がいれば是非参考にして頂きたいという一心で今回この記事を書いてみました。この記事が少しでもお役に立てるのであれば私としても嬉しいです。もしご不明な点や他に知りたい点などありましたら、noteにリンクしてあるtwitter (@kinkin2000) にご連絡下さい。

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