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コンサルとして伸び悩んでいる人の特徴とキャリアチェンジ(転職)の考え方

こんにちは、きんきんです。

本記事は「現在コンサルファームで働いているが活躍できず伸び悩んでいる人」「これからコンサルファームへの転職を考えているが、活躍できるか自信が持てない人」に読んで頂きたいです。

私は21年間IT業界で一貫して経営改革系(経営改革のための企業事務効率化・データ可視化)のITソリューションに関わっています。米系ITサービスベンダー、日系コンサルティングファームを経て、現在は日系製造小売業の社内ITでマネージャーをやっています。

私は上の記事でも書いた通り、ITサービスベンダーからコンサルティングファームに転職しましたが、仕事でうまく活躍できない時期がありメンタルを病んだこともあり、コンサルタントとしての適性について疑問視しました。もちろんコンサルとして自他共に評価される部分もありましたが、外部の立場からでなく内部から事業そのものに深く広く入り込みたいという別の理由もあり、結局コンサルファームを辞めて最終的に現在の事業会社IT部門に転職しました。おかげで現在は大きな充実感を得ることができています。そんな私が実体験に基づき、コンサルタントとしての適性とは?について書いたのが本記事となります。

■本記事における「コンサルティングファーム」とは?

本記事のコンサルファームとは以下の会社を想定しています。
総合コンサルティングファーム(デロイト、PwC、EY、クニエなど)
経営・業務で発生する各種課題を解決するためのコンサルティングサービスを提供

一方で私はコンサルファームとして分類していませんが、AccentureやIBMなどの外資系総合ITサービスベンダーもコンサルファーム的な要素を持っているため、記事内容が当てはまる可能性もあることご理解下さい。

会社分類について、詳しくは以下の記事をご参照下さい。

コンサルファームというのは今の世の中的にも需要が多く大量に採用を行っており、ピュアIT系の会社からも人材が数多く流れ込んでいます。一方でコンサルタントという仕事は万人に合う仕事ではなく、自分がその仕事に適応できるのか?注意して転職を考えないと、活躍できずメンタル面で苦労するため注意が必要です。

そこで、そもそもコンサルタントに求められる資質とは何かを明確にした上で、それに合わないケースについて記述してみたいと思います。

■コンサルタントに求められる資質とは?

私の定義ではコンサルタントとは「クライアントが抱える経営・業務上の課題を解決する支援を提供する」人です。そして課題解決には以下のステップが求められます。

コンサルの課題解決ステップ
1. 何が本質的に解決すべき課題なのかを的確に把握
2. 把握した課題について最短距離での解決策を提示
3. 解決策を即実行

コンサルタントに求められる資質は端的に言えば、上記の課題解決ステップを的確かつスピーディに実施できること、となります。

但し、その資質について説明するよりは、コンサルに向いていない人がどういう行動を取りがちか?という形で説明する方が、伸び悩みを感じている方にはわかりやすいと思います。以下にその形式で説明します。

■コンサルに向いていない人が取りがちな行動様式

前述の「コンサルの課題解決ステップ」3つに照らし合わせる形で、コンサルに向いていない人が取りがちな行動を記述してみます。(カッコ内はその原因としての不足している意識・スキル)

1. 何が本質的に解決すべき課題なのかを的確に把握
  --> クライアントから提示された事象の表面だけしか捉えず、その表面的な事象の除去に取り掛かろうとする(当事者意識や想像力の欠如、視座の低さ、経験不足など)

例:クライアントは在庫現物とシステム上の数量が一致することを要求しているのに、システム上の些細な数量表示不備(符号の間違いなど)だけを修正しようとする

2. 把握した課題について最短距離での解決策を提示
  --> 解決すべき課題についてシンプルに原因・解決策を整理することができない(ロジカルシンキング欠如、地頭力の弱さ、経験不足など)

例:在庫現物とシステム上の数量が不一致の場合に、まずは原因についてMECEなどのロジカルシンキングの概念を活用し「在庫現物」と「システム」の2つに要素分解すべきところ、複雑に考え過ぎて5つに要素分解し訳がわからなくなる

3. 解決策を即実行
  --> 導かれた解決策から取るべきアクションは明確なのに、アクションを即実行せずに留保したままにする(使命感・実行力の欠如、自分の役割に固執など)

例:在庫現物に関する解決策として、クライアントの在庫管理部が物流部に対し即座にこういうアクションを取るべきと策定したにも関わらず、クライアントに解決策実行を働きかけない。それは自分の役割でないと、及び腰になる

もしコンサルとして仕事をされている人で、イマイチ仕事で成果が上がらず、上司・同僚やクライアントからの評価が芳しく無いという人は、自分が上記のような行動様式に陥っていないか?チェック頂くと良いかと思います。

■もう一つコンサルとしての重要な資質「ポジティブな影響力」

それと上記の行動様式に加え、コンサルとして活躍するのにもう一つ重要なファクターとして「自分のポジティブな影響力を発することで周囲に動いてもらえる力」というのがあると考えています。これは少し説明し辛いのですが、要は的確なコミュニケーション能力やコンサル自身のキャラクターを活かし、周囲を動かすことができる能力のことです。

課題の正確な把握、解決策立案・実行、全てのステップにおいて、周りから情報を引き出し、その分析結果を説明し動いてもらうためには、わかりやすい説明能力、明るいキャラクターなどが大きく影響します。その能力がなければ、いくら上記の課題解決ステップ1-3の能力がある人でも、なかなかコンサルとして力を発揮することができません。

一つ補足をしておくと、もちろんこの能力は社会人としてどの仕事・職種であっても重要なものです。但し、コンサルタントというのは、課題解決のためにクライアント企業の関係者など見知らぬ他者を動かしていく必要があることから、他の職種以上にこの力が重要になってきます。そのため、特にコンサルとして活躍するためにはこの能力が秀でている必要があると考えています。

私の場合も、自分自身がコンサルとして適性が決して高く無いと判断した理由の一つにこの「ポジティブな影響力」の無さ、というのがありました。細かい話なのですがどうしても話が長めになってしまう、声が暗く淡々と聞こえる、などの特徴により、他者を感情的に動かすというのが昔から苦手でした。もちろん話が長めになるというのは訓練で改善可能なことではあります。但し事業会社に転職し内部の立場で事業に深く関わりたいという強い転職動機もあったことから、一旦自分の弱みを克服することよりも、別のフィールドでのチャレンジを優先しました。

■まとめ (コンサルに必要な資質とそれが無い場合のキャリアチェンジの考え方)

ここで整理すると、コンサルとして活躍するのに必要な力は以下となります(カッコ内はそのために必要な意識・スキルなど)
1) 何が本質的に解決すべき課題なのかを的確に把握する力(当事者意識、想像力、視座の高さ、経験など)
2) 把握した課題について最短距離での解決策を提示する力(ロジカルシンキング、地頭力、経験など)
3) 解決策を即実行する力(使命感、実行力、役割を超えて動ける力)
4) 自分のポジティブな影響力を発することで周囲に動いてもらえる力(コミュニケーション力、共感されるキャラクターなど)

上記の4つはプロジェクトでの実戦経験を通じ獲得・強化することも可能ですが、努力だけでなくセンスや個人のキャラにも依るため、全ての人が身につけられるわけではありません。コンサルとして伸び悩んでいるという人は、上記1-4のどれが自分に欠如しているのかをチェックした上で、努力で克服できそうか、それとも克服は困難と判断するか、それによりコンサル以外のキャリアを早めに検討するのもアリだと考えます。

もし上記踏まえコンサルファームからのキャリアチェンジを検討されたいという方は、ぜひ以下の記事を参考にされてみて下さい。コンサルファームに適応できず活躍できなかった方でも、総合ITサービスベンダーや事業会社で活躍し充実感を取り戻せる方は沢山いらっしゃいます

拙い文章をこれまで読んで頂きありがとうございました。もし同様の悩みを持っている方がいれば是非参考にして頂きたいという一心で今回この記事を書いてみました。この記事が少しでもお役に立てるのであれば私としても嬉しいです。もしご不明な点や他に知りたい点などありましたら、noteにリンクしてあるtwitter (@kinkin2000) にご連絡下さい。

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