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健康でいられるだけで、幸せなんだと思う。

 数日前から、喉の痛みがあった。先週くらいにあった乾燥の日は痛かった。それからはちょっとマシだったような気もする。だが、土曜日くらいから喉の痛みが酷くなった。右側だけが痛いんだ。あまつさえ、今朝になって右耳の痛みも加えて現れた。因みに昨日は37.3度の熱があり、ちょっと元気がなかった。
 唾を飲むだけでも痛いので、大好きなお菓子も味わえず、食事も楽しくない。生きる喜びの一つが失われた。その代理みたく、数々のドラマを一気見する事で、視覚や聴覚からの楽しみを得た。
 病院に行くのは嫌いなので、ググってみた。咽頭がんか咽頭炎らしい。
 扁桃腺が腫れている人用の薬をドラッグストアで購入してきた。しばらくこれで様子を見よう。
 そして、服用してから思ったんだ。
 本当はさ、健康で五体満足で、元気に暮らせたら幸せなんだね。
 そんな当たり前の事に気付けるのは、何かを失った時なんだ。ありきたりな表現になるけど、当たり前になっちゃうと、それが普通になっちゃって、当然になってしまう。感謝とか有難みというものに、気付けない。
 家族もそうだね。
 私が昔のように、独りよがりな生き方を繰り返していたら、今も孤独であったろう。妻との出逢いが私の生涯を至福なものに変えたし、人生を謳歌させてくれている。そして、何物にも代えがたい、我が子という存在ができた。
 今までは健康とか糞食らえで、酒もタバコも嗜んできた。それも辞めた。
 ああ、健康を意識した食生活を取り入れるべきなのかな。そんな事を思ってしまった。真面目なんて私には似合わないというのに。果物や野菜を多めに食べたいと思うようになってしまった。
 自堕落な生活をしてきた私。健康的で丁寧な暮らしに中指を立てて生きてきた。でも、もしかしたら咽頭がんかもしれないような症状に苛まれている今、妻子を残して私は死んでいいのか?と思ってしまった。
 私は職場にカップラーメンを持っていく事が多い。だから、同僚に不健康だと指摘される事がよくある。その度に「うるせえな」と思ってきたけど、本当はその生き方が正しいのかなと感じた一日だった。
 いつの間にか、平凡な生き方をしようとしてしまっている。もっと破天荒で過激な、茨の道を歩む生き方が好きだ。でも、私には今守りたい人がいる。その為に選ぶ道がこちらじゃないことくらい、私は解った。
 狭間の道で生きている。今更綺麗な生き方は出来ないと、心の奥底では解っているというのに。
 私には「普通」と呼ばれるものが性に合っていないと理解しているからこそ、そういう人達に唾吐いて生きてきた。自分が平均より劣った人間だとわかっているから、上に立つ人間に牙を向いて生きてきた。
 私は、健康な凡人に大して劣等感があるのかもしれない。そんな自分を自己肯定して捻くれた成れの果てが、今の私。その捻じれが今更戻せるわけもないし、本当に戻したいと思っているのかと言う疑問点も残る。
 鋭利に研磨した人格をこれからも尖らせていきたい。私に忖度なんて無理だし、常識なんて反吐が出るもん。
 心の不健康さを治すところから、まずは始めようか。

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