金沢大学映画研究会

文化系サークル連合所属 金沢大学公式サークルの「金沢大学映画研究会」です。 週2くらい…

金沢大学映画研究会

文化系サークル連合所属 金沢大学公式サークルの「金沢大学映画研究会」です。 週2くらいで大学のAV室で映画上映会を行なったり、自主制作映画を撮ったりしてます。 上映会で観た映画や部員がプライベートで観た映画の感想、サークルの活動記録など精力的に投稿していくつもりです。

最近の記事

部誌を公開しました。

 2021年度金大祭にて頒布した金沢大学映画研究会部誌vol.7-よく見ればフィルムのうち、映画レビューの記事を公開しました。  2021年公開の映画がメインで、ジャンル問わず幅広く掲載しています。 前年度は対面の活動が少なく撮影が停滞していましたが、こんな感じでレビューを書いたりしていました。いろんなアウトプットの形があるものですね。

    • パニックホラー好きが死霊館ユニバースを見てみた(羊歯ヤモリ)

      ・はじめに 死霊館ユニバースとは2013年に公開された『死霊館』から始まった一連の作品群を指す言葉であり、” もはやマーベル(MCU)に匹敵すると言っても過言ではないほど急拡大を遂げるメガヒットシリーズ”(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』パンフレットより引用)である。 また、本文は最新作『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』日本公開前に執筆したものである。 ・死霊館ユニバースの特徴 キリスト教的な悪魔観を土台に作られたクラシカルなホラーで、十字架や祈りに弱い、灯りを嫌い暗闇を

      • 言語化できないものを描く―『ドライブ・マイ・カー』感想

         西島秀俊の背中っ!!!!!!!…失礼。取り乱しました。  こんにちは。鯨と申します。映研では本年度から部長を務めています。こんな奴で務まるのでしょうか。まぁ部長と言っても様々でしょうし、僕は僕なりにやっていこうと思います。不安ですが、がんばります。  さて、本題に戻ります。話題作『ドライブ・マイ・カー』を観てきました。冒頭の世迷い言は主人公、家福 雄介(演:西島秀俊)とその妻、家福 音(演:霧島れいか)がセックスをする冒頭のシーンを見ての感想です。  西島秀俊の背中、良す

        • 『キューポラのある街』をみる

                                  耳朶缶コーヒー大魔王 1:はじめに  今年の2月11日、『すばらしき世界』が公開された。役所広司演じる主人公:三上は、過去に罪を犯し、刑務所で生活していた。しかし、13年ぶりに出所することになる。人生の大半を刑務所で暮らしてきた三上にとって、「外」の世界は随分と自分の記憶とかけ離れ、また彼自身の性格から、度々人々と衝突してしまう。そんな三上は、津乃田を含む周囲の人々とのやり取りを通して、「外」の世界を一生懸命に生き抜こうと

        部誌を公開しました。

          『レリック 遺物』いつか枯れる肢体を抱いて(葉入)

          本作のあらすじ 森に囲まれた家でひとり暮らしをする老女エドナが突然姿を消した。娘のケイと孫のサムが急いで向かうと、誰もいない家には、彼女が認知症に苦しんでいた痕跡がたくさん見受けられた。そして2人の心配が頂点に達した頃、突然エドナが帰宅する。だが、その様子はどこかおかしく、まるで知らない別の何かに変貌してしまったかのようだった。サムは母とともに、愛する祖母の本当の姿を取り戻そうと動き出すが、変わり果てたエドナと彼女の家に隠された暗い秘密が、2人を恐怖の渦へと飲み込んでゆく…

          『レリック 遺物』いつか枯れる肢体を抱いて(葉入)

          クロスレビュー「ベイビーわるきゅーれ」

          ----------------------------------------------- 『ザ・ファブル』のような殺し屋が一般人に擬態するような話かと思いきや、ある意味真逆の話だった。全編を通して軽い印象を受ける作品で、「野原ひろしの名言(野原ひろしは言ってない)」のようなネットミームが多用される。「野原ひろしの名言」だとか「ジョジョの語録」を言いたがる人、「女性主体のシノギ」を謳うヤクザの軽薄さ。 そして、彼らの薄っぺらさを表現するために、ネットミーム(=他者がつ

          クロスレビュー「ベイビーわるきゅーれ」

          どこまでも『サマーフィルムにのって』/『お耳に合いましたら。』ー「好き」をもっとー

          (ネタバレあり) 2021年8月、監督松本壮史・主演伊藤万理華の映画『サマーフィルムにのって』(以降『サマーフィルム』と表記)が公開された。あらすじは以下の通り。 勝新を敬愛する高校3年生のハダシ。 キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。 そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎。 すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、「打倒ラブコメ!」を掲げ文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。 青春全てをかけた映画作りの中で

          どこまでも『サマーフィルムにのって』/『お耳に合いましたら。』ー「好き」をもっとー

          『ザ・エレクロリカルパレーズ』を見て

          2011年、NSC東京校17期生に謎のグループが現れた。ザ・エレクトリカルパレーズ(エレパレ)はメンバーの名前を記した揃いのTシャツやオリジナルのテーマソングを作成し、複数の女生徒と関係があると噂される。その噂は芸人たちの間で話題となったが、誰も正確な情報を掴めないまま忘れ去られた。9年後、ニューヨークチャンネルはエレパレの正体を探るべく調査を開始した。お笑いを志した若者たちは、なぜそのような組織を作り、何をしようとしていたのか。取材を進める中で17期生が隠した真実を解明する

          『ザ・エレクロリカルパレーズ』を見て

          レビュー『スパイの妻』

          監督:黒沢清,出演:蒼井優、高橋一生、東出昌大など ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)受賞作品 感想はネタバレを含みます。 一九四〇年。少しずつ、戦争の足音が日本に近づいてきた頃。 聡子(蒼井優)は貿易会社を営む福原優作(高橋一生)とともに、神戸で瀟洒な洋館で暮らしていた。 身の回りの世話をするのは駒子(恒松祐里)と執事の金村(みのすけ)。 愛する夫とともに生きる、何不自由ない満ち足りた生活。 ある日、優作は物資を求めて満州へ渡航する。 満州では野崎医師(笹野高史

          レビュー『スパイの妻』

          劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』マッチョなテーゼ/弱者の抱擁

          ※ネタバレあり 週刊少年ジャンプで連載された大人気漫画『鬼滅の刃』の劇場版。原作の単行本7~8巻にあたる、「無限列車編」をスクリーンで見ることができる。 本作では冒頭に産屋敷が鬼殺隊の墓を訪れるシーンが流れ、隊員(煉獄)の死が暗示され物語が始まり、無限列車での下弦の一 魘夢(えんむ)との戦いと上弦の三 猗窩座(あかざ)と炎柱 煉獄の対決、煉獄の死までを描く。 <誘惑する存在としての鬼> 無限列車編では主に2体の鬼が登場する。人に夢を見せる能力を持つ魘夢と、驚異の再生力

          劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』マッチョなテーゼ/弱者の抱擁

          『はりぼて』カラスを見つめる私たち

          富山チューリップテレビ制作のドキュメンタリー。 評価:★★★★☆(4.0) 感想はネタバレを含みます(実際に起きた事件なのでネタバレもクソもないが) <雑感> かねてより耳にしていた話題作。富山市のドキュメンタリーということで金沢のシネモンド(香林坊東急スクエア4F)で上映していたので、部員数名で観に行きました。シネモンドも昨今の社会情勢の変化のあおりを受けていないか心配でしたが、クラウドファンディングなど工夫して経営してるようでした。午後9時くらいの上映でしたがなか

          『はりぼて』カラスを見つめる私たち

          『#生きている』~引きこもり系ゾンビ映画~

          評価 ★★★☆☆(3.0点) ※感想はネタバレを含みます。 <あらすじ> マンションの一室で父母姉と暮らす男子高校生?のジュヌは一人家の留守番を任されていた。学校をサボって『PUBG』っぽいネトゲに熱中していた彼だが、興奮気味のネトゲ仲間からテレビを見るように言われる。テレビでは「未知のウイルス」の流行と凶暴化した人々の姿が映し出され、自分の住むマンションにも異変があることに気づく。部屋に入ってきたお隣さんがゾンビ化するのを目の当たりにしてウイルスの危険性を認識した

          『#生きている』~引きこもり系ゾンビ映画~

          『イット・カムズ・アット・ナイト』感想

          トレイ・エドワード・シュルツ監督、ジョエル・エドガートン主演。2017年公開。 評価★★★☆☆(3.0) ※感想は若干のネタバレを含みます <あらすじ>手足に発疹が出て口からどす黒いゲロを吐いちゃうゾンビチックな感染症が蔓延した世界が舞台の映画。ジャンルとしては心理ホラーというか、「結局一番怖いのは人間なんだよなぁ......(ニチャァ)」って感じのアレです。ホラーとしては「結局(略)」系なのでゾンビが襲ってくるとかはないです。トラヴィスの夢で"病気"になったおじいちゃ

          『イット・カムズ・アット・ナイト』感想

          『コリアタウン殺人事件』感想

          監督,主演:わからない 総合的な評価★★☆☆☆(2.0) 感想はネタバレを含みます。 SNS(主にTwitter)をザワつかせた謎のモキュメンタリー作品?『コリアタウン殺人事件』を見た。 amazon primeビデオで視聴可能な作品で、日本語字幕もある(この字幕がなんというか、チープで作品の雰囲気にマッチしている)ので見ようと思えば簡単に視聴できる。ただ、手ブレがひどく見るに堪えないカットも多く人におすすめできる作品ではなかった。 主人公がカメラを片手に、近所のコ

          『コリアタウン殺人事件』感想

          『シャイニング』を完全理解しようとしました

          こんばんは。6/29に東京圏でスタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』が放送されたのを受けて、金大映画研究会で「『シャイニング』をちゃんと見る会」を開催しました。 『シャイニング』って、ちゃんと見たことないんですよね.....。名作だから一度は見てみようってなるけど、なんとなく雰囲気だけ味わって終わり!みたいな感じで流しちゃいがち。『シャイニング』とはなんなのか、キューブリックは何を表現したかったのか、我々はこの作品に何を見出すことができるのか......。一行は調

          『シャイニング』を完全理解しようとしました

          『それ ~それがやって来たら…』感想

          監督:沖田光 ★☆☆☆☆ なんかITっぽいタイトルの邦画です。ジャケットもピエロなのでそういうことでしょう。内容もルーザーズクラブっぽい少年少女が謎のピエロに襲われるという話ですがストーリーがとっ散らかってて面白くはないです。また、全体的に画面が暗く、ストーリーが進むにつれ森に入ったり夜になったりして役者の顔が見えなくなります。64分と短めの作品なので長い作品よりは好感が持てますが便乗映画らしいお粗末な出来なのでオススメはできません。 (羊歯ヤモリ)

          『それ ~それがやって来たら…』感想