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ドイツ一人旅_感謝の言葉_15_06【海外旅行】

前の話  プロローグ  15日目01

1999年冬 15日目 フランクフルト

僕はバスの運転席の真後ろの席に座った。

バスは間もなく出発すると森の中を走った。10分ほど走ると次第に開けてきて、道も広くなってきた。もうしばらく走ると見覚えのある道が見えてきた。確かにGさんの家に近づいている感じがする。

すると次のバス停のアナウンスが流れた。それは間違いなく僕が降りたかったバス停だった。バスが停まると運転手が振り向いて、声をかけてくれた。

「ここだよ」
「ダンケ シェーン(ありがとうございます)」

ドイツ人はなんて素晴らしい人達なんだ!僕は何度となく使ってきた感謝の言葉を伝えた。毎回思うが感謝の言葉を一つしか知らないとは何とももどかしい。

「オカエリナサイ」

中国人のGさんは日本語で出迎えてくれた。ここにも素晴らしい人がいる。僕はとっても恵まれていると思った。

「さあ、夕飯の準備ができてますよ。ご飯食べたいでしょう」

食卓の上には白米のご飯と野菜炒めが用意されていた。

「ありがとうございます」

僕は感謝を伝えると、お土産のパンダのぬいぐるみを幼い娘さんに渡した。

「謝謝!」

今度は娘さんから中国語で感謝の言葉が返ってきた。


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