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ドイツ一人旅_釣り切れ_02_04【海外旅行】

前の話  プロローグ  2日目01

1999年冬 2日目 カッセル

路面電車の停留所には日本と同じように道路沿いに標識が立っていた。

切符を買おうと自動券売機にお札を入れたが、直ぐに戻ってきた。何回か繰り返したが、やはり戻ってくる。

「釣り切れだぜ」

近くの売店の兄ちゃんが教えてくれた。なるほど釣り切れかぁ、でも小銭がないんだよなぁ…。

途方に暮れていると路面電車がやってきた。すると売店の兄ちゃんが路面電車の運転手に向かって話しかけた。

運転手は頷き、僕の方を見ると『乗りなっ!』という風に手招きをした。僕は言われるままに路面電車に乗った。

「テン マルク!」

運転手が言った。つまり運賃は10マルクということか?僕は10マルクを支払うとチケットと1マルク50セントを受け取った。そして運転手はある機械を指差した。

今朝バスの乗り方をマスターしていたのでその意味をすぐに理解した。その機械とは日付刻印機である。そこに切符を入れて日付を刻印すると一定のエリア内であれば1日乗り放題になるのだ。

1日とは24時間のこと。つまり、お昼の12時に刻印したら翌日のお昼12時まで利用できる非常に便利な仕組みになっていた。



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1日乗車券

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