ドイツ一人旅_始発と朝食_13_06【海外旅行】
1999年冬 13日目 ラウターブルンネン
うつむき加減歩いていると、いつの間にか建物はなくなっていた。
どうやら探していたホテルは過ぎてしまったようだ。来た道を戻り宿泊する予定のホテルを見つけた。木造のロッジでいかにもスイスという感じだった。
チェックインの手続きをしていたところ一つだけ問題が生じた。朝食が7時からなのだ。
ユングフラウヨッホへの登山列車は始発に乗ると運賃が約半額になるのだ。その始発の発車時刻は6時だった。
「あの~、朝食はいらないんですけど…」
「どうして?」
「その~、登山列車に乗りたいんですけど、朝食を食べてからだと間に合わないんで…」
「どうして?朝食を食べてからでも登山列車には乗れるわよ」
「そーではなくて、始発に乗りたいんですけど…」
「あー、そういうこと。いいわよ」
「支払いはどうしますか?」
「それなら、宿泊代を前払いしてくれたらいいわ。もちろん朝食分は差し引くわよ」
「部屋の鍵はどうしますか?」
「朝出発するときに入口のポストに入れておいて」
「わかりました」
文字にすると簡単なやり取りに感じるが、実際にはこの状況を説明するのに10分以上もかかり多大な労力を費やしてしまった。
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