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ドイツ一人旅_絵葉書_13_04【海外旅行】

前の話  プロローグ  13日目01

1999年冬 13日目 ラウターブルンネン

ラウターブルンネンは小さな村で駅の周辺にいくつかの小さなホテルがある程度だった。

『地球の歩き方』に載っているホテルを探していると後ろからベルの音が聞こえてきた。振り向くと牛が十数頭、向こうの方からやってきた。最後尾には青年がいて、ベルを鳴らしながら牛を追いかけていた。やがて僕を追い抜くと向こうへと去っていった。

また、しばらくホテルを探していると雪だるまをよく見かけた。どの国もやることは同じだ。しかし、日本の雪だるまとはちょっと違う。それは日本の雪だるまは2段であるのに対し、スイスでは3段なのだ。そういえば外国の絵本に出てくる雪だるまは3段だったような気がする。なるほど、こんなところにも習慣の違いがあるのだなと発見した喜びを感じた。

喉が乾いてきたので飲み物と、ついでに絵葉書を買うために小さな店に入った。

「ハロー」

70歳位の元気なおじいさんが出迎えてくれた。僕はノンガスのミネラルウォーターと絵葉書を10枚手に取った。驚いたのは値段だ。ざっとドイツと比べて1.5倍だ。

「もっと絵はがきを買いませんか?」

会計のときにおじいさんから薦められた。余計なお世話だ、10枚でいいのだ。疲れのせいか邪険に思ってしまった。

「ノー サンキュー」

それでもニコニコしながら絵葉書を薦めてきた。

「ノー サンキュー」

もう一度伝えたがそれでも尚も薦めてくる。ちょっとおかしいなと思い、おじいさんの言わんとすることを理解しようと努めた。



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