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ドイツ一人旅_空港アナウンス_16_03【海外旅行】

前の話  プロローグ  16日目01

1999年冬 16日目 マールブルク

フランクフルト中央駅から空港までは15分ほどだった。

出発時刻まで空港内で余ったコインで買えそうなお土産を見て歩いていた。そのとき空港アナウンスが流れてちょっと気になった。ドイツ語で日本人に対して呼びかけていて、どうやら僕の名前を言っているようだった。僕はJALのカウンターに行って空港アナウンスについて確認してみた。

「どうやら僕の名前がアナウンスされているみたいなんですが」
「かしこまりました。確認してみます」

しばらく担当者の方があちこち連絡をとって確認してくれた。

「ここのお土産屋さんに行きましたか?」
「はい。さっき行きました」

「先程のアナウンスはこのお土産屋さんに来て欲しいとのことのようです」
「わかりました。ありがとうございます。行ってみます」

僕は指定されたお土産屋さんに行ってみた。

「すみません。僕を探しているようですが?」
「ああ、あなたですか?財布を預かっていますよ」

あわててカバンの中を探してみると財布がなかった。すると店員が僕の財布を取り出して見せてくれた。

「これはあなたの財布で間違いないですか?」
「僕の財布です!間違いありません!」

「よかった」
「ダンケ シェーン!(ありがとうございます)」

どうやら、このお店でお土産を買ったときに財布を落としてしまったようだった。財布の中にパスポートのコピーを入れておいたのが功を奏した。店員にパスポートを見せて本人確認が済むと財布を受け取った。

最終日にとんでもないトラブルが発生したが、運よく財布を回収することができた。


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