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ドイツ一人旅_テレホンカード_02_05【海外旅行】

前の話  プロローグ  2日目01

1999年冬 2日目 カッセル

無事、路面電車に乗ることができ、市街地に向かった。

「Platz」と名の付く駅で降りた。「Platz」とはドイツ語で「広場」という意味で商店などが多く集まった場所になっている。

少し落ち着いてきたので、無事にドイツに辿り着いたことを報告するために日本に電話をかけることにした。

電話をするには売店でテレホンカードを購入する必要があった。店員に電話ボックスを指さし、カードを入れる仕草をして、そのあと左手を握って親指と小指を立てて電話するボディーランゲージで説明した。

何度か繰り返すことで店員に意図が伝わり、何とかテレホンカードを購入することが出来た。

時刻は11時なので日本時間は20時だ。受話器と取るといつもと違う呼び出し音が聞こえてきた。国際電話用の番号を押し、しばらくすると聞き慣れた日本の呼び出し音へと替わった。

「もしもし」

電話に出たのは母だった。

「ドイツから?意外と声が近いわね」

言われてみると確かに近い。もっと会話と会話との間にテレビの国際中継みたいな沈黙が続くと思っていたが、日本で話している時とさほど変りなかった。

無事にドイツに着いたことを手短に報告すると受話器を置いた。



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