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ドイツ一人旅_シェア_10_06【海外旅行】
1999年冬 10日目 ハイデルベルク
僕らは別々の食べ物とビールを注文し、お互いシェアすることにした。
みんなでレストランに行くと色々と試せるので嬉しかった。豚肉を塩漬けにしたアイスバイン、豚肉のカツレツ、豚の丸焼き、レバー団子とロールキャベツを注文した。
さてビールついては、日本ではいわゆるラガーしか種類がないのだが、ドイツでは色々な種類がある。
日本のビールに近いピルスナー、ろ過をせずに酵母が残ったままの白濁のヘーフェ、黒ビールのデュンケル、原材料が小麦でどことなくバナナの香りがするヴァイツェンを注文した。
どれも個性的で美味しかったのだが、特にデュンケルが気に入った。最初の飲み口はほろ苦いのだが、後味にチョコレートのような余韻がする。初めての感覚だった。ビールとはこんなにも奥が深いのか。
ビールとともに会話も弾む。
「俺たちはイタリアからスイスを経由してドイツにきて、これからフランスに行くんだ」
四角い顔のペヤング君がいうと、今度は一人旅の劇団ひとり君が、
「俺はスペインからフランスに行ってきて、これからドイツを周るんだ。君はどこに行くんだ?」
「俺はドイツだけなんだ。いちおうスイスにも二泊する予定だけど…」
「折角ヨーロッパに来てるのにドイツだけ?珍しいな。ドイツはそんなに観光名所があったっけ?」
今度はメガネ君がツッコミを入れる。
確かに彼の言う通りで、イタリアやフランスなんかと比べるとドイツの観光名所は圧倒的に少ないかもしれない。
しかし、人柄としてはドイツ人が最高に思えた。
というのも、これまで得た情報から判断すると、イタリア人はいい加減に思えるし、フランス人は自尊心が強く英語で話しかけても全く相手にせずフランス語で話しかけるとようやく話を聞いてくれるのだそうだ。
僕はいつの間にやらドイツ人贔屓になっていた。
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