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ドイツ一人旅_良い旅を_13_01【海外旅行】

前の話  プロローグ

1999年冬 13日目 フライブルク

小鳥のさえずりで目が覚めた。

一人で食堂に向かうと2人組の日本人男性を発見した。どうやら別の部屋には日本人がいたらしい。声をかけて、一緒に朝食をとることにした。

2人とも大学4年生でヨーロッパには卒業旅行でやってきたそうだ。一人は何となく気が合いそうな感じだったが、もう一人は留年を3回繰り返していて英語が堪能で妙になれなれしい態度が気になった。

そこに日本人女性が一人でやってきた。彼女は大学3年生で環境工学を専攻しているらしい。環境先進都市であるフライブルクに関心が高いようだった。

食事をしながらお互い情報交換を行い、しばらく日本語での会話が続いた。別れ際、英語が堪能な彼がおどけて日本語で言った。

「それでは良い旅を」

そのフレーズが何となくみんなが気に入ってしまい、順番に「それでは良い旅を」と日本語でいうとそれぞれの部屋に戻っていった。

中央駅までは路面電車ではなく、小さな川に沿って歩いていくことにした。犬を連れて散歩している人がたくさんいた。清々しい気分だ。

今日はスイスに向かう予定だ。列車で陸の国境を越えることになる。国際列車で乗り換えせずに他国に行けてしまうのだからすごい。

アルプスの麓の村であるインターラーケンにはベルンで乗り換える必要があった。ベルンで一旦途中下車して駅の周辺を散策してから、インターラーケンに向かい、更に乗り換えて今日の宿泊先であるラウターブルンネンに向かう予定だ。


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13日目に訪れる街

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