ドイツ一人旅_陸の国境_13_02【海外旅行】
1999年冬 13日目 フライブルク ~ ベルン
フライブルグ中央駅を出発した列車は順調に走っていたがホームのないところで急に停車した。
どうやら、スイス国境の手前の様だった。しばらく停車していたが、また動き出した。
「何にもしないのか?」
国境越えはあっけないものだなと思っていると、また停車した。どうやらスイス側の国境手続きが始まったようだ。車掌さんではなく、警官らしき制服を着た人が前の車両からやってきた。
その制服はドイツのものとは異なるためスイスの警官であるようだった。違わないのは横柄な態度だ。威圧した感じでパスポートを受け取るとチラッと見ただけで、特にスタンプを押すわけでもなくすぐに返してくれた。ヨーロッパ系や東アジア系の人のチェックは簡単であったが、中東アジア系の人は丹念に質問している様子だった。
10分ほどで列車は再び動き出した。フライブルクから乗り換え駅のベルンまでは約2時間程度で到着して、途中下車した。
すると突然不安な気持ちが襲ってきた。
どことなくドイツとは雰囲気が異なり、新しい国に訪れたという意識が過剰に反応してしまい、また一から始めないといけないのか?という喪失感が湧いてきてしまった。
インターラーケン行の列車は一時間後にやってくるので、それまでに駅の近くの銀行でスイスフランに換金した。
まだ時間が余っていたので駅周辺を観光することにしたのだが、好奇心よりも不安な気持ちの方が強くなりあまり印象に残らなかった…
次の話 (表示されない場合は次回更新までお待ちください)
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