見出し画像

発達障害の2次障害を未然に防ぐには?不登校の予防と支援策 #146

まずはこちらをご覧ください。

令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
(文部科学省)


不登校児童数は右肩上がりに増え続けています。

さらに、次の資料をご覧ください。

令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
(文部科学省)

小学校4年くらいから徐々に増え始め、中学生になると飛躍的に増えているのがわかります。
中3になって増えないのは、おそらく受験が関係していると思われます。

今回は、不登校児童の実態を読み取りながら、仮説を立て検証していきたいと思います。

その仮説は

「発達障害の2次障害を未然に防ぐアクションを起こせば、不登校児童数は減るだろう」


です。

こちらをご覧ください。

令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
(文部科学省)

この表は、不登校の原因をまとめたものです。
特筆すべきは、無気力・不安です。全体の約半数を占めています。
つまり、2人に1人は、無気力・不安が原因で不登校なのです。

この無気力、気になってしまいました。

もともと、無気力な人間として生まれてくるものなど一人もいないはず。

であるのに、無気力になって学校にいけなくなるのです。
しかも、小学校高学年から中学生にかけて増えるのです。
なんとなくな訳がありません。

なぜ無気力になったのか?

多数派による少数派の理解が足りなかったためではないかと考えます。

少数派の子の中には、発達障害の一次障害(あまりこういう言い方はしませんが)とは、もともともっている特性のことです。

例えば、
ASDであれば、こだわりが強く、人とのコミュニケーションが苦手、空気を読んで多数派に合わせることが苦手など。

ADHDであれば、じっとしていられない、忘れ物が多い、話かけても聞いていないなど。

LDなら文字を読んだり書いたりするのがうまくできない、計算ができないなど。

といった特性をもっています。

こうした特性から、多数派の子たちと同じように行動したり、学習したりできないことが引き金となってストレスとなることがあります。

多数派が
「ずるい」、「だめだよ」
「やめて」、「あっちいって」
「ちゃんとやって」

などと、突き放すような言葉を投げ続けることで、孤独な環境が出来上がります。
支援が施されていない場合、この傾向は、学年が上がれば上がるほど顕著です。

さらに、ADHDやASD等の発達障害と診断されていないグレーゾーンの子も、困り感が学年が上がるにつれて増幅し、次第に大きなストレスとなって、自己肯定感が下がり続け、何も考えたくない(無気力)状態になってしまうのです。

そして二次障害(無気力)の結果として、不登校を引き起こすのです。

だから理由を聞いても別にとかよくわからないといった無気力という扱いになってしまう。


発達障害の二次障害をもつ子は、多くの悩みを抱えています。
「自分に自信を持てない」
「ネガティブな考え方になりやすい」
「人と接するのが怖い」
など、真面目な子ほど思い詰めてしまう傾向があります。

そのため無気力となり不登校になってしまったといえます。

であるなら、この「無気力」状態になる前の段階でアクションをおこしていれば、不登校は減るはずです。

ではそれはいつなのか?
小学校の低学年です。
もっといえば就学前です。

遅くても小学校2年生までに、困り感をもった子がいたら、通級につなげるなど、個別支援をしていかなければ手遅れだという危機感をもって取り組んでいかなければなりません。

早い段階で気づいて、支援してあげれば、2次障害は防ぐことができます。
2次障害を防ぐことができれば、不登校も同時に防ぐことができるのです。

そのためには、特別支援コーディネーターを中心に、1,2年担任、管理職、カウンセラーなどが一丸となって、支援が必要な子を早期発見し、保護者と面談して必要に応じて通級につなげていくのです。
そうすれば、特性があったとしても2次障害にはならずにすみます。

これをしない限り、不登校児童数の増加は防げないと思います。

しかし、仮に通級につながったからといって解決するわけではありません。
教室にいる多数派の理解がないと結局2次障害を引き起こします。

だから同時に、学級においては、多数派による少数派理解を推進するためのリエゾン学級経営を実践していくのです。

最後に、こちらをご覧ください。

令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
(文部科学省)

福井県が一番割合が低いのがわかります。
その福井県教育委員会の


福井県不登校対策指針


福井県不登校対策指針

早期対応を県全体で取り組んで徹底しているからこそ、不登校児童数の割合が低いのだと思います。
そういう視点でみると、評価に値します。
ですが、
個人的にはこれでも対応は遅いと感じます。
これでは対症療法でしかありません。
欠席してから対応していては遅いです。

少なくとも低学年のうちに、学校として早期発見する体制をつくり、全学級がリエゾン学級経営を実践していかなければいけません。

それが実現できたら不登校児童数は減っていくことでしょう。

そのためアクションを細々ながら実践していきたいと思います。

リエゾン学級経営は、これからの教育の重要な鍵となるでしょう。
さまざまな背景や特性を持つ子ども達が、お互いを理解し合い、共に成長する。それが、
リエゾン学級経営の目指す未来です。

少しでも、この記事に共感できた方は、
ぜひスキ、フォローをしていただけるとうれしいです。
今後の励みになります。
また、この記事が多くの方の目に届くよう、読者の皆様のSNSにてリンクしていただけると幸いです。
また、Twitter(x)もスキ・フォローしてくていただけると大変うれしいです。

一人でも多くの方がこのリエゾン学級経営に賛同し、実践していただけることを願います。
すべての子どもの幸せを祈って!

#ウェルビーイングのために
#多様性を考える







この記事が参加している募集

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?