大塚茉莉子

歌手。 猫と酒と暮らしています。 毎週日曜日20時YouTubeにて「酔歌、大塚茉莉…

大塚茉莉子

歌手。 猫と酒と暮らしています。 毎週日曜日20時YouTubeにて「酔歌、大塚茉莉子」配信中。https://www.youtube.com/channel/UCU_evJGBZKetU7BcTxIBYyg

最近の記事

次会えるのは何億光年先かわからないのに

2024年6月30日 実際には言っていないのに、会いたいと言った、夢。 昨夜と同じ場所、人、場面進行なのに、台詞だけが違っている、夢。 同じ歌を二回目に違う歌詞で歌っているような。どちらが本当の昨夜の出来事なのか。 酒と夢が合わさって、朝の私を騙しにかかる。 人々は立ち上がり拍手をして、拳をぶつけ、名前を呼び、音楽は大きくなり、ドラムの酔っ払いはコードの根音を歌い叫び、角に座るギタリストの目のきらめき、東京とこちらのマス目の濃度、いつもドレスの私は鬼太郎、しおれた朝日、

    • 小雪捜索記。長いです

      2024年6月20日 自分の不得の致すところなのですが、二日間、仔猫を耐えがたい状況下に置き、多くの方にご心配をかけた大騒動が終わりました。 いなくなった猫が帰ってきた幸せを噛みしめるのに、どうでも良い映画などをつけて平常を装ってみたり、道路で出会えた不思議を思いため息をついたり、夢でないか確認したり、そわそわ。 16日。 こゆき〜!こゆき〜! こゆき〜!こゆき〜! こんな時に生かされる、腹式発声。 脱走した3匹のうち小雪が帰っていないことに気づいた、日曜酔歌終了時

      • 白昼夢

        2024年6月4日 12日に二度目のライブをさせてもらうGLYCINEのオーナーに、ミシェルジョナスのシャンソン「海辺のバカンス Les Vacances au bord de la mer」を歌ってみたらと提案いただいた。ハイファイセットも日本語で歌っているみたい。 ...海辺の避暑地に 過ごしたあの夏... 部屋の中で日を浴びて聴いていたけど、思いたって部屋着のまま散歩。歌を覚えるには風呂と散歩。 参宮通りの信号待ちから、近い距離で歩く小学生がいた。襟足を刈り上げ

        • 宇部の月

          2024年5月23日 外は月が綺麗。 ここ最近昼は、毎年夏に行われる宇部高校全体の同窓会の幹事年にして実行委員であるため、宇部の企業さんやお店へ、記念誌に載せる広告協賛のお願いに回っている。 まだ免許がないので全て徒歩、最近の運動不足を全解消したいところ。 今日は会場となる宇部国際ホテル様にもご挨拶とご相談に伺った。 名刺を出すと、大塚さん、歌われる方ですね!と、名前を知っていていただき嬉しい。 高校時代陰キャだった私(今は陽かと言われると?)、文化祭やらイベントなどは

        次会えるのは何億光年先かわからないのに

          ミチブシン

          2024年5月19日 酔歌の放送後記でもよく書くけど、田舎ならではのご近所さんとのやりとりが新鮮な日々。 今日は初めての「ミチブシン(道普請)」。正解の発音が未だにわからないのでのっぺり発音。 そして先月から初めての5-2班「班長」のまりこ家である。 8時集合なので、前夜の酒を少し控え7時半に目覚ましをかけたが午前に起きる予定の時は全く寝付けない。ほとんど徹夜で8時前に自治会館に行ったらば、もう1時間前から作業してるよな雰囲気でたくさんのおじいちゃんおばあちゃんが庭の草

          ミチブシン

          薔薇を探せ

          2024年5月16日 砂漠の中に 海辺の砂に 迷い込んだら 薔薇を探せ 牢屋の小窓に 大空を見る 罪人たちも 薔薇を探せ 苔むす墓や 草むらの下 水たまりにも 薔薇を探せ お日様照ってる外に出たくて、一日中わんわん鳴いている。窓越しに強風に向かって唸る。 開けて欲しくて、窓枠という窓枠におしっこをかける。 ついに今朝、私のベッドサイドの窓枠にかけて枕を濡らした、ほいてま。 どれだけ言っても庭の外に出るからよ。 たくさんの草や花の香りがするんだろう。 どんなところに何度迷

          薔薇を探せ

          たくさんの誕生の中で

          2024年5月14日 2年前のこの日はいつも通りきな子の誕生日だったけど、故郷に帰って来ており、ジョージと出会った日でもあった。 それから2年の間に目まぐるしくいろんなことが起こって変わって、今もまだ、夢から覚めたら恵比寿のアパートかも、とたまに思うほどの幻想感。 でも現実に、隣には去年生まれた仔猫の小雪が寝ているし、先月食べたアボカドの種が発芽し毎日ぐんぐん伸びている。 台所にはいただきもの恵み。 隣のおばあちゃんからグリンピース、二軒隣のおじちゃんから赤玉ねぎ、パ

          たくさんの誕生の中で

          静か。

          2023年8月18日 田んぼの真ん中は、金曜日の夜も静か。 一年前までの恵比寿の真ん中、山手線沿いとは大違いだ。 夏は楽しい。 ジョージもこのところ連日、街で酒の席。 世の中から隔絶された、私の田んぼ。 ただ稲が風になびく有り難さ。 車の顔など知らなかった私も、道路ですれ違う車が稲刈り重機を操る一人ひとり、それぞれの顔に見えてくる。 私の田んぼの一角では、小さい誰かがまた卵を育てている。 実るか誰も知らない卵を、種族の違う虫や蛇や猫が取り囲み、密かな希望や密かな死を見守

          のんあるナチュラル、

          2023年8月10日 訳あって、この人生、お酒を飲み出してから初めての11日連続禁酒中。 そして大抵リハーサルというものは起き抜けの時間帯に行われるのであり(日中ということです)、ばきばきベルカント発声の曲をピアノのゆきちゃんと合わせる日でありました。 いつもの寝ぼけ眼で声を出す。 するとどうしたことでしょう。 あふれる、とはこういうことだな。 自分の声なのにごめんな。おそらく100thラベルオーパスワン、芳醇なベルベットみたいなワインが、口からあふれ出てくるんです。(

          のんあるナチュラル、

          別れの理由

          2023年8月7日 お面の窓から道行けば ここにいない人の心が見える 私と一緒に来てくれる 赤ちゃんのようなこの手と足を 愛してくれた人ならば きっと次の提灯で、待ち合わせ 狂った夢で理由をきいて 振り向いたのは知らないお面で 勝手な心配しないでいいの 道案内は誰にもいるの いくつの穴が開いていたって 近道のない世界ですから 隣の穴など覗いて行きましょう お面の窓から道行けば

          きらめききなこ

          2023年8月5日 感動は反応。きらめきをずっと、覚えているもの。 今日はきな子の一周忌。  初めての土地の祭りへ、しぶるジョージに頼んで連れていってもらう。遅くからの参加、お目当てはフィナーレの花火。 黄昏時、祭りから一キロのところに車を停め歩いたが人は全く歩いていない。混んでると聞いたけど、本当に人が集まってるの? 暗い道、古びた薬屋、古びたあばら屋、頭上に道路を渡した小さなトンネル、小さな街灯、名のない道と草。 抜けたらば急に、青いローソンと浴衣の中高生たちが

          きらめききなこ

          落としもの

          人通り少ない田舎道は、落としものが見つかりやすい。 ちょっと探しに。 朝からパチンコに行ったジョージがケーキを買って帰ってきたので、起きぬけに赤い苺タルトを頬張った。何のお礼? 私はこの間失くしかけたもの見つけたお礼、琴崎八幡宮へ。この間夜中に飛び出したほいてまくんは、4時間後無事に戻ってきた。 水色の空に、黄色く小さなひまわりに、白いモンシロチョウが舞っていた。 お礼の後に麦わら帽子を買って帰ったら、白いビーズピアスを落としていた。 ちょっと探しに。 玉ねぎのそば

          落としもの

          東京の魚

          2022年12月16日 きな子を連れて東京行きに乗らなかったのは大学一年生以来で、いつも懐かしかった羽田空港がなんだか寂しい。 山口宇部から東京羽田へ、無事着陸しました。 帰郷して初めての東京出張、楽しい仕事と楽しい遊びの予定がぎっちぎちの一週間の始まり。 なんだか寂しいと言いつつ、空港でまず江戸前寿司ランチセットを腹一杯いただく。早めに銀座行って美登利寿司でも良かったか。 予想もしない大きな波に乗って、今夏に宇部に引っ越した私。大きな飛行機の中、大きな鯨の腹の中に入

          蜂の中の苺

          2022年12月8日 連れて来てくれたジョージ(仮名)が、「まりちゃん宇部にまだ友だちおらんやったらここの蜂に友だちなってもらえば」と苺かじりながら言う。 毎年季節は巡っているけれど、梨狩りやらぶどう狩りやらりんご狩りやら、なにも出かけたことのなかった私。人生初の苺狩り、山陽小野田の「花の海」へ行ってきた。 小さい蜂たちが苺から苺へ花から花へ飛び交う中、たくさん実のなっている、かおりの、よつぼし、すず、見つけたらラッキーあまえくぼ、時間無制限食べ放題。 知らなかったけ

          蜂の中の苺

          肩こり

          2022年2月21日 肩こりがひどい。 遠くから手足の白く長い猫が歩いてきたと思ったら幾何学的錯覚、うちの最近痩せた老猫である。 どこも凝っていない人間はないかもしれないが、しばらくでっかい釘を挿していたくなる。バランスという言葉を忘れる。 去年他界した体120キロの飲み友はSMクラブで女王様をひれ伏させていたが、言葉攻めが得意だったそうな。 今年は正月から始まり例年にないことの連続で、何だか落ち着かない。車の後部座席から後ろの窓、通り過ぎた道を見ている少女時代の浮

          またね、ばば子。

          2022年2月6日 「死んだら化けて出るなよっ!」 「死んだら化けて出ちゃるっ!」 何かにつけてずっと家族とこんなやり取りをしていたうちの祖母。 人間90以上も生きれば姿も色んな様に変化し、髪が全て抜けていた時期もあれば、最後は若く緑に光る黒髪がふさふさと生えていた。 ハリーポッターに出てくる屋敷しもべ妖精ドビーや、赤ん坊の姿で泣く妖精マンドレイクによく例えられ、もはや生き仏。 美味しいものだけおくれ、が口癖で毎食成人一食分以上、さらに家中の果物と菓子を食べ毎日からから

          またね、ばば子。