白昼夢
2024年6月4日
12日に二度目のライブをさせてもらうGLYCINEのオーナーに、ミシェルジョナスのシャンソン「海辺のバカンス Les Vacances au bord de la mer」を歌ってみたらと提案いただいた。ハイファイセットも日本語で歌っているみたい。
...海辺の避暑地に 過ごしたあの夏...
部屋の中で日を浴びて聴いていたけど、思いたって部屋着のまま散歩。歌を覚えるには風呂と散歩。
参宮通りの信号待ちから、近い距離で歩く小学生がいた。襟足を刈り上げたおかっぱスタイルにランドセル、歌を歌い変な動きをしながら歩く。
にやにや見てるとあちらもこちらをちらちら、白いロングワンピースに白い靴でぼさぼさ長髪の私、幽霊みたいな気味の悪い女だと思ってっかな、
長いことそうしていたけど、彼はまたちらっとこちらを見た後ふいに駆け出し次の角をさっと曲がる。
私から隠れたんかな。見つけてやるか。
私も駆け出し角を曲がったら消えている。どこにも逃げ場などない、幽霊はおまえじゃん。
幽霊に逃げられたのか誘われたのか、せっかく入った路地裏を散歩。日差しが、路地が、いつかの鎌倉の海辺帰りみたい。途中でいつものピアニストとも会って、おしゃべり。
...ただ船をながめ キャンディをなめて
通り過ぎたよ 白いレストラン...
飲みながら路地裏くねくね歩いていたら、アイリッシュパブのオーナーに明日オープンの音楽バー覗きに行くと車で拾われて、着いたのは「路地裏の隠れ家PUB」、60年代アメリカっぽい音楽BAR、ジャニィジャニィジャニィ。
マイクであーと声出して、ふわふわ、スコッチ水割り、スコッチ水割り、スコッチ水割り。水割りの中に潜っていくとそこは、貝を食べて、ビールを飲んで、ジープで揺れて、水を浴びて、埋まって、浮かんで、寝ていた海辺の夏。
...海辺の避暑地に 過ごしたあの夏
波が静かな日は 島までこぎ出した
古びたボートで...
...ただ海をながめ キャンディをなめて
少しかなしく きれいだった...
この間の、白昼夢、みたいな話。