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JW164 池を求めて
【孝霊天皇編】エピソード19 池を求めて
第七代天皇、孝霊天皇(こうれいてんのう)の御世。
倭迹迹日百襲姫(やまとととひももそひめ)(以下、モモ)は、讃岐(さぬき:現在の香川県)の開墾政策を押し進めていた。
生母の倭国香媛(やまとのくにかひめ)(以下、国香)も赴いているが、この物語では、モモの兄弟姉妹も同伴している。
モモの弟、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦(せりひこ))。
モモの妹、倭迹迹稚屋姫(やまとととわかやひめ)(以下、ワカヤ)。
そして、腹違いの姉妹、千千速比売(ちちはやひめ)(以下、チチ)。
腹違いの兄弟、稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)である。
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そして、前回紹介した、船岡山(ふなおかやま)を拠点に政策を進めていたのであるが・・・。
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そこに、讃岐の住人、アマンダがやって来た。
アマンダ「皇女(ひめみこ)様。残念じゃけど、池なんて無かったわ。」
モモ「池が無いのかぁ。」
アマンダ「水脈(すいみゃく)も、なかなか見つからんし・・・。どうしましょう?」
モモ「池が有れば、そこから水を引くことも出来るんだけど・・・。」
芹彦「モモ姉(ねえ)の衝撃波で地面を吹き飛ばしては如何(いかが)か?! 当然、それがしに向かって放ちながらでござる!」
モモ「あんたは、衝撃波を受けたいだけでしょ!」
アマンダ「やっぱり、ここで水稲耕作なんて、夢のまた夢だったんじゃな・・・。」
モモ「アマンダ! 諦めちゃダメ! なんとかして、水を確保するのよ! みんなの暮らしが掛かってるんだから!」
アマンダ「ほんじゃけど(そうだけど)・・・。」
モモ「池が有ったらなぁ。」
するとそこに、讃岐の住人、ナビルとサントスが駆け込んできた。
ナビル「皇女様! 有ったで!」
サントス「わ・・・湧き水じゃけど。」
モモ「湧き水?」
ナビル「山の麓(ふもと)に、湧き水が有ったんじゃ。」
サントス「ちょろちょろ・・・っとだけじゃけどな。」
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モモ「ちょろちょろかぁ。そんなんじゃ、どうにも・・・(*´Д`)。」
アマンダ「どうにか出来んのじゃろうか(出来ないんでしょうか)?」
モモ「どうにかって言われても・・・・・・・・・。あっ! そうか! そういうことよ!」
アマンダ「えっ? どういうこと?」
モモ「池が無いのなら、作ればいいのよ。」
ナビル「作る?」
モモ「ちょろちょろでも、地面を掘って水を溜めたら、立派な池になるでしょ!」
サントス「皇女様、見かけによらず、頭ええなぁ!」
モモ「見かけは関係ないでしょ!」
芹彦「よし! では、池を作ろうではないか!」
こうして、池が作られることとなった。
そして、作業は順調に進み、山の麓に立派な池が誕生したのであった。
チチ「これが、船岡池(ふなおかいけ)だべ。」
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ワカヤ「さ・・・讃岐初の溜池(ためいけ)と・・・言われておりまする。」
モモ「これで水路を作ることが出来るってわけよ!」
国香「まことに立派な池が出来ましたなぁ。」
タケ「溜池を作るという知恵は、讃岐一帯に広まり、二千年後には、至るところに作られているそうじゃ。」
モモ「これって、ノー〇ル平和賞もらえるレベルじゃない?」
タケ「なにゆえ伏字にしたのか、よく分からぬが、これで開墾が捗(はかど)るな。」
とにもかくにも、溜池の発明で、讃岐開墾計画は加速度的に進められたのであった。
それから幾年か幾月が経った頃。
サントス「山から北の地に、池が有ったで!」
モモ「池? 溜池じゃなくて、自然の池?」
サントス「ほうじゃ(そうです)。平(たい)らなところに池・・・理想的じゃな。」
モモ「いいじゃない。じゃあ、行宮(あんぐう)も、そこに遷(うつ)しましょ。」
サントス「行宮も遷すん?」
モモ「そうよ。ここも田畑が広がってきてるし、そろそろ別の地に遷ろうって考えてたのよ。」
国香「たしかに、田畑が広がって、ここから指示を出すのも一苦労になっておるな。」
モモ「そうでしょ? だから、そっちに遷るべきだと思うのよね。」
サントス「ほんなら(そういうことなら)、行宮も遷そか(遷しましょうか)。」
チチ「こうして、モモは行宮を遷したんだけんど、これが、のちに神社になっただよ。」
タケ「やはり、こちらも神社となっておるのじゃな。」
チチ「その通りだべ! その名も、田村神社(たむらじんじゃ)だべ。」
ワカヤ「た・・・高松市の・・・一宮町(いちのみやちょう)に、ち・・・鎮座しておりまする。」
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こうして一行は、後の世に田村神社となる地に行宮を築いたのであった。
そこに、地元民のロナウドがやって来た。
ロナウド「初めまして、地元の住民、ロナウドじゃ。皇女様御一行が来られたと聞いて、烏芋(ごや)を持って来たで。」
モモ「ごや?」
ロナウド「オオクログワイとも呼ばれる芋じゃ。食べまい(食べてみて)。」
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モモ「それじゃ、お言葉に甘えて・・・。」
ロナウド「ど・・・どうじゃ?」
モモ「お・・・おいしい!((´∀`))」
ロナウド「さあさあ、もっと食べまい!」
国香「モモ殿。食べ過ぎはいけませぬぞ。」
モモ「分かってるわよ。母上。」
この食べ過ぎが、皇女に悲劇をもたらすのである。
つづく
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