JW390 大いなる喜び
【崇神改革編】エピソード17 大いなる喜び
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前69年、皇紀592年(崇神天皇29)1月1日。
すなわち、元旦の日に、磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)で、大事件が起こっていた。
崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)が、詳細を述べる。
ミマキ「大事件などと、言い過ぎじゃ。されど、大いなる喜びではある!」
ここで、大后(おおきさき)の御間城姫(みまきひめ)(以下、みぃ)が、ツッコミを入れた。
みぃ「大王(おおきみ)! 解説になっておりませぬ!」
ミマキ「すまん、すまん。では、改めて、申すぞ・・・。『みぃ』ちゃんが、男の子を産みもうした! 名前は、活目入彦五十狭茅尊(いくめいりひこいさち・のみこと)にござる! 『イクちゃん』と呼んでくれ!」
みぃ「イクちゃん・・・。健(すこ)やかに育つのですよ・・・。」
ミマキ「さて『みぃ』よ。ようやく、十一代目が産まれたのじゃ。他の兄弟たちも紹介しようではないか。」
みぃ「かしこまりました。では、紹介致します。まずは、彦五十狭茅(ひこいさち)にございます。『のまお』と呼んでくださいませ。」
ミマキ「ん? のまお? どこにも、そのような言の葉は入っておらぬぞ?」
みぃ「実は『古事記(こじき)』では、伊邪能真若(いざのまわか)と書かれておりますので、そちらの名前から頂戴(ちょうだい)致しました。名前が『イクちゃん』と似ておりますので、その方が良いかと・・・。」
ミマキ「なるほどのう・・・。して、次は誰じゃ?」
みぃ「国方姫(くにかたひめ)にございます。『ニカ』と、お呼びくださいませ。」
ミマキ「おお・・・。女の子まで・・・。良きかな、良きかな!」
みぃ「つづきまして、千千衝倭姫(ちちつくやまとひめ)にございます。『チック』と、お呼びくださいませ。」
ミマキ「うむ。もう一人、女の子じゃな? して、そのあとは?」
みぃ「五十日鶴彦(いかつるひこ)にございます。『イカッピ』と、お呼びくださいませ。」
ミマキ「ん? 男の子? 伊賀比売(いかひめ)という女の子では、なかったか?」
みぃ「実は『日本書紀(にほんしょき)』では男の子で、『古事記』では女の子なのです。」
ミマキ「なにゆえ、そのようなことになっておるのじゃ?」
みぃ「さあ・・・。ただ、はっきりと言えるのは、もう一人、産まれるということにございます。」
ミマキ「おお! 『イクちゃん』のあとにも、産まれるのか?」
みぃ「はい。その名も、倭彦(やまとひこ)にございます。」
ミマキ「そうか、そうか・・・。わしは、猛烈に感動しておる!」
みぃ「ようやく紹介出来ましたねぇ。」
こうして、大后が産んだ子供たちを紹介することが出来たのであった。
つづく
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