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JW379 戸口調査の詔
【崇神改革編】エピソード6 戸口調査の詔
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
年が明け、紀元前86年、皇紀575年(崇神天皇12)3月11日。
ここは、磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)。
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崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)は、詔(みことのり)を発表した。
合いの手を務めるのは、大臣(おおおみ)の物部伊香色雄(もののべ・の・いかがしこお)(以下、ガーシー)である。
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ミマキ「前回は、疫(やく)が流行(はや)ったことを述べたところまでだったな?」
ガーシー「そうですぅ。ほな、続きを御願いしますぅ。」
ミマキ「うむ・・・。しかし、今、罪を祓(はら)い、過ちを改め、天神地祇(てんじんちぎ)を敬い、稲作などの教えを広め、荒れ狂う人々を安く平(たい)らかに治め、軍を起こして、従わない者を討った。」
ガーシー「四道将軍(しどうしょうぐん)のことやね。」
ミマキ「朝廷は廃(すた)れたことが無くなり、民(おおみたから)で世を逃れ隠れる者は居なくなった。教えが行き渡り、民が生業を楽しむこととなった。これまで、ヤマトに加わっていなかった者たちも、新たに加わった。」
ガーシー「丹波(たにわ)などの地域の人たちのことやね。」
ミマキ「さあ、時は来た。民(おおみたから)の戸口(ここう)を調べ、長幼(ちょうよう)や、課役(かえき)の軽重(けいちょう)を知らしめなければならぬっ。」
ガーシー「うんうん・・・。ほんで・・・どういうことでっか?」
ミマキ「じゃから、どれほどの民(おおみたから)がいるのかを調べ上げ、調(みつき:税のこと)を取ろうと考えておるのじゃ。」
ガーシー「なるほど・・・。民(おおみたから)の実態を調査して、しっかり取れるモンは取って、国庫を潤(うるお)そうと考えてはるんですね?」
ミマキ「これは、私欲を満たすモノではないぞ。国を豊かにするためじゃ。」
ガーシー「集めた調(みつき)で、なんか、やらかしはるんですか?」
ミマキ「今すぐ・・・というわけではない。例えば、此度(こたび)の疫のようなことが起きた時、庫(くら)が潤っておれば、人々を救うことが出来るであろう?」
ガーシー「なるほど・・・。」
こうして、戸口調査の詔が発せられ、同年の9月16日、調査が実施されたのであった。
さて、ところ変わって、ここは吉備国(きび・のくに)。
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大吉備津日子(おおきびつひこ)(以下、芹彦(せりひこ))と高田姫(たかだひめ)(以下、たか)夫妻の元に、一人の女人が来訪していた。
その人物とは、芹彦の娘、包媛(かねひめ)(以下、カネ)である。
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カネ「エピソード279以来ですので、丸々、百話ぶりと言うことですね。」
芹彦「そんなことより、なにゆえ、吉備まで参ったのじゃ!?」
カネ「新しい母上に、御挨拶(ごあいさつ)をば・・・と思いまして・・・。」
たか「あ・・・あなた様が、カネ様にござりまするか?」
義母と娘の邂逅(かいこう)。
作者オリジナル設定である。
つづく
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