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JW247 合祀につぐ合祀
【崇神即位編】エピソード5 合祀につぐ合祀
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前96年、皇紀565年(崇神天皇2)のある日、丹波道主王(たにわのみちぬし・のきみ)(以下、ミッチー)と神大根王(かむのおおね・のきみ)(以下、ノーネ)は、光る玉の調査に赴いていた。
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向かった先は、針間国(はりま・のくに)。
二千年後の兵庫県南部である。
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そして二人(と従者)は、武甕雷神(たけみかづち・のかみ)(以下、タケミー)に遭遇したのであった。
ミッチー「なるほど・・・。ところで、井関三神社という名は、どうなったのでござるか?」
タケミー「実はな・・・。元々、天照神社(あまてるじんじゃ)であったモノが、時の流れによって、井関三神社(いせきさんじんじゃ)と名称を変えてしまったのじゃ。」
ノーネ「それはなぜ? 君はなぜ? 名を変えるの? 舐めているの?」
タケミー「仕方なかろう! その後、いろいろあったのじゃ・・・。」
ミッチー「いろいろとは?」
タケミー「二つの出来事があった。まず一つ目は、西暦1555年(弘治元)に中垣内村(なかがいちむら)の大庄屋、八瀬(やせ)さんが、瀬織津姫(せおりつひめ)を合祀(ごうし)したのじゃ。これで、二柱(ふたはしら)の神が祀(まつ)られることになった・・・。」
そこに、八瀬さんが、時空を超えて出現した。
八瀬さん「せやで。神様は、仰山(ぎょうさん)、おった方が、ええと思ったんや!」
ノーネ「唐突な登場! 当惑な感情!」
タケミー「う・・・うむ。そして、二つ目の出来事が、西暦1672年(寛文12)に起こった。」
八瀬さん「大名の国替えで、脇坂安政(わきさか・やすまさ)という人物がやって来たんや。」
ミッチー「その・・・脇坂と申す者が、もう一柱(ひとはしら)の神様を合祀したと?」
八瀬さん「御明察やで! 前任地の信濃国(しなの・のくに)の飯田(いいだ)から、そこに鎮座(ちんざ)していた氏神を合祀してしもたんや!」
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タケミー「そう・・・。その神の名は・・・。建御名方神(たけみなかたのかみ)・・・。」
ミッチー・ノーネ・従者たち「ええぇぇ!!」×多数
そこに、建御名方神が、時空を超えて出現した。
建御名方「国譲りで、力試しをした相手と、同じ社(やしろ)に鎮(しず)まることになろうとはな・・・。」
タケミー「それは、わしも同じ想いぞ!」
建御名方「改めて、決着をつけますか?」
タケミー「おお! やらいでかっ!」
ミッチー「お・・・おやめくだされっ! それよりも、解説が優先にござりまするぞっ!」
建御名方「そ・・・そうだったな・・・。」
タケミー「すまぬ。つい、熱くなってしもうた・・・。」
ミッチー「それで、三柱(さんはしら)の神が祀られたことにより、三神社と呼ばれるようになったのですな?」
建御名方「その通りだ。タケミー殿は、奥宮(おくみや)ということで、含まれてはおらぬがな・・・。」
タケミー「わしが入らなかったこと、ありがたく思うが良いぞ!」
建御名方「そっちが、入りたがらなかったのではないか?」
タケミー「なんじゃと?」
ノーネ「喧嘩禁止! 怪我は必至!」
ミッチー「して、二千年後の鎮座地(ちんざち)の地名は?」
建御名方「亀山(きのやま)から南に位置する、兵庫県たつの市の揖西町中垣内(いっさいちょう・なかがいち)に鎮座しているぞ。」
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ミッチー「奥宮から離れておるのですな・・・。」
タケミー「居ずらかったのであろうなぁ。」
建御名方「ん? 何が言いたい?」
タケミー「その通りを言うたまでぞ・・・。」
八瀬さん「そ・・・そういうことで、井関三神社の解説は、これにて終(しま)いや!」
ミッチー「よ・・よし! 皆の者、さっさと社を建てるぞ!」
従者たち「ぎょ・・・御意!」×多数
こうして、ミッチーたちは、社を建てると、逃げるようにして帰還したのであった。
宮中の光る玉が消失したのは、言うまでもない。
そして、年が明け、紀元前95年、皇紀566年(崇神天皇3)となった。
秋の気配深まる、9月。
崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)は遷宮(せんぐう)をおこなった。
ミマキ「その通りじゃ。代替わりごとに、宮を遷すのが、この時代の習わしであるからな・・・。」
そこに、中臣神聞勝(なかとみ・の・かみききかつ)(以下、ミッキー)と大倭御物(やまと・の・みもの)がやって来た。
ミッキー「遷宮、おめでとう! ハハッ!」
御物「エピソード240以来の登場やに!」
ミマキ「うむ。ついに宮が完成したぞ。」
御物「ほんで、宮の名前は、何と言うんや?」
ミマキ「磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)じゃ。」
ミッキー「それで、どこに遷ったの?」
ミマキ「二千年後の地名で言うと、奈良県は桜井市金屋(さくらいし・かなや)じゃ。」
御物「三輪山(みわやま)の麓(ふもと)やに。先代の宮から見て、かなり南に遷ったんやなぁ。」
ミマキ「うむ。して、宮の跡地とされておるのが、志貴御縣坐神社(しきのみあがたにますじんじゃ)であるぞ。」
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ミッキー「エピソード68でも、少しだけ紹介されてるね。」
ミマキ「そうなのか?」
ミッキー「論功行賞の件(くだり)で、磯城氏(しき・し)の皆さんが解説してるよ。ハハッ!」
御物「ちなみに、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が祀られてるんやに。」
ミマキ「うむ。その通りじゃ。」
こうして、十代目の宮が建造された。
この地より、様々な出来事が巻き起こっていくのである。
つづく
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