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「My 辞書を創ろう!」語学勉強法(ドイツ語 ゲーテ B2)

語学勉強は「武器探し」

どんな武器を持っているかによって、どのくらい相手と「やりあえるか」が変わってくるかと。
自分に合った武器をたくさん見つけるのが大事だと思うし、相手が使ってて「自分も使いてぇ~」と思ったらどんどんパクっちゃう精神が大切ですよね。
「勉強する」って考えると気が重くなることがしばしばあるので、「武器探し」(あるいは「宝探し」と表現する方もいましたが…)みたいな感じで捉えられれば、お手軽に続けられるかなと思います。

以下、「キーくん流、My 辞書の創り方!」の説明です☟

①一つの単語を深堀する

・「発音・意味・用法」を勉強する

日本語だと、

行く

という文字を見た時に、

1:「いく」と読む(発音)

2:どういう動作を示すのか分かる、つまり、言葉の意味が分かる(意味)

3:「学校に行く」、「レストランへ行く」などの使い方が思い浮かぶ(用法)

ということが、日本人なら自然とできていることに気付いた。

逆を言えば、

自分が習得したい外国語でソレが出来ればいいんじゃね?という話。

例えば、ドイツ語で

gehen

という文字を見た時に、ドイツ語に親しんでいない人にはちんぷんかんぷんである。

そこで、勉強する必要性が出てくるのだが、その際に理解すべきことは、

1:「げーえん」と読む(発音)

2:「行く」という意味である(意味)

3:「zur Schule gehen」、「zum Restaurant gehen」と使う(用法)

ことであると考えた。

・複数の辞書を使う

私が1つの単語を深堀する際は3つのオンライン辞書を使っていて、それぞれに使用する意図がある。

1:コトバンク(https://kotobank.jp/

この辞書を使う時は、「意味」を知ることを重視する。知りたいドイツ語の単語が日本語に訳された時に、一般的にどんな言葉になっているのかを知る。おまけとして、「用法」もチェックしておく。

2:Wikitionary(https://de.m.wiktionary.org/wiki/Wiktionary:Hauptseite

この辞書を使う時は、「発音」を知ることを重視する。知りたいドイツ語を入力すれば、ソレの解説ページ内にネイティブが発音してくれているボタンがある。それをクリックして単語の発音を学ぶ。おまけとして、

・コトバンクで学んだ意味がちゃんと使われているか?(辞書に書かれている内容が古かったり、現実には使われていなかったりすることはよくある話である。WikitionaryはWikipediaみたいに誰もが加筆・訂正できるシステムであり、当然、ドイツ語のページはドイツ人が書いている。現代を生きるドイツ語話者が辞書通りの意味で単語を用いているのか辞書に載っていなかった意味で単語を用いてないかをチェックする。)

・ページに書かれている用法(ほとんどの場合、コトバンクに記載されている量より多くて、多種多様な用法を学ぶことができる。)

3:DWDS(https://www.dwds.de/

1と2の辞書を使って単語を深堀した後に、仕上げとしてこの辞書を使う。この辞書を使う時は「用法」を知ることを重視する。

まず、このサイトで単語を入力すると下の方に、棒グラフと折れ線グラフが出てくる。それらを確認して、その単語が現在どのくらいの頻度で使われているのかを確認する。

日本語でも例えば、「ひねもす(1日中)」なんて古語があるが、今の日本において「ひねもす遊んでたわ。」なんて言った時には、相手から「?」という反応をされるのは当然である。その状況をドイツ語で避けるために、使用頻度をチェックして、もし、あまり使われていないようだったら、その単語を長期記憶に残すのは止めておく。

おまけとして、このサイトには豊富で多種多様な例文がずっしりと記載されているので、それらを読んで用法を学ぶ。

で、これの辞書に載ってる用法って、添削してもらう必要が無いのが最大のメリットかなと思います。正しいドイツ語が書かれているので、それを覚えればいいだけ。独学で勉強するのにもってこいだと思いますね。

②自分が使いたいと思った用法を選別する

・普段使っている自分の言葉を知る

つまり、自分の使う言葉の癖を知るということである。例えば、「例えば」と言う場合、そのまま「例えば」と言うこともできるし、「例を挙げると」とか、「これを想像してみて」とか、「~みたいなことなんだけど」とか、人によって様々な言い回しをしている。

全ての単語を覚えることはとてつもない苦労が伴うので、「こういうニュアンスを言いたい場合には、私は『~』と言おう」と決めておくとラクだと思う。上記の「例えば」の例で言うと、

・例えば=zum Beispiel
・例を挙げると=Wenn ich ein Beispiel nenne, ~
・これを想像してみて=Wenn du es dir vorstellst, ~
・~みたいなことなんだけど=Das ist wie ~

みたいな感じとなり、個人的には「zum Beispiel」一択で乗り切るつもりである。

上記の3つの辞書で「用法」を学ぶ際に、今持っている自分の単語で表現できそうだなと思えば、その用法は参考程度の力の入れ具合にしている。一方、今持っている単語で表現しきれない用法に出会い、それを自分も表現してみたいと思えば、長期記憶しようという心持でその用法と向き合うことにしている。

・難し言い回しを簡単な言い回しに訳せる能力が大事

例えば、「昨日残業したんだ」と言いたい時に、「あれ、残業ってどう言うの?」と悩まずに、「昨日、夜遅くまで働いたんだ」と言えれば大体のニュアンスは相手に伝えることができる。

単語なんて星の数ほどあるんだから、それを一つ一つ覚える、ましてや非母国語話者がそれをするのは、かなり厳しい道だと思う。単語を見た時に自分の持っている”武器(=単語)”で説明できるようにであれば、そこまで気にする必要はないかなと個人的には思う。

・同じ意味を持つ単語同士はどちらかを選ぶ

日本語でも、数が多いことを表現したい時に、「多い」「たくさん」「めっちゃある」とか色々な言葉を用いる。例えば、ドイツ語でも”始める”という意味を持つ動詞には「anfangen」や「beginnen」など多くの単語がある。それらをいちいち自分の武器として備える必要はないかなと思っていて、上記の①の過程でそれぞれの単語を深堀した結果、一番汎用性の高い単語を長期記憶として持っておけば良いかなと思っている。あとは、言いやすさとか自分の好みとかで決めても良いと思う。

③メモる

・ルーズリーフ1ページに”蜘蛛の巣”を描く

上記①②をの行為を私はルーズリーフに落とし込んでいた。一例としてコチラ☟

字が汚いのはご勘弁…

これは「Perspeltive」という単語を深堀したモノだが、右端に深堀する単語、上の④はDWDSで載っていた使用頻度、30はDWDSで載っていた現在の折れ線グラフの値である。

真ん中に深堀する単語を書いて、コトバンクで調べた意味、Wikitionaryで調べた発音を書く。後は、そこを中心として、気になった用法(使ってみたいなと思った用法)を繋げて記入していくだけである。

・メモってから辞書にする時は間をあける

上記の写真で〇とか✕を付けているが、それらはMy 辞書を創る時に役立つ。端的に言えば、✕を付けている文章は載せないということである。

深堀した際には良いなと思っていた用法が、後から見てみると「大したことないな」と思ったり、「これって、あの単語使えば表現できるじゃん」と気付いたりすることがある。My 辞書には自分にとって必要最低限なモノしか記載したくないので、ふるいにかける意味を込めて時間をあけるようにしている。

④辞書の完成

出来上がりはこんな感じ☟

個人的には綺麗に書いているつもり…笑

左側に”正”の文字があるのは、▢の中のやつは、その単語の例文を全部読んだ回数、例文の所にある”正”は、「これ良いな、使いてぇ~」と思ったやつを示している。

そして、辞書に記載するほどでもなかった単語達は、A~Zまでのルーズリーフに意味と共に記載していく☟

自分だけの、自分専用の辞書ってテンション上がりませんか?笑

僕は暇さえあればこれを復習してるし、自分が使いたい表現ばっかり記載されてるんで、見てて全然飽きないんですよね。

大学で始めたドイツ語


ドイツ語は、大学入ってから第2外国語として勉強開始。
大学2年生でフライブルクに3週間の語学留学。(ボディーランゲージで乗り切った!笑)
ドイツ語学科に転部して、本格的に勉強開始。独検の過去問を解きまくり、転部して1年で2級に合格。そういえば、福岡大学?で行われたドイツ語スピーチコンテストも優勝しました。笑
そんで、1年間留学。挨拶や日常会話などの基本的なことはできるようなレベルになったかな。

ドイツ語トラウマ事件

個人的には、その1年間留学でちょっとしたトラウマがありまして…
Waldzwerge以外の森の幼稚園に見学しに行った時の事なんですけど、
子ども達が工具を使ってるところを先生と二人で見守りしていたら、
年長くらいの男の子が工具を指さして、「これ何?」って訊くんですよ。
で、「分からない」って答えると、「じゃあ、これは?」って。「それも分からん。」。そんなやりとりを数回繰り返した後に、その少年が、

Du bist Sprachfehler.

って言いまして…。「Sprach=言語、Fehelr=失敗」なので、言葉が出来ない人みたいな意味合いかなとなんとなしに思ってたら、それを聞いていた隣の先生が凄い剣幕で、「キーくんは日本人なのよ。彼の母国語は日本語で、それに加えて、ドイツ語が話せるのよ。あなたは日本語話せるの?できないでしょ!キーくんは凄いのよ、そこを理解しなさい!」って言ってくれて、その場は過ぎたんです。で、実習が終わってSprachfehlerを辞書で調べると、和訳の所に「言語障害者」って書かれてあったんですよね…。

それを見た時に、先生があれだけ怒ってくれた理由がよく分かって感謝したんですけど、それよりも、子どもにそんなことを言われてしまったっていうショックが結構大きかったですね。

Waldzwerge森の幼稚園の子ども達とは、ちゃんと関係性を築けていたので、子ども達も外国人としての自分を理解してくれていたからこそ、「Sprachfehler」みたいなことを言われたことなかったし、自分が間違ったことを言っていても、「キーくんは何を言いたいんだろうか?」と僕の意図を汲み取ってくれようとしている気遣いをヒシヒシと感じることができていました。まぁ、だからこそ、他の森の幼稚園を見学した時に、そう言われてしまったのが結構衝撃的で、なんかトラウマとして自分の無意識な部分に残ってしまったような気がしますね。

基礎が無い奴の見栄を張った最悪の勉強からの脱出

で、留学から帰って、ドイツの大学に進学したいと思って、就活そっちのけでドイツ語勉強してたんですけど、全然ドイツ語力伸びなかったんですよね。今思うと、勉強方法が最悪だったなと思います。

なんか、「文」を暗記しようとしてたんですよね。でも、文って長いし、その文を覚えたって、その文の事しか言えないんだから、応用が出来ないし。当時の自分の感覚としては、ドイツ語という”広い海”に放り出されて、文を覚えるという”泳ぎ方”で必死になって泳ごうとしていたんですけど、覚えられる量なんて広大な海のほんの1部分でしかなくて、どんだけ覚えても全然前に進まず、終いには溺れてしまったっていう感じです。語学の海で溺れてしまったんです。

で、時は過ぎて、「もう一度挑戦しよう!」と思い立った時(2022年5月)に、大学4年生の時の間違いだけは絶対に避けようと思いました。目標として、2022年11月にあるゲーテB2の試験を掲げて、自分なりの勉強法を模索しました。「文法事項は大学で一通り勉強して、日常会話くらいなら留学してからできる」くらいのレベルからスタートです。

2022年5月から2022年7月の2か月間で図書館にある語学の学習系の本を読み漁って、どんな勉強が良いかを探しました。でも、試してみても「コレだ!」と思えるものが無くて、どうしようかなと悩んでいた時に、この記事の文頭で書いた、

「発音・意味・用法」を勉強する

といいんじゃね?と偶然思いついたんです。そこからは基礎が大事だということで、gehen(行く)とかの超初歩的な単語から深堀していくことにしました。

今思えば、正直、ドイツ語は一通りやったという謎の自信から、基礎をおろそかにしていたと思います。だからこそ、文章を覚えて、スラスラとドイツ語ができるようになりたいと思っていたんでしょうね。でも、そんなことは、基礎が出来てない奴が、応用をやろうなんてお門違いもいいところでした。基礎ができてないから、語学の海で溺れるんですよ。しっかり基礎を身に付ければ、いかだに乗ってるのと同じです。そうすれば溺れて沈むことはありません。後は、語学勉強を続ける(語学の海を航海する)中で、見つけた武器を自分のモノにして、そのいかだをどんどん大きくしていけばいい。

そういうマインドになったからこそ、僕はたった4ヶ月の勉強だけでゲーテのB2に一発で合格できたと思います。もちろん、試験に受かるために、仕事を辞めて、勉強漬け生活を送っていたので、他の人達よりも勉強に使える時間が多かったのも要因です。

ただ、完全に大学4年生の頃の自分とは全く違う気持ちでドイツ語に取り組めているなと実感してました。当時は、文を覚えるの苦痛でしょうがなかった。基礎ができてないくせに文章を覚えてできるようになることで見栄を張ろうとしていた。一方、試験勉強中は、単語一つ一つを深堀して、語学の海をしっかりと航海できるような自分だけの船を創ろうとしていた。自分だけの船を創るのは楽しかった。見栄とかはどうでもよくて、自分なりのドイツ語を使って、自分なりのコミュニケーションをとろうとしていた。

今、現在語学の海で四苦八苦してる方に、このマインドが伝わることで、少しでもラクになって、自身の将来がより明るいものになれば、書き手冥利に尽きます。

ゲーテB2試験対策でやったこと

ゲーテの試験対策としては、YouTubeの動画を見まくっていました。Lesenは、一つ一つの単語を深堀していく作業で必ず自分の知らない単語に出会うので、それらをついでに調べることで、単語量を増やしていきました。Schreibenはこちらのチャンネル(https://www.youtube.com/@PrufungDeutsch)で色々な表現を学びました。
HörenはYouTubeにあがってる音源を聞いてましたが、個人的には「Family Guy」のドイツ語ヴァージョンを息抜きに見てるのが良かったなと思います。このおかげで、1日中ドイツ語を聞くという環境に浸ることができたと思います。「family guy deutsch」で検索すると色々出てきます。笑えるものが多いので楽しいです。僕は最初に聞き始めたころは、「こんな早口なドイツ語理解できるわけねぇ!」と感じていましたが、一つ一つの単語を深堀していく中でいろんな単語と出会い、その単語の発音を学んでいくことによって、時たま動画の中にその単語が登場することがあるんですよね。その時に、「あ!これ知ってる!」ってなって、「そうすると、今の文章ってこう意味合いかな。」って推測できて、話の内容が理解できるようになるんですよね。で、内容はもともと面白いので、それが出来ればその面白さを理解できてさらに楽しくなって、もっと理解したいと思ってますますドイツ語の勉強に励むという「好循環」が築けましたね。今では、普通に聞くことができるようになったので、成長したなって実感できます。

Sprechenだけは対策といった対策は出来ませんでしたね。周りにドイツ語話す人いないし、オンラインで話すの恥ずかしいというか怖いし。お金払いたくないし。だからもう、想像でやるしかなかったです。試験当日もSprechenだけ滅茶苦茶緊張しましたね。で、試験終わった後は、「落ちたわ…」と思ってしまうくらい自己評価は低かったです。ただ、パートナーよりもたくさんしゃべったし、いろんな表現使ってたなとは感じれたのは事実です。まぁ、結果論ですが、合格できたので良かったなと思います。

合格証明書。Sprechen(話す)以外は満点狙ってたので、そこは悔しい。
Sprechenはやっぱり、点数が低かった。
どれかの科目が60点以下だと不合格になってしまうのだが、
なんとか下回らなくて良かった。

まとめ:「My 辞書」を創って、基礎を固めて、語学の海を楽しく航海しよう

これからドイツで森の幼稚園の先生としてやっていくには、まだまだ語学力の改善が必要です。

自分のやり方を見つけることができたので、それを軸にして、どんどん自分のドイツ語をブラッシュアップしていきたいと思います!

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