菊花仙人

老後の生活は好きなことを好きな仲間と好きな時間に楽しむことをモットーにしている。

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    小説・映画の感想をブログに上げています。

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ホールドオーバーズ(置いてけぼりホリディ)~シネマガイド~

ボストン近郊にある寄宿制名門校の生徒たちは、クリスマス休暇には、誰もが家族と一緒に過ごすため実家に帰る。 孤独な三人 しかし、様々の理由で寄宿舎に留まらざるをえない生徒が5人いた。この生徒たちの監督、面倒を見る役目をいつも校長から押しつけられるのが、生真面目で生徒や同僚からも嫌われている変わりものの歴史の教師ハナムであった。彼もまた帰る家族の元や実家はなかった。それに食堂を差配するウ”ェトナム戦争で一人息子を失ったばかりの女料理長メアリー。そして生徒たちのうち4人は、スキー

    • 関心領域・・・<シネマガイド>

      第2次大戦中、ナチス親衛隊が,ポーランドのアウシュビッツに強制収容所を作った。塀を隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしを描いた映画である。 空は,青く晴れ渡り、近くの川縁で楽しそうに家族連れが水遊びしたり泳いだりしているきわめてゆったりとした風景。 所長ヘスには、妻ヘートゥ”ィッヒと男2人、女2人と赤ちゃんの5人の子どもの7人家族と犬そして使用人。 アウシュビッツの中では、なにが行なわれているかあたかも感知してない幸せな生活、子どもたちの騒ぐ声、赤ん坊の泣き声、犬

      • 碁盤斬り

        {シネマガイド} 囲碁勝負 今は、江戸にて長屋くらしの浪人,柳田格乃進は彦根藩の家老であったが藩内のもめ事から無実の罪を着せられて今は江戸で浪人暮らししていた。。その時、同僚の柴田は有名画家の掛け軸持ち出し逃亡した。しかも、格乃進の妻を犯したことで妻はその責に苛まれて水死してしまった。 浪人の身となった格乃進は、篆刻をまた、娘の絹は、針仕事を糧に長屋暮らしであった。 格乃進は、囲碁に長けていて碁会所ではいちにを争う腕前であった。あるとき道場荒しに来た男にその碁会所の仲間がこ

        • ともぐい

          {読書の小窓} 明治初め北海道東部、海に面した白糠から山の中を半日かけて歩き山小屋にたどり着く。その小屋の主、熊爪は、養父が行方不明になってからは狩猟犬とともに暮らし熊、鹿、兎等の肉や毛皮や山菜などを町で売って暮らしの拠り所していた。 白糠は、古くからアイヌの人々が住んでいた。今は、和人も多く住むようになり海産物で栄えていた。 町はずれの門矢商店は熊爪が持ち込んだ熊や鹿の肉や毛皮を買い取ってくれそれを料理屋、毛皮職人、薬屋に卸していた。 門矢商店の店主は、井上良輔と言って白糠

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          菊花仙人

          菊づくり菊の種類 大菊:厚物、管物、厚走り 古典菊:嵯峨菊、江戸菊、丁字菊、伊勢菊、肥後菊 小菊:小菊(山菊)スプレー菊、ポットマム、食用菊 大菊 厚物(あつもの)・・・大菊の代表種、数百枚の花弁が重なり合い盛り上がって咲いている。手まりのような花形。国華金山、国華越山 管物(くだもの)・・花弁が管状でかんざしが開いたように咲く。太管、細管など 古典菊(こてんぎく)・・・それぞれの地方で古い時代から栽培されてきた菊。嵯峨、伊勢、肥後菊は古典三菊とも言われている。 嵯峨

          マリウポリの20日間

          {シネマガイド} ウクライナの南東部の港町、巨大製鉄所等のある工業拠点、マリウポリ。 ロシアの軍事侵攻により戦禍に晒された惨状をAP通信のウクライナジャーナリストが命がけで記録を続けたドキュメンタリー戦争映画である。 砲弾で家を壊された老女は息子を探して泣き叫ぶ。サッカーをしていて被弾した少年。 ロシアは、一般市民に向けて砲弾を撃つことはないと言っていたのに民家や アパートに落下してあちこちで煙が立ち上っていた。 アパートの前を「z」とロシアの標章の文字のある戦車が2台横付

          マリウポリの20日間

          異人たち

          {シネマガイド} ロンドンの高層マンションに住む脚本家アダムは、12歳の時、両親を交通事故で失った。 自分の境遇、身寄りのない孤独を持て余していた。心を閉ざしている。 ある日、自分が生まれ、両親と住んでいた田舎を訪ねることにした。懐かしい思いを抱いてドアー開けるとそこには、昔のままの両親が住んでいた。 両親は、彼を歓待し昔話に談笑が絶えない。アダムの心は開かれていった。 同じマンショに住む一人の男が訪ねてくる。 同じ境遇に見えるハリーと話しているうちにゲイであることを打ち

          旅情詩人・新版画川瀬巴水(はすい)展

          大正から昭和にかけて活躍、新版画、川瀬巴水展が、八王子夢美術館で6月2日まで開催されている。 特に関東大震災後、東京を描いた「東京二十景」の「芝増上寺」と「馬込の月」は、巴水の代表作である。 ステイーブ、ジョブスと巴水の版画 この展覧会でステイーブ、ジョブズが巴水のファンであり、その作品を熱心に集めていたことを知った。 マッキントッシュ・コンピューターやiphone等で世界を変えたジョブズが、巴水のどこに魅せられたのか知りたかった。 天才、カリスマ、尊大、非情などの形容詞

          旅情詩人・新版画川瀬巴水(はすい)展

          八月の御所グラウンド

          {読書の小窓} 京都の夏は、炎で炙られるような暑さである。 俺、朽木は、火がないと彼女にふられた。 いまごろ彼女の田舎、四万十川の清流で水遊びをしているころだが、今暑い京都にいる。 友人の多聞から、焼き肉を奢るからと連絡があった。 多聞の相談は、貸した金はまってやるから野球をやらないかとのこと。大学の留年から抜け出すため外資系の就職先の内定も決まった。 しかし卒業するため研究室の教授に相談したところ、俺の研究を手伝って卒論を仕上げたら卒業させるとのこと。 ただし、交換条件と

          八月の御所グラウンド

          オッペンハイマー

          {シネマガイド} 小学2年生、8月6日広島に、9日長崎に新型爆弾が落とされた。と大人たちから聞かされた。 広島で約14万人、長崎で約7万人が亡くなった。 広島上空にやってきたB29エノラゲイは大人から聞いて今でも覚えている。 8月15日、日本は、戦争に負けた。 オッペンハイマー「原爆の父」栄光と悔恨の人生。 太平洋戦争も中盤、オッペンハイマーは、アメリカ軍幹部から原爆の開発、製造のプロジェクト「マンハッタン計画」への参加を要請される。 彼は、そのリーダーとなり、ニューメキシ

          オッペンハイマー

          さくら標本木

          靖国神社のさくら標本木 4月6日(土)満開である。 3月29日(土)に開花宣言から約1週間満開である。 東西線九段下下車見物客で混雑している。 立ち止まってスマホで写真撮るのも押されてピントが合わない。 北の丸公園をお堀に沿って歩く。 花曇り、暑くもない、寒くもない。 ボートで楽しむカップル。 靖国神社ヘ 広い境内も見物客で混雑。弁当を食べる場所もない。 標本木 人、人人、人人人・・・・で写真を撮るのに順番に並ぶ。 標本木 全国に58本の「標本木」 樹種は

          さくら標本木

          君たちはどう生きるか

          {シネマガイド} 宮崎駿監督作品が久しぶりに公開。 戦争中、母を亡くした真人(まひと)は母の実家「アオサギ屋敷」に父親と引っ越す。 父は、その家に一人で住んでる母の妹(夏子)と再婚する。父は、会社の仕事が忙しく殆ど家にいない。 真人は、親切にしてくれる夏子や学友たちとも今一馴染めずにいた。 お手伝いさんの6人のばーさんたちが真人を見守ってくれる。 山の中のお屋敷の裏山に大叔父が建てたという古ぼけた西洋風の塔が高く聳えて気味悪い。 その建物の最上部の鳩小屋にアオサギが住

          君たちはどう生きるか

          東京都同情塔を読んで

          {読書の小窓}第170回芥川賞 九段理恵「東京都同情塔」 美青年(イケメン)好きの成熟した37歳の女性建築家牧名沙羅と彼女に見初められた美青年26歳のタクト(東上拓人)。 東京都のど真ん中、都民憩いの場、新宿御苑に地上71階建ての巨大な円柱のタワー「シンパシータワートーキョー・東京都同情塔」という刑務所が建てられた。(多分、都民の大部分は、建設に反対するだろう) 犯罪者になるために生まれてきたためではない。幸せになるために生まれてきたはずだ。しかし、犯罪者になってしまった

          東京都同情塔を読んで

          ドッグラン

          ぼくは6歳のシーズ犬ぼくはいつも一人でお留守番をしている。今日は、飼い主のサッチャンが、お休みを取って、千葉の八街にあるドギーアイランドに連れっててくれることになった。 うれしさとちょっと不安な気持ちとまだ寒いのでジーパンとベストを着せられてカズくんの運転で八街に向かいました。 品川から1時間ほどで八街へ 高速道路を下りて田舎道をしばらく走ると雑木林から明るい広場に 出た。道路の両側には西洋風の明るい色合いの窓の多くあるお店が 建ち並んでいる。 その後ろには2階建てのメゾ

          ドッグラン

          52ヘルツのクジラたち

          {シネマガイド} ヤングケアラー、親の子どもへの虐待、トランスジェンダーDV等、日々、現代社会が抱える問題点を描いた映画である。 都会での生活に傷ついた声を上げられなかったキコ(貴湖)は、海辺の村、元、祖母の住んでた家に引っ越してきた。 そこで、過去の自分と同じ境遇に遭ってる少年ムシと出会う。 彼の背中はミミズ腫れの傷跡が痛々しい。 キコは、この少年と暮らすことを決意する。 キコは、母親が働いているので父親の介護をしていた。ある日、父親が食事を喉に詰まらせて病院に運び込まれ

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          落下の解剖学

          {シネマガイド} フランスグルノーブルの山荘にドイツから移住してきた夫婦と男の子。 妻は、人気作家のサンドラ。朝からインタービュ中。 夫は教師であるが小説家を志しているサミュエル。 子どもは、或る事故で弱視になったダニエル。 そしてダニエルの愛犬。 雪の積もっているある朝、ダニエルは、愛犬をつれて散歩に出かける。 散歩から帰って来ると山荘の前、雪の上に父親のサミュエルが3階のベランダから落ちて死んでいるのを見つける。 妻のサンドラが、3階から夫を突き落としたのではないかと殺

          落下の解剖学