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52ヘルツのクジラたち

{シネマガイド}
ヤングケアラー、親の子どもへの虐待、トランスジェンダーDV等、日々、現代社会が抱える問題点を描いた映画である。
都会での生活に傷ついた声を上げられなかったキコ(貴湖)は、海辺の村、元、祖母の住んでた家に引っ越してきた。
そこで、過去の自分と同じ境遇に遭ってる少年ムシと出会う。
彼の背中はミミズ腫れの傷跡が痛々しい。
キコは、この少年と暮らすことを決意する。

キコは、母親が働いているので父親の介護をしていた。ある日、父親が食事を喉に詰まらせて病院に運び込まれる。
母親は、お前の所為で入院することになったのだと詰め寄り「お前が死ねばよかったのに」の罵声を浴びせ、殴る。
呆然と街中を彷徨うキコを救ったのがあん(安吾)である。
父親を施設の入れ介護の手続きをしてくれ優しくしてくれ、キコはいつの間にかあんに惹かれていく。
キコは、平常の生活を取得してある流通会社で働く。
その会社の社長のご子息(主税)と恋仲になり同棲、仕合せを摑んだかに思えたが、このご子息に会社の取引先のお嬢さんとの婚約話。ところが、
一通の手紙で二人の間が婚約相手にばれて破談。
主税の暴力に拉がれてキコは、優しかったあんのことを思い出す。
あんさんのことを想いながらもあんさんからはキコの仕合せを祈っているとしか帰ってこない反応。

実は、彼は、トランスジェンダーであった。母親と故郷に帰る日、あんは自殺を図る。

通常、クジラの発する鳴き声は、30ヘルツ前後、しかし52ヘルツの周波数の鳴き声は、一般のクジラには、聞こえないらしい。いくら悲鳴を上げても気づいてもらえない。

町田そのこの本屋大賞受賞作の映画化。
貴湖:杉咲花 安吾:志尊淳 主税:宮沢氷魚

映画「52ヘルツのクジラたち」


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